佐藤可士和のルーツはパンク!「博報堂の面接でも“作品です”とか言ってパンクの曲を聴かせて…」
TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。10月1日(木)のお客様は、クリエイティブディレクターの佐藤可士和さんと、アートディレクターの吉田ユニさんです。

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(左から)佐藤可士和さん、吉田ユニさん


◆パンクに1番影響を受けた(佐藤)

吉田:可士和さんは、どういうものに影響を受けたんですか?

佐藤:僕はいろいろあるけど……でもパンクかな。音楽がすごく好きでね。中学校くらいから洋楽を聴き始めてロックが好きで。それこそ僕が中1くらいのときに、セックス・ピストルズがデビューして、彼らをテレビで観てすごくびっくりして。まだ周りはみんなハードロックで長髪だったわけですよ。そこにピストルズのジョニー・ロットン(Vo)が髪を短くしてツンツンにして。

「God Save the Queen」か何かを歌っているのを観て「かっこいい」って思ってね。そのときは、まだ中1とかだから、パンクスになるという感じじゃなかったんだけど、高校に行き始めたら、みんながギターを始めたり、音楽を聴いたりしていて。それくらいからイギリスでハードコアパンクとか、すごく激しいのが出てきて、それをわりとリアルタイムで聴いてドハマリして。で、大学に入ったらすぐにバンドを組んで、ずっとジャカジャカ、バンドをやっていたの。

吉田:それは意外でした。

佐藤:それで自分の曲とかを作っていて、博報堂の面接でも「作品です」とか言ってパンクの曲を聴かせて、「うるさいから止めろ」って言われて(笑)。

吉田:面白い(笑)。そっちの道に行こうとは思わなかったんですか?

佐藤:かなり憧れてはいましたけどね。バンドをプロデュースして、自分で曲を作って「こういうコンセプトでやろう」とか、ビジュアルも作ったりとかしていたのね。ライブハウスにも出たりとか。でもダメだなと思ったのが、下宿でずっとギターを弾きながら曲を作っていて、イメージはできるんだけど弾けないのよ、自分で。絵だと「こういうのを描こうかな」と思って描けるんだけど、音楽だと「こういうメロディーでこういうふうにやって」とか思っても弾けないのよ。あまりにもパフォーマーとしての才能がないなと思って。

吉田:プロデューサー的な感じですかね?

佐藤:プロデュースをしたいという思いはなかったんだけど。こういうものを作りたいというイメージは、すごく明確にあるんだけど、テクニックがないし、そもそもちゃんと音楽を勉強していなかったから。それで「俺には絵しかないな」と、おとなしく博報堂に行ったの。

◆大学の授業で広告の面白さを知る(吉田)

吉田:デザインとかは、いつぐらいに興味を持ったんですか?

佐藤:ユニちゃんもそうだと思うけど、幼稚園くらいからずっと絵ばかり描いていて。で、とりあえず絵は得意だなみたいな。ユニちゃんは、女子美(女子美術大学)は中学からだもんね。

吉田:はい、中学からです。

佐藤:それはめちゃくちゃ早いよね。俺は高2のときに受験で文系か理系に分かれなさいみたいなときが、人生初のターニングポイントで。初めて真剣に考えて「どっちも行きたくない」と思って。それでハッと気づいて「美術は?」って。

親父が芸大だったから、なんとなく(美術に触れる)環境はあったんだけど、「じゃあ、やろうかな」と思って、御茶美(御茶ノ水美術学院)に行って。行ったその日に「これで一生やっていこう」と思って、「これだ!」と。でも女子美に中学から行くって、相当早い決断だよね。

吉田:そうですね。多分そのときは、深く考えていなかったと思うんですけど。ただ絵が好きで、絵の授業がたくさんあるというだけで。

佐藤:自分で能動的に選んだの?

吉田:はい。母が「こういう学校もあるよ」って教えてくれて。

佐藤:素敵なお母さんだね。

吉田:はい。そこだけ受験してみようと思って。

佐藤:中学校の女子美でも、デッサンとかあるの?

吉田:受験のときは中学はなくて、高校からですね。授業ではたくさんあります。

佐藤:でもクリエイター人生、中学校からだから相当長いよね。

吉田:でも中学・高校のときは、まだグラフィックとか分かっていなくて。高校のときに、デザインと絵画コースに分かれるんですけど、そのときは絵画を選んで、ずっと油絵を描いていました。

佐藤:その流れで大学で広告をやろうかなと思ったの?

吉田:そうですね。大学でグラフィックをやってみたいなと思って。そのなかの授業で広告の授業があって、そこで広告の面白さを知ったんですよね。

佐藤:でも当時は、例えば出会った先生とか人にだいぶ影響されたでしょ?。

吉田:本当にそうですね。

佐藤:例えば、その授業を取っていなかったらとか、もし中学のときに女子美に行ってなかったらとか、(今の生き方と)だいぶ違うよね。

吉田:本当にそう思います。

佐藤:僕も高2のときに美大に行こうと決めなかったら、本当にどうなっていたのかなというか。

吉田:そうですよね。本当に不思議な感じ。

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来週の「TOKYO SPEAKEASY」のお客様は……

11月2日(月)若月佑美さん×シソンヌ・長谷川忍さん
11月3日(火・祝)藤井隆さん×堂島孝平さん
11月4日(水)吉田豪さん×川後陽菜さん
11月5日(木)ゆりあんレトリィバァさん×コロコロチキチキペッパーズ・ナダルさん

がご来店。一体どんな話が飛び出すのか……!? お楽しみに!

<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00~26:00
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/speakeasy/