後払い型の決済サービスを展開するPaidyは10月27日、新サービス「3回あと払い」機能の提供を開始すると発表した。3回以上の分割支払いで、恒常的に分割手数料が無料のサービスは日本国内で初めてとのこと。

  • Paidyは、手数料無料の「3回あと払い」を発表した

クレカ不要の後払いサービスに、支払い計画の立てやすい3回払いが登場

同日、新サービス公開にあわせて、発表会が開催された。Paidy 代表取締役社長兼CEOの杉江陸氏がPaidyのサービス概要および新機能「3回あと払い」について紹介を行った。

  • Paidy 代表取締役社長兼CEOの杉江陸氏

「Paidy」は、メールアドレスと携帯電話番号、認証コードのみで利用できる決済サービスだ。事前にクレジットカードの登録は不要で、買い物をした翌月にコンビニもしくは銀行口座から支払いを行う。カードを持たないミレニアル層やカード利用を躊躇する方など、現金決済を主とするユーザーに利用され、毎日5,000人ペースで利用者は増加。アカウント数は400万を突破したという(2020年10月時点)。

  • 「Paidy」はクレジットカード不要で後払いが可能

今回新たに発表した「3回あと払い」は、本人確認や利用上限金額が設定できるアップグレード機能「Paidy プラス」における新サービスだ。Paidyプラスは、月々の利用上限金額の設定やAI顔認証などにより、より安心安全に買い物ができる機能。利用には、Paidyアプリ上で運転免許証もしくはマイナンバーカードと顔写真を撮影し、本人確認の手続きが必要となる。

  • 新サービス「3回あと払い」の特徴

新サービスの「3回あと払い」は、「3回払いなら無理なく支払い計画が立てやすい」というユーザーの要望から生まれたものだという。手続きも簡易で、「Paidy」で決済完了後、同サービスのアプリ画面上で「3回払いに変更する」というボタンをタップするだけで支払回数を変更できる。11月以降は決済後のアプリ画面上に加え、ECサイトでの決済時にも選べるようになる予定とのこと。

  • 「Paidy」アプリ画面。基本は1回払いだが、「3回あと払い」へはワンタップで変更が可能だ

また、口座振替・銀行振込で支払いを行う場合、分割手数料は無料。3回以上の分割払において恒常的に分割手数料がかからないサービスは国内初だという。ただし、コンビニ払いの場合は別途手数料(最大356円/回)がかかる。

「『3回あと払い』では『未来の自分とワリカンしよう』というテーマを打ち出しました。おしゃれをして背筋が伸びるような気分になったり、ギターを買ってバンドを始めたり、具体的な目的のためにお金を使うことは、消費ではなく投資だと考えています」と杉浦氏。「このサービスを通して未来の自分と一緒にお金を使い、自分を変える取り組みにチャレンジをしてほしい」と語った。

3回後払いで、ニューノーマルの買い物はどう変わる?

発表会では、加盟店とユーザーを交えたトークセッションも行われ、レディースファッション通販を運営するマガシーク コンシューマーサイト事業本部長の小手川大介氏、YouTuberのるぅきぃ夫婦が登壇。聞き手はPaidy CMOのコバリ・クレチマーリ・シルビア氏が務めた。

  • (左)Paidy CMOのコバリ・クレチマーリ・シルビア氏、(右)マガシーク コンシューマーサイト事業本部長の小手川大介氏

小手川氏は『3回あと払い』について「手数料無料なのでユーザーの負担もなく、かつ3ヶ月の分割というわかりやすい仕組みなのでアパレルにマッチしそうです」とコメント。コロナ禍の影響でアパレルのトレンドが大きく変わり、人気商品が突然売り切れるなど、"今日買えるものが明日買えるとは限らない状態"が多く起きていると説明した。

「ユーザーは『これを今買うべきか』のジャッジをすることが多くなるはずです。これから単価が高いコートやダウンジャケットなどの購入が増える季節になります。そのときユーザーが『3回あと払い』を使えることは、自社にとって後押しになるでしょう」と期待を寄せた。

  • トークセッションに登壇するるぅきぃ夫婦

子育てに必要なアイテムはネットで購入するというるぅきぃ夫婦は、ユーザー目線の買い物事情やサービスに対する印象を語った。夫のきい氏は「僕自身はキャッシュレスですが、妻はカードを持っていない現金派なので、メアドと電話番号だけで決済ができるのは支払いの面倒くささがなくて助かります」と本サービスに便利さを感じた様子。

また、今後どのようなタイミングで「3回あと払い」を使いたいかという問いについては「コロナ禍が明けたタイミングで、未来の自分と割り勘して家庭のお金をやりくりし、子どもと思い出を作ってきたいです」とコメントした。