徳島大学は10月27日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不活化(不活化度99.9%以上)と不活化に必要な深紫外光量の定量化に成功したと同時に、液中や空気中などのあらゆる環境に応用可能な不活化基礎データの取得に成功したことを発表した。

同成果は、同大 大学院医歯薬学研究部(BMS)および同大 ポストLEDフォトニクス研究所(pLED)による共同研究チームによるもの。

これまでの先行研究から、深紫外LEDには新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不活化効果があることが報告されていた。今回、研究チームは、ウイルス培養液、深紫外LED照射方法などの最適化手法を考案。実際にウイルス自体に照射されている光エネルギーを推定可能な定量性を高めた不活化評価法を開発したことで、あらゆる環境(液体中、空気中など)にも応用可能な不活化基礎データの取得に成功したとのことで、これにより、どの波長で、どのくらいのパワーで、どのくらいの照射時間であれば、どのくらいの不活化が可能か、がわかるようになったとする。

  • 新型コロナウイルス不活化実験

    深紫外LEDを用いた新型コロナウイルスの不活化実験の結果 (出所:徳島大Webサイト)

なお、研究チームでは今回の成果を踏まえ、今回取得した基礎データは、民間企業が深紫外LEDを活用した新型コロナ不活化機能を有する機器を開発する際のレシピとなるとしており、今後、今回の研究結果を元に、不活化ノウハウの情報を取りまとめて公開し、新型コロナ不活化装置の開発に発展につなげていきたいとしている。

  • 深紫外LED照射システム

    開発された深紫外LED照射システム (出所:徳島大Webサイト)