新型コロナウイルス感染拡大の影響でコンサートやライブが軒並み中止となっているが、その一方でオンラインのライブ配信が盛り上がっている。好きなことに熱中し、沼のようにどっぷりハマった女子たちの行動は、この影響を受けてどう変わったのだろうか。

今回、マイナビニュースの女性会員109名に、「オンラインのライブ配信に関するお金の使い方や楽しみ方」を聞いてみた。

  • オンラインのライブ配信、みんなはどう楽しんでいる?

    オンラインのライブ配信、みんなはどう楽しんでいる?

ライブ配信、みんな観てる?

まず、今回のアンケートに回答した方がハマっているジャンルを見てみよう。アニメ(30.3%)に次いで漫画(29.4%)、男性アイドル(26.6%)、ゲーム(25.7%)、スポーツ観戦(22.9%)と続く。

アイドル・スポーツなどのジャンルは、コロナ禍の影響を大きく受け、行こうと思った現場がほぼゼロになった、という方も多いだろう。アニメや漫画、ゲームのジャンルも、大勢の人が集まったり、声優・俳優の出演するイベントなど、同じく中止になっている。

そういった状況の中、コンサートやライブ、試合などのライブ配信を観た方はどの程度いるのだろうか。アンケートでは、64.2%の方がライブ配信を視聴した経験があるという。

どのような配信を観たのか聞いたところ、ジャニーズやK-POPといったアイドル・アーティストの配信から、フェス、お笑い、野球などのスポーツまで、多種多様な内容が集まった。一部を紹介しよう。

  • アーティスト・アイドルのライブ(嵐、上杉周大、EXILE、XJAPAN、AKB 48、関ジャニ∞、King Gnu、サカナクション、サザンオールスターズ、真天地開闢集団ジグザグ、JinLee、SuperM、浜端ヨウヘイ、ハロー! プロジェクト、BTS、布袋寅泰、ゆずなど)
  • お笑い芸人のライブ(よゐこ、ミキなど)
  • フェス(A-nation、フジロック)
  • イベント(東京ゲームショウ)
  • 舞台(ミュージカル テニスの王子様)
  • スポーツ(野球、サッカー、相撲)
  • 将棋(王座戦)、囲碁(女流立葵杯)
  • ジェジュンのアルバム購入当選者限定配信
  • 辻仁成のヴェルサイユ宮殿オンラインツアー

無料で観られる番組も多いが、有料で配信されるコンサートやライブもある。今回のアンケートでライブ配信を観た方のうち、約64.3%の方は有料配信も楽しんでいるようだ。

有料配信を観ている方はどの程度お金をかけているのだろうか。直近1ヶ月でライブ配信にどの程度支払ったかを聞いた。

最も多かったのが「1,000円以上~5,000円未満」(40.0%)。さらに「5,000円以上~1万円未満」(26.7%)、「1,000円未満」(17.8%)と続く。一般的なコンサートのチケットよりも比較的安く購入できるためか、ライブ配信にかける金額は同程度か少し安く済ませる方が多いように見える。一方、1ヵ月に「3万円以上」(6.7%)と、しっかりお金を使う方も。

リアルな現場からライブ配信に - 趣味の費用はどう変わった?

コンサートやライブに行けば、チケット代・交通費や宿代、グッズ代などがかかるもの。一方、ライブ配信を自宅で鑑賞するとなると、単純に交通費などは浮くはずだ。ライブ配信を観るようになってから、趣味にかける費用がどう変わったかを聞いた。

「増えた」(24.3%)、「やや増えた」(25.7%)と、約半数の方が「増えた」と回答する結果に。「変わらない」(41.4%)、「やや減った」(5.7%)、「減った」(2.9%)と続く。行くはずのコンサートなどが中止になれば趣味の費用も減りそうなものだが、増えた方は具体的にどのようなことに使っているのだろうか。

■チケット代・交通費をライブ配信の費用にしたから

  • チケット代がかからなくなったぶん、オンラインのライブ配信にお金を使うようになった(30代女性/東京都/その他専業主婦)
  • 会場までの交通費とチケット代を有料オンラインライブへのお金に惜しみなく費やせるようになった(40代女性/兵庫県/百貨店)

コンサートに使うためのチケット代や交通費を、そのまま有料配信の費用にスライドさせる、という意見は多かった。ただ、リアルなコンサートよりも安く観られることや時間の都合がつけやすいこと、後日アーカイブを購入できるといった理由で、「今までよりも増えた」という回答も。

  • 配信当日に観られなくても数日中なら視聴可能な配信もあるので、今までよりチケット代が増えた(40代女性/青森県/食品)
  • 地方に住んでいると、遠方のコンサートに行くのは仕事や旅費などの都合で躊躇してしまうが、自宅で観れるとなると都合もつきやすく、普通のチケット料金より安いので、全公演でも観たくなる(30代女性/高知県/その他専業主婦)

■グッズを購入したから

  • 旅費などの分で、グッズを買う(30代女性/東京都/ソフトウェア・情報処理)
  • 遠征費が減り、グッズや映像の購入が増えた(40代女性/埼玉県/サービス(その他))

チケットや旅費の分、グッズや映像ソフトを買うという意見も。「コンサートがない分、グッズなどを買って推しに還元したい」と考える方もいるようだ。

■データ通信量を増やしたから

  • コンサートに行かない代わりに、携帯の通信量を増やして動画を視聴している(40代女性/千葉県/広告・出版・印刷)

心おきなくライブ配信を楽しむなら、安定したネットワーク回線は必須だろう。より良い環境で観るため、データの通信量を増やしたという回答もあった。

■新たな推しを見つけてしまったから

  • YouTubeで新しいバンドにはまり、お金を使うようになった(40代女性/青森県/サービス(その他))
  • 今まではコンサートに行くほどまではなかったグループでも、オンラインのライブ配信だと利用する内容が幅広くなった(40代女性/東京都/通信関連)
  • オンライン配信の面白さを知って、観る回数がとても増えた。今まで知らなかった人を知って配信や本を買うようになり、お金を使うようになった(40代女性/埼玉県/その他専業主婦)

自粛期間中に新しい趣味や推しを見つけたことで、お金を使う先が増えた方も多い様子。さらに、オンラインの配信なら気軽に鑑賞できることも、費用の増加につながっているようだ。

みんなに聞いた、ライブ配信の楽しみ方

今年に入って一気に幅が広がった「ライブ配信」という新しい鑑賞スタイルは、どのように楽しまれているのだろうか。楽しむためのアイデアやこだわりを聞いてみた。

■食べ物・飲み物を準備する

  • 美味しい食べ物や飲み物を準備する(40代/沖縄県/医療・福祉・介護サービス)
  • 会場では物を食べたり出来ないが、おうちなので飲食を楽しめる(40代/兵庫県/百貨店)

普段のコンサートやライブは飲食禁止だとしても、自宅ならば飲んだり食べたりしながらの鑑賞ができる。推しの好きな食べ物や、CMに出演している商品を用意しても盛り上がるかもしれない。

■集中できる環境を作る

  • 邪魔されないよう、鑑賞する前に話しかけないよう伝えておく(30代/大阪府/医療・福祉・介護サービス)
  • 家族が寝静まった頃に観る(40代/沖縄県/その他)
  • しなくてはならない家事などはすべて済ませて、家族に「居ないものと思え」と言っている(40代/青森県/食品)

楽しく観ている途中に中断されないよう、家族にしっかり根回しをしておくという意見も。

■友人と一緒に鑑賞する

  • 遠方の知人とリモート鑑賞(40代/神奈川県/不動産)
  • みんなで大画面でワイワイ楽しむ(30代/愛知県/インターネット関連)
  • 友達とチャットしながら観る(40代/東京都/コンピューター機器)

■楽しむための環境を整える

  • 大画面のテレビで鑑賞出来る様にDigitalAVアダプタを購入した(30代/高知県/その他)
  • スクリーンを用意した(40代/兵庫県/物流・倉庫)
  • 音質にこだわったヘッドホンを使用するなど、外部の雑音を出来る限り遮断する(20代/神奈川県/専門店(総合))
  • Wi-Fi環境の良い場所で観る(40代/埼玉県/その他)

ZOOMなどのツールを活用し、リモートで同時に鑑賞するのも新しい楽しみ方だ。また、大画面のテレビやスクリーン、ヘッドホンなどデジタル機器を新たに購入し、自宅でしっかり楽しむ環境を整える方もいた。

ライブ配信は、自宅だからこそ自由に鑑賞を楽しめるものだが、「できるだけリアルなコンサートと同じ環境を作って楽しむ」というストイックな方の意見も寄せられた。

  • 鑑賞中はコンサート会場にいるつもりで一人部屋に籠もってライブに集中する。コンサートと同様にペットボトルはダメ。おやつは食べない(40代/福島県/建設・土木)

リアルからオンラインへ、コンサートやライブの形式が大きく変わっても、様々なアイデアや工夫をしながら楽しむ方は多い様子。また、様々なアーティストが新しいチャレンジを行っているため、ライブ配信のコンテンツもさらに面白くなっていくかもしれない。今後もお金と時間のバランスを取りながら、楽しんでいきたいものである。

調査時期: 2020年10月15日~17日
調査対象: マイナビニュース女性会員
調査数: 201名
調査方法: インターネットログイン式アンケート