人見知りしない方は誰とでも時間をかけずに打ち解けられますが、人見知りする方は、相手からどう思われるかを極度に気にしてしまう傾向にあります。そのため、コミュニケーションの取り方に困惑し、人との関わりを避けることもしばしば。

本記事では、人見知りな人の特徴や、人見知りの治し方、コミュ障との違いなどをお伝えします。

  • 人見知りの治し方とは

    人見知りとはどんな人なのか、特徴や克服のための行動・考え方を解説します

人見知りとは? よくある特徴や原因

人見知りとは、人の目を意識し過ぎて恥ずかしがったり怖がったり、また嫌ったりしてしまうことです。

人によって特徴の表れ方には差がありますが、人見知りの人には、自信を持ちにくい・関係構築に時間を要する・傷つきやすい・警戒心が強い・シャイ・完璧主義者・他人と比べやすい・単独での行動を好む・気が利く・誘いや依頼を断るのが苦手・目をそらすことが多い、などの特徴が多く見られます。

一つずつ、詳細を見ていきましょう。

不安を抱きがちで、自信を持ちにくい

自分に自信がないと、相手にどう思われているか不安になり、人見知りになってしまうことがあります。自信を持ちにくいため、常に人の評価や態度を気にし過ぎていることも多く、初対面であれば特に強く意識するでしょう。

ネガティブに考えすぎる方であれば、「こんな自分なんて」という意識が強いため、話しかけても嫌がられるのでは、拒絶されるのが怖い、という気持ちを持っていることがあります。

関係構築に時間を要する

人見知りの方は、慣れない人や初対面の人との会話や距離感に迷うことが多いです。これは、相手に嫌われたくない不安や、良い人間関係を築きたいという気持ちの表れでもあります。

信頼関係を構築するまでは身構えて、恥ずかしがったり、自分を見せようとせず人を避けてしまったりしまいます。その分、時間をかけて「この方なら大丈夫」と納得できれば、深く話せるようになります。

傷つきやすい

人見知りの方は、受け身な姿勢が強く、相手の意見や行動に影響を受けやすい傾向があります。相手のことを気にしすぎるあまり、ささいな相手の言葉が胸にひっかかり、傷つきやすいです。

一度傷ついた経験がトラウマになり、人を遠ざけたいという気持ちから人見知りがひどくなってしまうでしょう。

緊張しやすく警戒心が強い

人と親しくなるには、お互いを知って、受け入れて仲良くなるプロセスがありますが、人見知りの場合は、警戒心が強いためなかなか相手に心を開けません。

自分が仲良くしても大丈夫な相手か、相手は自分のことを寛容に受け入れてくれるかなど判断できるまで相手と距離をとり、時間をかけようとします。

シャイ

シャイとは、内気で、恥ずかしがりな性格を指す言葉です。人見知りな方は、シャイな性格から、恥ずかしいという気持ちが強く自分をさらけ出せません。自分から相手に対して行動できないことが多いでしょう。

自分から話題を提供できず、話しかけられるのを待っています。引っ込み思案で、複数でいる時は人の後ろに隠れていることが多いでしょう。

完璧主義者

人に失敗する姿を見られたくない気持ちから、人と距離をとってしまったという完璧主義が基で、人見知りになっていることもあるでしょう。

完璧主義の方はプライドが高く、人に欠点を見られることを嫌います。人と距離を置いておけば、失敗しても気づかれないと安心する部分があるでしょう。

他人と比べやすい

他人と自分を比べてしまい勝手にライバル視してしまうことから、人を遠ざけ、人見知りになっていることがあります。

この考え方には、自分が常に優位に立ちたい、もしくは自分が劣っている可能性を知りたくない、という意識が働いているでしょう。

一人での行動が好き

人見知りをする方は会話が苦手という部分があるので、人といることが苦痛で一人行動が好き、または苦ではない傾向があります。

一人の行動が多くなると、交友関係は広がらないので、人見知りが悪化しやすい面があります。人が集まって盛り上がっている場でも、端からその様子を眺めているだけで、会話に入らない姿勢を取ることが多いでしょう。

気が利く

人見知りする方は、相手の行動を待つところがあるため、周りを観察する力が長けていて、気が利く特徴があるでしょう。信頼関係を築くまで、相手を観察するので、人を見る目があることが多いです。

誘いや依頼を断るのが苦手

自己主張を表に出すことが苦手な部分があり、NOと言えないため、誰かに依頼をされると断れない性質があります。

自分の意見を言えない理由には、人に嫌われたくない、人間関係で角を立てたくない、という気持ちも関係しているでしょう。相手が喜んでくれるなら、と自分の気持ちを犠牲にしてしまうこともあります。

目をそらすことが多い

相手の目を見て話すためには、多少なりとも自信や強い気持ちが必要になります。人と話すときに、「どうしよう」「何の話題をふればいいのか」「うまく話せる自信がない」など不安を抱える方は、相手の目を見て話すことが苦手で、人見知りな方が多いです。

会話が思いつかず恥ずかしい気持ちから、別のことに気を取られているしぐさをいれたり、目をそらしたり、ぎこちない動作をしてしまいます。

人見知りの治し方や克服方法とは

人見知りを克服するためには、少しでも自己主張をしてみる・自分を褒める・積極的にあいさつしてみる・会話のレパートリーを増やす・目を見て話すようにする、などの方法があります。

人見知りは必ずしも悪いことではありません、ただ、人見知りでいると損をしてしまう部分もあるため、多少は克服しておくと、人間関係や仕事でもスムーズな環境を作れるでしょう。ここでは、人見知りを和らげる方法を紹介していきます。

  • 人見知りの改善方法

    人見知りを克服するために、できる限りでいいので自分の世界を広げていきましょう

少しでも自己主張をしてみる

人見知りとは、周りに萎縮する部分を持ち合わせている方も多く、慣れない方を前にすると声が小さくなることがあります。そのため相手は、何を言っているかわからない、モゴモゴ話されてイライラする、などと思うこともあるでしょう。

少しでも自分の意見を言う努力をしてみると、人見知りの克服につながります。そして、意識して大きな声で意志を伝えましょう。自己主張できれば、コミュニケーションを取るきっかけになります。

自分を褒める

人見知りを和らげるには、完璧主義から抜け出して自分を認めましょう。失敗しない人間はいません。完璧主義で自分の失敗を責めていたり、人前で失敗してはいけないという気持ちに駆られたりしていると、人見知りはひどくなる一方でしょう。

失敗を気にしないようにすると恥ずかしい気持ちが和らぎます。小さなことでも自分のことを褒め、完璧主義な思考をやめていけば心に余裕が生まれ、人見知りを改善していけるでしょう。

積極的にあいさつして、コミュニケーションに慣れていく

あいさつは、顔を合わせた際や別れ際に行われるコミュニケーションの基本でしょう。「おはようございます」「おつかれさまです」など、単純で短いので、あいさつであれば人見知りが強い方でも簡単に始められるでしょう。

ここで大切になるのは、相手からあいさつされてからあいさつをしようと考えてはいけないことです。自分から積極的にあいさつする癖をつけると、前向きで明るく、相手の目に印象に映ります。人見知りの暗い印象を感じさせないでしょう。

会話のレパートリーを増やす

会話のレパートリーが少なく、会話が続かないことを気にしている方も多いでしょう。そういった方は、日頃から会話に使えそうな情報を収集し、引き出しを増やしておくことをおすすめします。会話のレパートリーが多ければ、話が合う、頭の回転が速い、仕事もできそう、などの好印象を与えることもあります。

目を見て話すようにする

「なかなか相手の目を見て話せない」と思っている方も多いでしょう。

初対面や慣れない相手の場合、相手もこちらに対して不安な気持ちを抱いています。その際、相手が目を合わせてくると、意思確認しやすく、こちらも気楽に話しやすくなるもの。相手の目を見て話すことは、距離感を縮め、心を打ちとけるきっかけになります。なるべく相手の目を見て話すように心掛けましょう。

自分らしさを大切にする

自分らしさを大切にできれば、自然と自分を表に出せるようになります。

人見知りの方には、人を遠ざけたい気持ち、どこかで自分を隠そうとする気持ちが潜んでいます。中には、相手に負けたくない、自分が上でいたいという思いから、人と自分を比較し、優越感を保つために自分を見せず、人見知りになっているケースも。人と比べるのをやめ、自分らしさを大切にしてコミュニケーションを楽しむことが、人見知り克服の第一歩です。

自分に自信をつける

自分に自信をつけると、相手に自分を見てほしい・知ってほしいと思えるようになります。人見知りの場合、自分を過小評価し、「こんな自分が話しかけていいのだろうか」とネガティブな気持ちを持ってしまっているケースが多いです。

自分に自信をつけるには、簡単に達成できる目標を立て、そこから成功体験を得ることが大切です。

人付き合いが上手な人の真似をしてみる

人見知りを克服するために、人付き合いが上手な人の真似をしてみるのも効果的です。性格を変えることは難しいですが、人の真似をしていく中で、徐々に行動を変えていくことはできます。

周りに人見知りをしにくい方、明るく社交的な方がいたら、どのように会話をしているのか、どのような振る舞いをしているのか、といった点に目を向けてみましょう。

人に興味を持つ

極度に高い自己愛が、人見知りな性格を生んでいる可能性もあります。

このようなケースの場合、自分のことに集中しすぎてしまい、自分の警戒心を優先してしまう傾向があります。それが故に、相手より先に行動を起こすことができず、自分から話しかけたり、間を埋めようと会話を切り出したり、といったことができなくなるのです。

自分だけではなく、相手に興味を持つことで、相手に対して質問も生まれ、会話が自然な流れで続けられるようになります。

聞き上手になる

聞き上手になることを目指しても良いでしょう。

話すことが苦手な方が、急に話し上手を目指すのは難しいです。無理にこちらから話そうとせず、聞き上手になることで新たな会話が生まれることもあります。コミュニケーションでは聞き役も重要です。良い話し相手と認識されれば、人から好かれやすくなります。

  • 人見知りの和らげ方

    人見知りを和らげる方法を紹介しました

人見知りは良くないこと?

人見知りする方は、他人との交流を避けるところがあるため、話しかけにくいなどのイメージがつくことがあります。

しかし、そもそも人見知りは悪いことではなく、個性の一つです。人見知りの方は、八方美人ではないため人から信頼されたり、狭く深くの人間関係が築けたり、警戒心が強いためだまされにくかったりと、生きていく中で得する場面、メリットもあります。

仮に人見知りを克服するのが難しい場合も、無理をせず、良いところに目を向けていきましょう。

  • 人見知りのメリット

    人見知りは悪いことではなく、あくまで一つの個性です

人見知りと「コミュ障」の違いは?

人見知りとは、初対面や親しくない方と対面すると極度に緊張する、目を見て話をできない、コミュニケーションが苦手といった、性格的な部分を指す言葉です。

一方の「コミュ障」とは、コミュニケーション障害を略した言葉であり、本来は視覚や聴覚、発声などの障害によって、意思を伝えたり、相手の意思を理解したりすることが難しい状態のことを指します。

転じて、人付き合いを避けることや、他者に無関心であることを指す俗語的な意味も加わりました。

例えば、「初対面の人とは緊張してうまく話せないが、仲良くなると流ちょうに話せるようになる」という方は、「人見知りだがコミュ障ではない」と言えるでしょう。

  • 人見知りとコミュニケーション障害の違い

    人見知りとコミュニケーション障害には違いがあります

人見知りな性格は、大人になってからでも考え方次第で改善できる

これまで、人見知りとはどのような方のことをいうのか、および人見知りを克服するための方法について解説しました。

人見知りであることは、決して悪いことはありません。しかし、極度に人見知りな場合、人との交流を狭め、すてきな出会いを逃してしまう可能性もあるかもしれません。人見知りは行動や考え方の変化で和らげられるもの。「人見知りな性格を変えたい」と思う方は、少しずつ行動や考え方を変えていくといいでしょう。