サカナクション・山口一郎が選ぶ「秋の夜長を乗りこなすプレイリスト」
サカナクションの山口一郎が、TOKYO FMのレギュラー番組に出演。10代のリスナーに向けて、自身が選んだ『秋の夜長を乗りこなすプレイリスト』を紹介しました。
(TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK! サカナLOCKS!」10月23日(金)放送分)



山口:今回紹介する曲は、なるべく各サブスクリプションで聴ける曲を中心に選びました。なので、生徒の君が実際に聴ける曲ばかりになっております……それにしてもすごい時代になりましたよね。僕らが高校生のころとか、自分の好きなミュージシャンがどんな音楽を聴いているかなんて、知りたくて知りたくてしょうがなかった情報ですけど。今はこうやって簡単にプレイリストとかで、自分が影響を受けた音楽を紹介出来ちゃうってすごいよね。

どんな曲がいいかな? “夜を乗りこなす”だから……最近、頭痛があってあんまり激しい音楽を聴きたいって気持ちにならないのと、レコーディング中なので、あんまり他の人のもろ影響を受けそうな、自分の作品風に関わる音楽っていうのを自然と避けていたりはしてるよね。そういった部分も含めて選んでいこうと思う。

――山口一郎が選曲『秋の夜長を乗りこなすプレイリスト』

◆LEISURE「Slipping Away」


山口:スローなんだけどグルーヴィーで、僕、めっちゃ好き。めっちゃいい。むちゃむちゃいい。しかも最近の……今年の曲だと思う。

(楽曲を聴きながら)BPMが100ないのよね。バンドとしては、ギター、ドラム、ベース、エレピ。歌のリバーブ処理とディレイ処理で空間を作っているよね。ベースはすごいローファイだけど……重心が低くて、すごくシンプル。でもこんなにゆっくりなのに、グルーヴをキープできているっていうのはすごい上手だよね。歌もエフェクティブにリバーブだったりの空間があるから、この曲の世界観がキープされているっていうか……考え方がすごくいいよね。聴いてみてください。

◆坂本慎太郎「ナマで踊ろう」

山口:坂本慎太郎さんは、先生が愛してやまなかった、ゆらゆら帝国のギターボーカルの人でした。今はソロでやられていて、とんでもないアルバムを毎回作っていますね。ライブも毎回ソールドアウトになって、すごいレアチケットになるんですよ。倍率が高くて。

いやー……中学生とかで、最近何聴いているの? って聞いときに、坂本慎太郎さんって言う子がいたらいいなー。そんな未来、いいなー……。このアルバムは曲のタイトルと同じで、『ナマで踊ろう』っていうんです。坂本慎太郎はすごくいいアルバムも曲もいっぱいあるので、聴いてみてもらいたいと思います。

◆Khruangbin「Maria Tambien」

山口:Khruangbin(クルアンビン)って、知っている人も多いと思う……あんまりいないかな? 女の子ベースで、ギターとドラムの3ピースなんだけど、YouTubeとかでドラムを見て欲しい。本当に……ホールケーキに抹茶パウダーをポンポンポンってかけるくらいのテンションでドラムを叩くの(笑)。トントントン……って、本当に静かに叩くんだよね。見てみて。すっごい、いいよ。これも夜に合うと思うよ。

(楽曲を聴きながら)ちょっとエスニックな感じがするよね。でもこれ、3ピースなんだよ。ちょっと前にすごい流行ったっていうかね……今年新しいアルバムが出て、それもいいですね。他にもいい曲があるので、興味がある人は聴いてみたらいいと思います。

◆Pointer Sisters「Yes We Can Can」

山口:これは1973年の曲。Pointer Sisters(ポインター・シスターズ)っていう女性ボーカルグループなんだけど、オバマ元大統領が「YES WE CAN」ってキャッチフレーズを言っていたじゃないですか。あれって、ここからとったんじゃないかみたいな……? 当時、オバマ元大統領の何か(行事で)歌ったりしていたみたいだしね。この曲はすごく素敵なので、聴いてみてほしいと思う。

(楽曲を聴きながら)うまいねー。これ、ギターとドラムとベースと歌だけよ。だから、学校の軽音部の4人が集まればこれができちゃうわけ。ボーカルは3人いるけど。それで、こんなの作れているわけだからね……やっぱりね、うまさって速弾きとか構成力とかじゃないよね、グルーヴだから。それを提言している曲だよね。歌もリズムだから。バンドに対して、歌でどう乗るかっていうのは大事だよ。これはすごい勉強になると思う。これを練習すれば、いろいろとめちゃくちゃ分かると思う。

◆藤原ヒロシ「TERRITORY」

山口:ラストはやっぱり我がNF Recordsからの1曲。この曲は、私もコーラスで参加しています。ミュージックビデオにもチラッと出ていたりするので、ぜひ秋の夜長に聴いていただけたらと思いますね。SpotifyやApple Musicなど、すべてのサブスクにも対応していますからね。


【Hiroshi Fujiwara - TERRITORY (OFFICIAL MUSIC VIDEO)】

山口:“夜を乗りこなす”っていうこのキーワードは、コロナ禍で僕らサカナクションがみんなでやってきたひとつの施策というか……「一緒に夜を乗りこなす」って、イベントみたいな形にしてね。ライブ配信をやったりInstagram Liveをやったりとか、いろいろやってきた中での一環の言葉でした。

今回のプレイリストは、先生がもう40歳なのでね……2バス(ドラム)でドコドコドコドコ……みたいなのを聴こうっていう気持ちにはならないかなって。ゆったりした曲を選んでみたので、10代の生徒は物足りないなって思うかもしれないけど。理解できないものを理解できたときの感動って、理解できないうちに体験しておかないと分からなくなっちゃうから。わさびが苦手だったけど、好きになる人もいっぱいいるでしょ? だから、ちょっと我慢して聴いてみたり、ぐっと集中して聴いてみたり、何かをしながら聴いてみたり……とか。そういう実験みたいなことをして、このプレイリストを活用してもらえたら嬉しいと思います。

<番組概要>
番組名:SCHOOL OF LOCK!
パーソナリティ:さかた校長、こもり教頭
放送日時:月~金曜 22:00~23:55
番組Webサイト ⇒ https://www.tfm.co.jp/lock/