インテックは10月23日、伊予銀行のデータを活用した業務高度化に向けて連携すると発表した。第1弾として、同社のデータサイエンティストが講師となり、伊予銀行の職員に半年間「データ分析・ビジネス企画力の養成研修」を実施する。伊予銀行の職員はインテックに駐在し、インテックの社員とともにデータ分析に関する基礎知識の習得からビジネス企画・データ分析の実践力を習得する。同社は伊予銀行に金融機関向け総合情報系ソリューション「F3(エフキューブ)」を提供しており、研修を皮切りに、データ活用による地域金融ビジネスの高度化に向けた取り組みを進めていく考えだ。

データ分析・ビジネス企画力の養成研修の内容の一例としては、さまざまなビジネスにおけるデータ活用の最新事例の学習、書籍やデータ分析ツール「Dataiku」を用いたワークショップの実施、データ分析の実践(データ傾向の理解~モデル作成・チューニング)となる。

また、データ活用による銀行業務高度化の例として、マーケティング分析では銀行が保有する顧客データ(属性、財務/資産、取引状況、決済/為替など)、営業データ(交渉履歴/ヒアリング情報など)などを分析し、推奨商品の提供や成約率等の向上を図る。

行員行動分析は銀行職員の行動データ(面談回数、時間、面談顧客数、案件プロセスなど)、実績データ(実績、評価など)を分析し、最適な営業戦略や人事戦略を立案する。データのインプット・アウトプットに関する検討では、データ分析の実施に伴うデータインプット/アウトプットを効率化するための施策を検討する。

あらゆる分野でデジタル化が進み、データが蓄積される昨今、同社では「データ活用人材」の育成を重要視しており、特にデータ分析基盤上での分析プロセスや人材育成施策に注力している。今回、伊予銀行にデータ活用を目的とした研修を実施することで、ITと金融ビジネスの相乗効果による人材育成を目指す。今後この取り組みには、伊予銀行が加盟するTSUBASAアライアンスから、千葉銀行など他の地方銀行も参加する予定だという。