「第36回ATP賞テレビグランプリ」の授賞式が22日に行われ、フジテレビとバンエイトが制作した『BSフジサンデースペシャル ザ・ノンフィクション特別編 おじさん、ありがとう~子供たちへ…熱血和尚の遺言』(20年1月19日放送)がグランプリを獲得した。

  • “熱血和尚”シリーズより 病床の廣中和尚(右)を見舞うタクマ=フジテレビ提供

東京・大阪の主要テレビ番組製作会社約120社が加盟する団体・全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)が主催する同賞。『おじさん、ありがとう~子供たちへ…熱血和尚の遺言』は、『ザ・ノンフィクション』の“熱血和尚”シリーズを再編集したもので、かつて“平成の駆け込み寺”と呼ばれ、非行や虐待、いじめ、薬物依存など、さまざまな理由から親元で暮らせなくなった子供たちの居場所となった小さな寺が舞台だ。

子供たちから“おじさん”と呼ばれ、第二の父親のような存在だった寺の住職・廣中邦充さんは、肺がんに冒されながらも病と闘い、最期まで子供たちに手を差し伸べ続けた。熱血和尚と悩める子供たちの心の触れ合いを描いている。

“熱血和尚”シリーズ『おじさん、ありがとう ~ショウとタクマと熱血和尚~』は、今年の日本民間放送連盟賞【番組部門】テレビ教養番組最優秀賞や、第57回ギャラクシー賞奨励賞を受賞したほか、ニューヨークフェスティバル2020ではドキュメンタリー宗教/哲学部門・銀賞、国連グローバルコミュニケーション賞・銅賞をダブル受賞するなど、国内外から高い評価を受けている。

フジテレビの西村陽次郎チーフプロデューサーは「『ザ・ノンフィクション』は、1995年の番組開始以来、国内外で数多くの受賞をしてきましたが、ATP賞でのグランプリ受賞は26年目を迎える番組としてだけでなく、フジテレビのドキュメンタリー番組としても初の快挙となりました。この“熱血和尚”シリーズは、地上波の『ザ・ノンフィクション』で2つの物語を放送し、大きな反響と高い視聴率を得ましたが、受賞作である2時間の『特別編』は、足掛け12年の長きにわたる取材をまとめた集大成と言える作品です。現在のテレビをとりまく制作環境では、なかなか難しくなった長期にわたる映像記録が高く評価されたことは、大変うれしく思いますし、映像の持つ力を私たちも再認識できる機会となりました。ありがとうございました」と受賞の喜びを語った。

フジテレビ制作番組で過去にATP少グランプリを獲得したのは、第8回(91年)『カノッサの屈辱』(日本テレワーク/フジテレビ)、第12回(95年)『料理の鉄人』(日本テレワーク/フジテレビ)、第21回(04年)『白い巨塔』(共同テレビジョン/フジテレビ)、第28回(11年)『フリーター、家を買う。』(共同テレビジョン/フジテレビ)。

  • “熱血和尚”シリーズ構成・演出のバンエイト・八木里美氏

今回のATP賞で、同局の番組ではた『アカペラ日本一決定戦 全国ハモネプリーグ』が情報・バラエティ部門で優秀賞。北口富紀子チーフプロデューサーは「第3次ハモネプブーム到来と言われていた昨年、4年間の沈黙を破って『ハモネプ』の放送に踏み切りました。ありがたいことに出場者の応募が殺到し、とてもハイレベルな戦いとなりました。また、ディズニーとのコラボも実現しミッキーマウスが応援に来てくれたり、ハモネプ卒業生のHIKAKINも後輩たちのパフォーマンスを見守ってくれたりと、とても豪華な放送になりました。『ハモネプ』は、楽器を使わず声だけで仲間とハーモニーを奏でます。だからこそ、出場者たちの本気のパフォーマンスの裏にはたくさんのドラマがあり、私自身、何度も見ても涙を流しました。このような感動が皆様に伝わったことが、この素晴らしい賞をいただけることになった要因だと思います。ATP賞を頂き、スタッフ一同、大変うれしく、ありがたく思っております。視聴者の皆様に美しいハーモニーとますますの感動をお届けしていきますので、これからも『ハモネプ』の応援、よろしくお願いします。この度はありがとうございました」と話している。

  • 『アカペラ日本一決定戦 全国ハモネプリーグ』

  • 『ハモネプリーグ』(左から)IVSテレビ制作・佐藤基プロデューサー、フジテレビ・北口富紀子チーフプロデューサー、IVSテレビ制作・武田喜栄ディレクター

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