アスレティックトレーナーの森本貴義が、10月17日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)にゲスト出演。アスリートのパフォーマンスを向上させる呼吸法を紹介した。

誰もが常にしているが、ほとんど意識することのない呼吸。酸素を体内に取り入れ、二酸化炭素を排出する身体の機能で、脳の働きや体の動き、免疫機能に影響を与え、人々の健康面やアスリートのパフォーマンスにも関わってくる。しかし、森本によると日本人の9割が間違った呼吸をしており、番組アナリストの中澤佑二も「現役時代は呼吸を意識していなかった」と明かし、走りのテストなどでもトレーナーに「酸素が吸えていない」と指摘されていたという。

まずは「呼吸力」をチェック。鼻呼吸で息を吐いたところで鼻をつまみ、次に息を自然に吸いたくなるまでの時間を測定する。そのとき我慢をしてはいけない。これをスタジオメンバーが測定すると、番組MCの勝村政信が37秒、片渕茜アナウンサーが18秒、中澤が7秒という結果に。理想的な呼吸は40秒以上で、勝村は年齢を考えると良い結果に。一方、中澤に対しては「もし呼吸が上手だったら世界一の選手になれたかもしれない」と話していた。

そのほか「呼吸が苦しいことがある。すぐ呼吸が乱れる」「口が開いていることが多い」「手足が冷たい。またはしびれる」「疲れがたまりやすい」「集中力がない」の5項目をチェックし、1つでも当てはまる場合は呼吸に改善の余地があるという。また、女性は妊娠しお腹が大きくなると腹式呼吸ができなくなることに備え、一定の時期になると腹式から胸式呼吸に変化する人が多いため、良い呼吸が出来ていない人が比較的多いのだとか。

正しい呼吸をするには吐く練習が簡単で、1分間に15回以下の腹式呼吸で息を吐き切ることができると体への負担が少なくなる。効果的に酸素を取り入れるスペースを作ることが、より良い呼吸を会得する第一歩に繋がる。

そして、サッカーにおけるメリットを聞かれると森本は、全身の酸素の20%は脳が働く際に消費されているため、呼吸で酸素がしっかり脳に届けられることで判断力が向上すると説明。そして、呼吸を理解することで相手との間合いも見えるようになり、ドリブルで相手を抜いたり、ドリブルする相手のリズムが見えるようになったりするという。そのほかFKやPKの際には、深く息を吐くことで心拍数を落ち着かせることができ、さらに試合後は興奮して眠れないことなどがあるが、呼吸によって副交感神経優位(リラックス状態)に導くことで回復にも効果を発揮するのだとか。

そして、佐藤美希が森本のもとで呼吸トレーニングに挑戦。息を吸ったとき、腹部の前だけでなく横や後ろなど360度に空気を入れることができると言い、これができると腰回りに安定感が生まれパフォーマンスがアップする。基礎を学んだところで佐藤は現在の体の状態をチェックするために前屈、上体そらし、垂直跳びを計測。順に22.9cm、40.5cm、34cmだった。そこから15分程度のトレーニングで前屈が25.2cm、上体そらしが51cm、垂直跳びが39cmとすべてのパフォーマンスがアップ。「マッサージや整体を2時間受けたくらいの体の軽さ」と驚いていた。

スタジオでも森本がトレーニング方法として「しりとりサイドプランク」を伝授。サイドプランクとは脇腹や腹回りの筋肉を鍛える体幹トレーニングの1つで、これにしりとりを加えることで、余計な力みを無くし、自然に呼吸をする感覚を身につける。中澤が挑戦すると、普段のサイドプランクとは違って脇腹の筋力にも余裕があると効果を実感した様子。また、体力を回復する時も呼吸によって効果は変わり、森本は「鼻でゆっくり吸った方が良い。しんどい時は鼻を1つ押さえるぐらいの方が心拍数は速く落ちていく」と呼吸法を説明していた。