【ふるさと納税】2020年は 新型コロナ支援で返礼品も「日用品」が倍増

ふるさと納税の2020年最新傾向は「コロナ支援と日用品」に人気があることです。例年はお肉やフルーツなどの返礼品が人気ですが、2020年はティッシュやマスクをもらえる自治体の人気が高まっています。

また、新型コロナウイルス(以下「新型コロナ」と略)感染症拡大の影響で苦境に陥っている全国の事業者や医療関係者への寄付も増えている状況です。それでは、2020年人気のふるさと納税について詳しくみていきましょう。

最近の「ふるさと納税」の動向

ふるさと納税は2008年から始まった制度です。寄付をすると返礼品を受け取ることができ、寄付金控除を利用して所得税や住民税を節税できるという2つのメリットがあります。

ふるさと納税の受け入れ金額や受け入れ件数は年々拡大しており、多くの人がこの制度を利用するようになりました。

総務省の「ふるさと納税に関する現況調査」によると、2019年の受け入れ金額は約4,875億円となっており2008年の約60倍という結果。また、受け入れ件数は約2,334万件で、2008年の約432倍でした。

ふるさと納税の認知度が高まり、利用者が増えていることがわかります。

寄付のお返しとして受け取れることができる返礼品について、2019年6月から「返礼品は寄付額の3割以下とする」という規制が設けられました。

しかし、お得な返礼品はまだまだ多く、どの自治体も寄付をしてもらうため、魅力があるバラエティ豊かな返礼品を多く用意しています。

特に2020年3月からは「日用品」カテゴリーの返礼品の人気が急上昇しており、日常生活で欠かせないティッシュやマスク、トイレットペーパーなどの返礼品が人気となっています。

参考:総務省 令和2年度「ふるさと納税に関する現況調査結果」

ふるさと納税 自治体と返礼品人気TOP10

ふるさと納税で寄付先に迷ったときには、まずは人気の自治体や返礼品ジャンルを確認してみましょう。

2019年度の、ふるさと納税の受け入れ金額が多い自治体TOP10は下のようになっています。

ふるさと納税で受入金額が多い自治体
1位 大阪府泉佐野市  (約184億円)
2位 宮崎県都城市   (約106億円)
3位 北海道紋別市   (約77億円)
4位 北海道白糠町   (約67億円)
5位 北海道根室市   (約65億円)
6位 宮崎県都農町   (約52億円)
7位 佐賀県上峰町   (約46億円)
8位 鹿児島県南さつま市(約46億円)
9位 山形県寒河江市  (約44億円)
10位 新潟県燕市    (約42億円)

デ ータ引用元:総務省「各自治体のふるさと納税受入額及び受入件数」(平成20年度〜令和元年度)
データ期間:2019年4月1日から2020年3月31日

上位の泉佐野市や都城市はお得な肉、北海道の自治体はいくらやほたて、カニなどの新鮮な海産物が人気です。また、佐賀県上峰町は還元率が高いお米セット、鹿児島県南さつま市は豚肉、山形県寒河江市は米、新潟県燕市はキッチン用品の返礼品に人気が集まっています。

ふるさと納税の人気の返礼品ジャンルは以下のようになっています。

ふるさと納税で人気の返礼品ジャンル
1位 魚介・海産物    (27.00%)
2位 肉         (22.79%)
3位 果物・フルーツ   (13.06%)
4位 家電・電化製品   (9.08%)
5位 旅行券・ギフト券  (7.39%)
6位 雑貨・日用品    (5.43%)
7位 米・パン      (4.17%)
8位 酒類(ビール等)  (3.02%)
9位 鍋セット      (2.52%)
10位 惣菜・加工食品   (2.10%)

デ ータ引用元:ふるさと納税ガイドオリジナルデータ。ふるさと納税ガイドを経由し各ふるさと納税サイトで寄付完了がASPシステムで確認されたもののうち、選んだ返礼品に関する信頼性の高いサンプルのみを抽出して作成(データ数:15,000件以上)
データ期間:2019年10月1日から2019年12月31日

ふるさと納税の返礼品では、魚介や海産物、肉、果物など食べ物の返礼品が毎年安定した人気を集めています。また、高い還元率が期待できる旅行券やギフト券、毎日の生活の必需品がもらえる日用品の返礼品も「返礼品を日常生活の節約に結び付けたい」という人から支持を集めています。

参考:「ふるさと納税に関する現況調査結果」総務省

ふるさと納税を使った新型コロナで困っている人たちの支援

ふるさと納税では、新型コロナで困っている人や事業者に直接寄付することができます。また、使い道が「コロナ医療対策支援」に限定されている自治体への寄付も行うことができます。

旅館やホテルへの寄付の場合は、先に寄付金としてお金を渡し、返礼品として「宿泊する権利」をもらう仕組みです。それぞれの自治体への医療対策費支援では返礼品がないものが多く、寄付性がより高くなっています。

新型コロナウイルス関連への寄付は「寄付金が何に使われるか」という目的がはっきりしています。自分のお金を困っている人や社会のために役立てることができたと感じることができるため、より強い満足感を得ることができます。

それでは、新型コロナで困っている人たちをふるさと納税で支援する方法について、くわしくみていきましょう。

※ 本記事で紹介している寄付プロジェクト例は、2020年9月28日時点で募集されているプロジェクトです。自治体/事業者の都合により変更するあるいは終了している場合があります。

さとふる「新型コロナウイルス関連 ふるさと納税応援・支援サイト」

ふるさと納税をするための代表的なサイトのひとつである「さとふる」では、2020年3月12日から「新型コロナウイルス関連 ふるさと納税応援・支援サイト」を開設しています。コロナで影響を受けている全国の地域や事業者を応援することが目的です。

寄付の方法は、「先に寄付をして地域を応援するもの」と、「花を飾って応援するもの」のふたつの方法があります。

「さきに寄付」で地域を応援! では観光客が激減した宿泊施設や飲食店を支援することができます。まず体験料金として寄付金を送り、後日送られてくるチケットを使って宿泊や飲食などの体験を行うことができる仕組みです。

「さきに寄付」で地域を応援! のプロジェクト例

1. 白子温泉満喫! 和室1泊2食付 ペア宿泊券 寄付金額66,000円

返礼品として、南九十九里にある白子温泉の、展望露天風呂と海の幸の食事が自慢のホテル「白子ニューシーサイドホテル」のペア宿泊券をもらうことができます。

2.セグウェイガイドツアーin函館大沼 体験チケット(1名) 寄付金額30,000円

返礼品として、北海道駒ケ岳を望みながら全長5~10kmのコースをセグウェイに乗って巡ることができる体験をすることができます。ガイドがついているので、初めての人でも安心です。運が良ければキタキツネやエゾリスも見ることができます。

「花を飾って」地域を応援! は、卒業式や入学式、結婚式の中止で行き場を失った花を返礼日として受け取ることができるプロジェクトです。寄付を行うと、後日きれいなお花が自宅に届きます。

「花を飾って」地域を応援! のプロジェクト例

1.【産地直送】バラの花束 ピンク色のみ24本 60cm以上のものを厳選(ギフト用) 寄付金額24,000円

佐賀県唐津市のバラ専門農家が、60cm以上の摘みたてのバラを厳選し、産地直送・冷蔵便で届けてくれます。

2.三角さんの季節のお花  寄付金額14,000円

福岡県太宰府市より、新品種や季節感を取り入れたお花がラッピングされ、化粧箱に入れてていねいに届けられます。

参考:新型コロナウイルス関連 ふるさと納税応援・支援サイト

さとふる「新型コロナウイルス医療対策支援給付」

ふるさと納税サイト「さとふる」では、「新型コロナウイルス 医療対策支援寄付サイト」も開設しています。ふるさと納税を通じて、新型コロナウイルス感染症の治療や感染拡大防止活動に従事する医療関係者などを支援することが目的です。

2020年4月24日に開設されたこのサイトでは、1ヶ月もたたないうちに寄付金が2億円を突破しました。「コロナのために奮闘している医療関係者を支援したい」という人は、この医療対策支援給付での寄付がおすすめです。

この医療対策支援給付では返礼品はありません。しかし、通常のふるさと納税と同じように寄付金受領書が発行されるため、確定申告をして節税をすることができます。寄付決済手数料はさとふるが負担するため、寄付したそのままの額が自治体に届けられます。

寄付金額は1,000円から1円単位で自由に指定することができます。ただし、2,000円以下の寄付の場合は寄付金控除の適用外となり、節税には活用できないので注意しましょう。

「医療対策支援」のプロジェクト例

1. 長野県「助け合いふるさと寄付金」の募集

この「助け合いふるさと寄付金」では、医療従事者を支援する「医療関係者応援枠」と、厳しい経済状況の中がんばっている飲食店や宿泊業者・その従事者を支援する「事業者応援枠」の2つを設けています。集まった寄付金は、それぞれの現場で奮闘する人への細やかな支援に活用します。

2.愛知県「あいち医療応援基金」の募集

愛知県では、入院医療機関でがんばっている医療従事者の処遇改善のため愛知県独自の「応援金」を創り、入院患者1人当たり100万円~400万円を医療機関に交付しています。ふるさと納税で集めた「あいち医療応援基金」の寄付金は、この愛知県独自の応援金に入院患者一人あたり10万円を上乗せするために使われます。

参考:新型コロナウイルス医療対策支援寄付

ふるさとチョイス「事業者支援」

ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」でも、新型コロナウイルスで影響を受けた事業者を直接支援できる仕組みがあります。

ふるさとチョイスの事業者支援は、4つに分けられます。

1.給食関連事業者支援

学校の休校で影響を受けた「給食食材を納品する全国の事業者」の支援をすることができます。寄付をすると、返礼品として余ってしまった給食食材などを受け取ることができます。

プロジェクト例
・たっぷりコロッケ食べ比べセット 合計20個! 寄付金8,000円
・手むき里芋 400g×5袋           寄付金11,000円

2.観光関連事業者支援

新型コロナでキャンセルが相次いだ全国各地の旅館や観光施設を応援することができます。「今はいけないけれど、落ち着いたらいきたい」と思う施設を選んで寄付をすると、返礼品として宿泊券や観光地での体験チケットなどをもらうことができます。

プロジェクト例
・成田名物『川豊のうなぎ』ペアお食事券        寄付金20,000円
・黒潮町で旬なお食事・宿泊プラン(1名様 1泊2食付) 寄付金37,000円

3.外食産業関連事業者支援

外出や会合の自粛により、多大な影響を受けた事業者を支援することができます。

プロジェクト例
・【緊急支援品】じゃばら果汁100ml×3本       寄付金8,000円
・那須ナチュラルチーズ研究会オリジナル詰め合わせ  寄付金32,000円

ふるさとチョイス「ガバメントクラウドファンディング(R)」

ふるさとチョイスの「ガバメントクラウドファンディング」では、医療や学び、子育て、経済など新型コロナウイルスに関連した、さまざまな分野の支援をすることができます。

ガバメントクラウドファンディングの大きな特徴は、「寄付金が何に使われるか」がはっきりとわかることです。プロジェクトの内容や寄付金の使いみちがあらかじめ明確に決められているため、自分のお金が何に使われるのかをしっかりと把握した上で、寄付をすることができます。

寄付金は希望する金額を入力する方式なので、好きな金額を寄付することができ、寄付金控除を使った節税を行うことができます。返礼品を受け取れる場合と、返礼品なしの場合がありますので、寄付をするときにはしっかりと確認しましょう。

プロジェクト例
・【うるまエール】コロナ禍にふるさとを離れ頑張っているうるま市出身学生を応援したい!
寄付金を使って、学生一人当たり10,000円相当のうるま市農産品や特産品を届けています。

・新型コロナウイルス対策 市立池田病院の医療従事者を応援するため
大阪府池田市内で唯一、新型コロナに感染した患者を受け入れて、感染拡大防止に全力で取り組んでいる「市立池田病院」の医療従事者を応援するためのプロジェクトです。寄付金は全額池田病院に送金されます。

参考:【寄付受付中】全国の「新型コロナウイルス対策」をふるさと納税で応援しよう

ふるさと納税 活用の注意点

ふるさと納税を活用すると、寄付金控除の仕組みを使って節税をすることができます。ただし、ふるさと納税で寄付金控除を受けられる金額には上限があり、その上限を超えて寄付をすると「控除を受けられない、通常の寄付」とな前提を理解しておく必要はあります。

ふるさと納税 活用の注意点
1. 控除上限額は寄付をする本人の年収や扶養家族数で異なる
2. 前年度と今年度の年収の変動に注意
3. 本年度の年収額がほぼ確定し控除上限額を確認してから活用する

ふるさと納税の控除上限額は、寄付をする人(主に世帯主)の年収や扶養家族の数によって変わります。年収が上がると控除上限額が上がりますが、逆に前年度よりも年収が下がった場合、寄付の控除上限額が下がることもあります。

2020年はコロナ禍による企業の業績悪化で、毎月の給与やボーナスが減るリスクが高くなっています。そのため「冬のボーナスの金額が予想外に減ってしまい、2020年の年収が予想よりも低くなってしまった」という状況になることも考えられます。

年収が減るとふるさと納税の上限額も減ってしまい、実質損をしてしまうこともあるので2020年のふるさと納税は年末までは少なめにしておきましょう。冬のボーナスが支給されて年収がほぼ確定してから、上限金額までふるさと納税を行うことをおすすめします。

まとめ

ふるさと納税では、お肉やフルーツなど、それぞれの土地の特産品や還元率が高いものに人気が集まる傾向があります。ただ、2020年は新型コロナウイルスの影響で危機に瀕している事業者や、治療や感染拡大のために奮闘している医療者を応援できるようなプロジェクトにも寄付が集まっています。

2020年はふるさと納税が「困っている人や社会の役に立つための方法」として使われるようになっており、新しいトレンドが生まれているといえるでしょう。

ふるさと納税を活用すると、困っている人や応援したいプロジェクトの支援をすることができ、返礼品を受け取ることができます。

また、寄付金に応じた控除を受けることができるので、所得税や住民税の節税にもつながります。2

020年のふるさと納税の期限は12月31日までとなっていますので、ぜひ応援したい自治体や事業者、プロジェクトに寄付をしてみてください。

執筆者:伊藤 久実