お笑い芸人のバカリズムらがMCを務めるフジテレビ系バラエティ特番『お笑い脱出ゲーム』が、きょう8日(23:00~24:00)に放送される。演出を担当するのは、『FNS27時間テレビ』のコーナー企画や、『バカリズムのそこスルーする?』『ン年に1度!』といった特番でタッグを組んできたディレクターの竹内誠氏だ。そんな同氏が見る、バカリズムのすごさとは――。

  • 『お笑い脱出ゲーム』MCのバカリズム (C)フジテレビ

    『お笑い脱出ゲーム』MCのバカリズム (C)フジテレビ

■熱いものを持っている

竹内氏とバカリズムの出会いは、今から11年前。「最初に会ったときは、あまりにも圧倒的に面白くて驚きました。とにかく頭が良くて、笑いに対して貪欲で、お話をすると理論的な方で決してノリだけではしゃべらないんです。なんだか制作スタッフとしゃべっているような感じがするくらい、“モノづくり”の方だと思います」と印象を語る。

ネタの芸風やテレビでの振る舞いから、クールなイメージを持たれがちだが、「熱いものを持ってらっしゃいますね。こう言うとご本人は恥ずかしがられるでしょうけど(笑)」という。

その後、竹内氏が総合演出を担当した『FNS27時間テレビ にほんのれきし』(17年)で、バカリズムがフリップネタを披露する通し企画コーナーが「初めて一緒にガッツリやらせてもらいました」という仕事。そのフリップの数は膨大で、「(総合司会のビート)たけしさんに『あいつ何枚書いたんだ?』と聞かれて、『148枚です』って言ったら、驚きながら喜んでましたね。たけしさんは、バカリズムさんみたいに笑いをクリエイティブで作っていく人のことを、やっぱりリスペクトされているんだと思います」と推測した。

『27時間テレビ』では3年連続でバカリズムの通し企画をやったが、その間に冠特番『バカリズムのそこスルーする?』を18年4月からスタート。「なにげなくスルーして見過ごしている」ことに対し、バカリズムが独自の視点でツッコんでいく内容で、この番組でも膨大な量のフリップを描いた。

さらに、歴史的な貴重な瞬間を映像や様々な手法で紹介する特番『ン年に一度!』(19年12月放送)を経て、今回新たに立ち上げたのが、『お笑い脱出ゲーム』だ。

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■本気でレギュラー番組化を目指す

屋敷に集められたメンバーが、脱出するための数々の“お笑いテスト”に挑むというこの番組で、バカリズムは、山崎弘也(アンタッチャブル)、志田未来とともに、面白い解答を次々に採点。今まではプレイヤーとしての立ち位置だったバカリズムだが、今回はMC側に徹している。

その狙いについて、「よくバカリズムさんに『(プレイヤーとして)ストレートな企画が多いですよね』と言われるんです(笑)。ちゃんと打ち返してくれる人なので、そういう企画をぶつけ続けてきたんですが、そろそろ迎え入れるホスト側の企画もやっていただきたいなと考えました」と説明。

さらに、「いずれ、例えば『紅白歌合戦』の司会とかやるような国民的なタレントになるかもしれないと思っているんです。それこそ音楽番組をやってらっしゃるし、もちろんバラエティにドラマに映画もやられている。フジテレビとしては手放したくない方なので、バカリズムさんと本気でレギュラー番組を目指す中でいろいろな企画を考えて生まれたのが、今回の番組です」と熱が入る。

それでも、「バカリズムさんが、今回の収録前に『そこスルーする?』もまたお願いします、とおっしゃっていて。基本的にはプレイヤー寄りの方なんでしょうね」と分析するが、「だからこそ、人を引き寄せるんじゃないかと思います」と言うように、今回の芸人参加者には、柴田英嗣(アンタッチャブル)、長谷川忍(シソンヌ)、飯尾和樹(ずん)、西田幸治(笑い飯)、中岡創一(ロッチ)、岡部大(ハナコ)という豪華なメンツが集結した。