BIツール導入のメリットとデメリット|導入手順や失敗しないポイントも解説

BIツール

膨大なデータ分析を素早く行うことができるBIツール。年々注目が高まっていることもあり、導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。とはいえ、費用が発生するものですから、何となく使ってみたいというだけで導入するにはハードルがあります。そこで今回は、BIツールを導入することでどのようなメリットを得られるのか、逆にデメリットとなることはあるのか、さらに導入の手順や運用を失敗しないためのポイントについてもご紹介します。

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BIツールとは何か?

BIツールのBIとはBusinessInteligenceの略で、企業が持っている膨大な情報を集め、管理、分析や、加工を行えるツールです。BIツールを使うことによって、企業の意思決定を支援することができます。

BIツールが導入される目的

IT化が進み企業内には長年蓄積されたデータがありますが、そのデータを十分に経営に生かし切れていない現状があります。 会計ソフト、売上分析、人件費、などの多種多様なデータは複数のファイルに渡り、分割された状態では迅速に活用することが難しくなっています。

しかし、長年蓄積されたデータをPCに保存しているだけでは宝の持ち腐れです。活かすためには、データを可視化し事実に基づいた潜在的な問題点を把握していくことが重要です。そして業界内でのニーズ、今後取り組むべき課題、社内で改善できる点などを見極めつづけていくことが健全な企業経営に求められていることではないでしょうか。そうした環境を作るために、より簡単に早く高度な分析を行えるBIツールが導入されているのです。

BIツール導入のメリット

では、BIツールを導入することで具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

BIツールを導入するメリット1:情報の集約

BIツールを導入することによって、情報の集約ができます。企業の情報はかなり膨大なもので、それが社内には散在しています。 これを集約するにはかなりの労力がかかり、大切な情報を誤って消してしまう可能性もあるでしょう。しかし、BIツールに情報の集約を任せることで情報が一元化でき、わかりやすくなります。また、紛失も防げるでしょう。

BIツールを導入するメリット2:データの分析

BIツールではデータの分析を行うことができます。 分析に時間がかかってしまうと、意思決定の速度も遅くなってしまいますが、BIツールにデータの分析を任せることにより、今まで分析にかかっていた時間を他の仕事に活用できるでしょう。

BIツールを導入するメリット3:データの分析時間の短縮

BIツールの導入によって、データの分析時間の短縮ができます。 BIツールを活用すると、今まで人間が行っていた作業をBIツールが行うため、分析にかかる時間を短縮でき、意思決定の速度も早めることができます。

BIツールを導入するメリット4:スムーズな対応ができる

スムーズな対応ができることもメリットでしょう。企業で問題が起こった際にはそれについての情報を集め、それを分析して問題を明らかにし、問題を解決していくということが必要です。 過程を分析をすることで問題を明らかにし、データを見える化することで現状を素早く把握し、対応できるでしょう。

BIツールを導入するメリット5:課題の早期発見ができる

BIツールを利用することで課題の早期発見ができます。ビジネスでは、かなり膨大な情報を持っていたり、また、社員はみな忙しいため、ビジネス上の課題に気づきにくいということがあります。 しかし、BIツールを活用することにより正確な判断ができ、課題の早期発見・解決につながるでしょう。

BIツールを導入するメリット6:迅速なレポートの作成

BIツールを導入すると、迅速にレポートの作成ができます。 情報を集め、その情報を分析し、可視化するという作業すべて行うとなると、どれだけ効率よく行ったとしても時間がかかってしまいます。しかし、BIツールであれば迅速にレポート作成ができます。

BIツールを導入するメリット7:現状の把握ができる

現状と抱えている課題を把握するということはビジネスにおいて大切なことです。現状を把握していなければ適切な戦略を立てることはできません。また課題を早期発見できず、問題が大きくなってから取り掛かるのでは手遅れになることもあるでしょう。

BIツールは上手く活用すれば現状を容易に把握でき、問題発見の手助けをしてくれます。また、例えば何かアイディアが思いつき、それについて今すぐ検討したい時に、BIツールがあればすぐに現状を可視化してくれるため、そのアイディアの検討にすぐ移ることも可能になるでしょう。

BIツールを導入するメリット8:経営戦略の見直しができる

経営戦略を見直していく際には、全ての部署の現状を把握して検討していく必要があります。従来では、全ての部署の現状を把握するために散在した情報を集めるにはかなりの時間がかかるため、意思決定の速度が遅くなってしまうことが課題となっていました。

しかし、BIツールは情報を一元管理し、それを分析することができるため、現状把握のための時間が短縮され、意思決定の速度も早くなります。それによって、経営戦略の見直しがより積極的に行われ、よりはやくPDCAを回すことも期待できるでしょう。

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BIツール導入のデメリット

BIツールの導入を検討しているなら、メリットだけでなくデメリットについてもあらかじめ確認しておきましょう。

BIツールを導入するデメリット1:コスト負担がかかる

BIツールの使い方によってはコスト増となってしまう使い方があります。BIツールの料金プランなどによっては、想定していたよりもコストがかかってしまうこともあるため、導入する際には、様々なBIツールや料金プランなどを比較した上で慎重に判断することが大切です。

BIツールを導入するデメリット2:設定をする時間がかかる

BIツールは設定するのにある程度時間を要します。しかし時間がかかるからと言ってあまり考えないで初期設定をすると、その後の変更に手間がかかるため、しっかり自社にあった初期設定を行っていく必要があります。これは外注して設定してもらうというのも1つの手でしょう。

BIツールを導入するデメリット3:ツールを習得する必要がある

BIツールを導入したら、使いこなせるようになる必要があります。分析に慣れていない場合は、習得していくために時間を要することになりますが、習得するとさまざまな業務の効率化が図れるため、導入した際には存分に機能を使えるようしっかりとマスターしましょう。

BIツールを導入するデメリット4:セキュリテイ対策が必要になる

BIは企業の膨大なデータを一括管理するということになるため、セキュリティ対策が必要になります。企業の大切なデータですから、セキュリティは必ず強固なものにしましょう。

BIツールを導入するデメリット5:使用する頻度が下がる可能性

もし、BIツールを導入したとしても社内で浸透せず使われなくなってしまったら意味がありません。そうなるとせっかくかけたコストが無駄になってしまいます。 そのため、まず導入する前にこの会社で本当に必要なのかということを十分検討する必要があります。導入した後も、BIツールを使うという環境づくりを積極的に行っていきましょう。

BIツールの4つの基本機能

    BIツールのメリット

高度な分析とデータの可視化を可能にするために、BIツールにはいくつもの機能が備わっています。ここからは主要機能として4つを紹介します。

BIツールの機能1:データを可視化する「ダッシュボード」

ダッシュボード機能では、これまで複数システムに存在していたデータを一つの画面にまとめて表示することができます。単にデータを羅列するのではなく、グラフや地図などをもって視覚的に表示することで、課題や改善点を即座に把握できるようになります。 分析したい視点に応じてグラフ形態を変更したり、クリックによりデータをドリルダウン、ドリルアップしていくことで、内容を掘り下げた分析や異なる視点から見える化を支援してくれます。

BIツールの機能2:必要な形式でデータを出力する「レポート」

ダッシュボードでは、利用者がBIツール上からデータを閲覧する形になります。一方、レポート機能は、ExcelやPDF、Word、PowerPoint、CSVなどの形式のレポートを、BIツールが自動で出力します。 社内やチームでの報告、共有などで定期的にレポートが必要になる場合に重宝するでしょう。

BIツールの機能3:意思決定をサポートする「データマイニング」

データからインサイトを得るために、利用者には相応のスキルが求められます。たとえ可視化されたデータがあったとしても、一目では洞察が得にくいこともあるでしょう。 こういった際に有効なのが、データマイニングです。データマイニングを利用すれば、統計分析や機械学習などによりデータ間にある相関性を分析することが可能。可視化しただけでは気付きにくい洞察を導き出すことができます。

BIツールの機能4:仮説を検証する「シミュレーション」

立案した計画と実績との間に大きな乖離があっては、円滑な事業運営は困難です。仮説に基づいた計画が正確性を持っているか。データを用いてこれを検証する機能が、「シミュレーション」です。 計画の立案は、企業の行く先を示す大切なもの。シミュレーションを用いて売上や収益の見通し精度を高められる他、設定した条件下での変化を知る「What-if分析」を用いれば、将来の展望をシミュレートすることも可能です。

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BIツール導入の手順

メリット・デメリットや、どんな機能があるのかを踏まえた上でBIツールの導入を進めたいとなった場合には、どのような手順で導入していけばいいのでしょうか。

ここからは導入の手順を5つに分けてご紹介していきます。

BIツール導入の手順1:目的を明確にする

まずは、目的を明確にするという事が必要です。 BIツールでは膨大な情報を集め、それを管理し、分析し、加工することができます。目的を明確にしないままで導入してしまうと、せっかく導入しても使いこなすことができません。 費用や時間を無駄にしないためにも、まずは自社が求めていることがBIツールを使って実現できることなのかということをあらかじめ確かめておくようにしましょう。

BIツール導入の手順2:データの確認をする

目的を明確にしたら、その後はデータの確認をするということが必要です。 BIは膨大なデータを使う際に、それを正確に活用していくツールなため、膨大なデータをそもそも扱っていないところだと、導入してもあまり使わないということになります。 また、元のデータが正しい情報なのか、古い情報ではないのかなどをしっかりと調べる必要もあるでしょう。

BIツール導入の手順3:ツールの選定をする

データの確認後の手順は、ツールの選定になります。BIツールと言っても、製品ごとに特徴が異なったさまざまな種類のものがあります。そのなかで自社に適したBIツールを選定する必要があります。 また、部署によっても、膨大なデータを可視化したいのか、分析をしたいのかなどBIツールを活用する目的は異なってきます。余計なコストをなるべくかけないようにするため、使う必要のある機能のみが入っているBIツールを選ぶ必要があるでしょう。

BIツール導入の手順4:カスタマイズを行う

ツールの選定が終わったら次はカスタマイズに入ります。より有益な情報を得られるよう、自社の目的に合わせて初期設定を行いましょう。また、インフラを整える必要もあります。

BIツール導入の手順5:使用担当者が習得をする

最後の手順は、使用担当者がしっかりと操作を習得をするということです。 せっかくBIツールを導入したとしても使うことができなければ意味がありません。使用担当者がしっかりと理解することで、今までの膨大な情報を自分で管理し、分析を自動化できるため、時間短縮につながるでしょう。

BIツールの運用を失敗しないためのポイント

導入手順について解説してきましたが、BIツールで成果を生んだ企業とそうでない企業には、「運用面」でも違いがあります。導入するにあたっては、運用を失敗しないためのポイントも知っておきましょう。

運用時のポイント1:メリットとルールを明確にする

残念ながら、新しい仕組みというのは、スムーズにはビジネス現場に受け入れられないものです。日々の業務に追われている部署であれば特に、新しいものへの抵抗感が生まれやすくなります。 こうした場合、システムに精通した部署があらかじめダッシュボードを作成し、これを利用するメリットと効果を生むための利用ルールを明確に提示した方が、現場に受け入れられやすくなります。すぐに活用できる。効果も期待できる。そのような形で展開することにより、現場で利用されるだけでなく、改善点やよりよい運用方法が提案されるなどの動きも生まれ、BIツールの定着に繋がります。

運用時のポイント2:ビジネス現場に担当者を用意する

ツールの浸透役を担う「アンバサダー」をビジネス現場側に用意するのも有効な手です。 既述のように、新しい仕組みは中々現場には浸透しません。ただ、自分と同じ業務をしている同僚が自分よりも短期間に業務を進めていたら、そしてそこにBIツールを有効に機能していたらどうでしょう。「自分も」と思い、同僚と同様にBIツールを利用するはずです。アンバサダーをビジネス現場に置くことで、ツールを浸透させるための波を生みだすことができます。

まとめ

BIツールのメリットとデメリット、そして導入の手順や運用時のポイントなどをご紹介してきました。明確な目的をもって正しくBIツールを導入すれば、会社にもたらしてくれるメリットはとても大きなものになるでしょう。ぜひこれを機に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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