スーパー戦隊シリーズ第41作『宇宙戦隊キュウレンジャー』のヘビツカイシルバー/ナーガ・レイ役で注目を集めた俳優・山崎大輝が、アーティスト名義「Taiki」として2ndシングル「Multicolored World!(マルチカラードワールド)」を、10月7日にリリースする。

  • 山崎大輝(やまざきたいき)。1995年10月3日生まれ、静岡県出身。第23回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストにて審査員特別賞受賞。2011年より俳優としての活動をスタートし、2017年には『宇宙戦隊キュウレンジャー』にヘビツカイシルバー/ナーガ・レイ役で出演。最近の主な出演作は舞台『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ~Memory of Marionette~』『黄色い叫び』『メサイア-黎明乃刻-』『モマの火星探検記』、映画・ドラマ『明治東亰恋伽』など。俳優業の他に「らいと」名義でYouTubeにゲーム実況動画を投稿中。2018年「Taiki」名義で1st.シングル『Imagenerations』をリリース。2020年12月には舞台『賭博黙示録カイジ』に伊藤開司役で出演決定

『キュウレンジャー』では、"感情をもたない"ミステリアスな戦士を演じた山崎。イベントでは抜群のトークセンスを発揮して会場を盛り上げ、そのギャップも大きな魅力だった。さらに俳優業のほかに、「らいと」名義で長年動画配信も行うなど、マルチに活躍している。

そんな山崎のもう一つの顔が、アーティスト「Taiki」として行う音楽活動だ。「Multicolored World!」にカップリングとして収録されている「現実逃避」では作詞、「vivid sky」では作詞・作曲という多才ぶりを見せている。今回は山崎のアーティストとしての顔、「Taiki」の活動をメインにインタビューを行った。

――2ndシングルのリリースおめでとうございます! まずはこの「Multicolored World!」というタイトルに込めた思いについてお聞きしたいです。

いままで発表した曲も、振り返ってみると色のイメージのある楽曲だった気がするんです。そういう意味でも、音楽活動のコンセプトの中で、この"カラフルさ"というのは大事にしていきたいと思っていました。タイトル自体は作詞を担当してくださった真崎エリカさんが出してくださったものなんですが、色を象徴するような言葉だったので、縁を感じました。

――言葉に関する感覚でいうと、山崎さんは収録曲で作詞も手がけられています。作詞をするうえでのポイントや、ご自身独特の方法があったりするのでしょうか?

ほかの方の作り方はわからないのですが、僕の場合は日常でひっかかったことをメモに残しておいて、そうした言葉が"種"になってくれて、その種を育てていくイメージです。制作が決まったら、貯めていた種を取り出して、形になってきたものに色をつけていく。そこから、こんなストーリーで、こんな人に向けて……ということが決まっていって、1番から書いていくという流れです。書く順番についても試行錯誤していて、最近は試しにサビから書くということもしています。「現実逃避」はサビからですね。

――何本か作詞をしていったことで、つかんだものはありますか?

慣れていない最初のうちは、ちゃんとしたことを書きたすぎて、書けなくなっちゃたりするんです。なので、なるべく軽い気持ちで書きはじめることが大事なんじゃないかなと思います。とにかく書いてしまって、あとからそれをいじっていったほうが最終的にはうまくまとまっていく印象があります。

――世の中的には、外出自粛が続いていて……という状況でしたが、作品にも何か影響はありましたか。

「Multicolored World!」は、その反動もあって、ちょっと明るくポップというか、ネガティブな印象にならない楽曲にしたかったんです。詞も、未来への希望や可能性を感じられるような内容になっていると思います。

一方で、「現実逃避」と「vivid sky」は去年の6・7月に書いた楽曲なのですが、今の状況にすごく当てはまっているように感じました。このタイミングでカップリングに収録できるのはうれしいですね。

――シングル発売決定を発表された動画のなかで、山崎さんが"オフボーカルの魅力"を熱く語られていた姿が印象的だったのですが、あらためてその魅力を教えてください。

僕に音楽に興味を持つきっかけを与えてくれたのはL'Arc~en~Cielさんなんですが、L'Arc~en~Cielさんって、CDに"hydeless version"っていうのが入っているんです。曲にhydeさんだけがいないということなんですけど、それも楽曲としてすごく楽しめるんです。音の構成もわかりやすくなるので、楽曲としての楽しみ方も変わってくる。オフボーカルにこだわったのは、そういう楽しみに触れてきたということもあります。

それから、僕の音楽を聴いてくださっている方って、はじめは俳優としての僕に興味を持ってくださって、そこから曲にたどり着いた方が多いと思うんです。オフボーカルにはコーラスで僕の声が入っているので、楽曲の音楽性自体への好みが違ったとしても、僕のファンの方にも興味を持っていただけたらいいなと思っています。今回コーラスをたくさん録ったので、そこにも注目して聴いていただけたら嬉しいです。

――MVについても、楽しみにしてほしいとおっしゃっていましたね。

どういうところで撮るか、だれに撮っていただくかというところまで参加させていただきました。作っていくなかで、僕はゼロからイチを作るというより、イチのところから、こういうのやっていきましょうみたいな感じで方向づけしていくほうが合っているような気がしました。今回は初めてのMVということもあって、"MVって何か"ということも学べて、すごく勉強になりました。曲にピッタリ合ったMVもあれば、合ってないけどなんだかイイというものもあって、おもしろいですよね。

――「Multicolored World!」MVの見どころについて聞かせてください。

動画もそうなんですけど、最初の"つかみ"がめちゃくちゃ肝心なんです。ですから、イントロから1サビが終わるまでにノンストップでストーリーが進んでいて「続きが見たい」と思っていただけるものになっているんじゃないかと思っています。

――今でもキュウレンジャーのみなさんと交流があるようですね。幼なじみのように本当に仲の良い姿が、見ていて微笑ましいです。

一年半も一緒にいたメンバーですからね。あのときはとても忙しかったこともあり、冷静に考えることはなかったんですけれど、楽しいことも辛いことも一緒に乗り越えてきた仲間なんだなあって。メンバーとの関係は、なんだか中学の同級生みたいな感じなんです。会うときは会うし、会わないときは全然会わないんですけれど、会うと本当に昨日の続きのように話しができちゃう。本当に"中学の同級生"というのが一番ピッタリかもしれないです。

――でも、社会人になってそういう仲間に会えるって、すごく貴重ですね。

そうですね。この前なんて、キュウレンジャーのメンバーと中学校の友達をオンラインで会話させてみようと思って、オープンスピーカーでつないだんです。そんなことをしようと思うくらい、まさに"中学の同級生"なんですよね。

――ご自身から見て、「山崎大輝」はどんな作り手だと思いますか?

楽曲については、自分の色を強く出すタイプですね。逆に俳優としては、"作品のため"という思いが強いタイプかもしれません。どうやったら作品に貢献できるか、役を通してどうやってパスをつないでいくか、みたいなことを考えながら演じています。"作品のため"の自分の立ち位置については、特に意識しているところかもしれません。

――さまざまな活動を行う山崎さんですが、チャレンジしてみたいことは?

俳優活動に関しては、いままで原作実写化の作品をやらせていただくことが多かったので、もっとオリジナルの作品にも出たいですね。映像もリアルなものをあまりやったことがないので、そういったものにも挑戦してみたいです。それから、今年はナレーションの仕事もやらせていただいたのですが、そうしたいろんな表現にも挑戦していきたいと思っています。

音楽もこうして本腰を入れて活動させていただいているので、たくさんの方に聴いていただきたいというのもあるんですけれど、いつかは楽曲を提供できるようになりたいですね。

「Taiki」2ndシングル「Multicolored World!(マルチカラードワールド)」は、10月7日発売。