TISは10月6日、みずほ銀行の約400支店からの決算書送信やセンターの登録業務をペーパーレス化するワークフローを構築し、業務効率の向上を支援したと発表した。TISの財務諸表入力ソリューションである「SCORE LINK」を使用して構築したみずほ銀行の新ワークフローシステムは、2019年11月から本番稼働を開始している。

  • SCORE LINKを軸としたワークフローのイメージ

同行は、全国約400の支店が取引先企業から入手した決算書を東京の財務分析センターで一元集約し社内システムに登録する体制で、支店側もセンター側も紙の決算書を前提として業務を行ってきたという。

この業務では、郵送や管理コスト、情報漏洩リスクなどのほか、不備があった場合は支店に再送を依頼するため2日程度のロスが発生するなどの課題があった。さらに、決算書の勘定科目を正確に読み解くにはノウハウが必要なため、慢性的な人材不足やピーク時対応として中国へアウトソーシングをする外注費などがあり、業務の改善が求められていたという。

こうした課題を解決するため、同行は2018年に決算書のOCRによるデータ化などの技術を取り入れ、ペーパーレス化を目指すことにした。同行は、システム全体のワークフローの提案およびOCRによるデータ化の精度の2つの理由から、TISおよび同社のSCORE LINKを採用した。

同行では、新ワークフローの構築により最大60%の登録業務の時間を削減したという。ピーク時で月間約1万6000件あった紙の取り扱いがなくなったことで、紙の郵送コストや管理コストと、それに伴う情報漏洩のリスクも低減し、従来の方式では決算書の勘定科目を正確に読み解ける人材不足が課題だったが、OCRによるデータ化で人の手を介さず正確に決算書情報を読み込めるようになり、課題が解消したとしている。