2020年10月の住宅ローン金利動向。【フラット35】金利は0.02%引き下げ

猛暑だけでなくお盆の行動自粛など厳しい夏が過ぎ、コロナ禍における移動や行動の制限は徐々に緩和されてきています。一方で日本の政治・経済も新たな政権が発足し動き出しました。さまざまな側面で変わり目を迎える中、住宅ローン金利はどのように推移したのでしょうか。10月の【フラット35】金利動向を見ていきたいと思います。

2020年10月の【フラット35】金利は3ヶ月ぶりの引き下げに

今月の全期間固定金利型住宅ローン【フラット35】(買取型)の金利は融資率9割以下、返済期間21~35年機構団信を含めて1.30%と0.02%の引き下げに。また融資比率9割以下・返済期間15~20年の金利は1.21%と0.04%の引き下げになりました。3ヶ月ぶりの引き下げとなります。

まとめ~新たな政権スタートによって【フラット35】金利の今後は?

最後に今月の金利変動について、不動産や金融についてその業界の人に匹敵する知見をもつ、公認会計士ブロガー千日太郎さんにまとめていただきます。

菅内閣がスタートしました。総裁交代は約8年ぶりで、菅総裁の任期は安倍氏の残り任期を引き継ぎ2021年9月末までとなります。菅内閣は新しくスタートしたとはいうものの、アベノミクスを継承するものであるため、金融市場への影響はかなり抑えられたものとなりました。

機構債の表面利率が発表される前日の長期金利終値は0.02%と、前月より0.01ポイント低い水準で推移し、機構債の表面利率は0.02ポイント下がって0.35%となり、【フラット35】(買取型)の金利も0.02ポイント下がりました。

【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み(※)からすると、おおむねセオリー通りの推移と言えそうです。

菅政権になってもアベノミクスの3本の矢の一つである金融緩和政策は2023年まで維持する可能性が高そうです。もともと2018年で任期満了だった黒田総裁を再任したのは安倍政権であり、菅氏は安倍氏の政策を承継するからです。

黒田総裁の任期が2023年4月まであるということは、この「異次元」ともいわれる無制限の金融緩和路線(=低金利)が2023年までは続くことを意味します。

加えて、このコロナ不況によって米連邦準備理事会(FRB)は2022年末までゼロ金利政策を維持する見通しとしており、さらには物価上昇率が一時的に目標の2%を超えるのを容認する新たな政策方針を表明しています。

このように日米中央銀行の金融政策は緩和に全振りとなっており、ここ数年で日本が利上げする可能性は低いでしょう。

前月の9月には一時的に長期金利が上がりましたが、その後は債券の割安感に着目した投資家が再び買いに転じることで債券価格が上がり、利回りが下がりはじめました。

今はこのように小さな幅で長期金利が上がったり下がったりということを繰り返し、これに連動して【フラット35】の金利も上がったり下がったりする状況と言えそうです。

※【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み

住宅ローンの【フラット35】(買取型)は、下図のように住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。

この機構債は毎月20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家たちは機構債を国が取り扱う安全な債券という考えで購入しますので、機構債の表面利率は国が発行する債券=10年国債の利回り(長期金利)に連動する傾向があるのです。

執筆者:ARUHIマガジン編集部