NTTデータは9月30日、企業のAIサービス創出を短期間で実現し、継続的に改善を行うためのMLOps導入サービスの提供を開始すると発表した。

MLOpsとはDevOps(ソフトウェアの開発担当と導入・運用担当が密接に協力する体制を構築し、ソフトウェアの導入や更新を迅速に進めること)の機械学習版で、機械学習の開発担当者とシステムの運用担当者がお互いに協調し合い、実装から商用システム運用までを円滑に進めるための概念全体を指す。

同社では、これまで顧客へ素早く価値を届ける事を目的としたDevOpsサービスを提供してきたが、AIによる新規ビジネス創出などの相談ニーズの増加に対応するため適用範囲をAIに拡大する。同サービスの活用により、AI開発の効率化やAIサービスの商用化までの時間短縮が期待できるという。

実ビジネスにMLOpsを適用する場合、PoCを成功させるには予測精度をビジネスに適用できるレベルまで高める必要がある。その際は、下図のプロセス(データ確認→データ前処理→モデル設計→学習→モデル管理→デプロイ再評価)を繰り返して最適なチューニングを見つけることが重要であり、このプロセスを250%以上高速化することで、平均3カ月のPoCでその成功のため必要とされる5回以上のチューニングを可能にし、結果として実ビジネス創出につなげることができるという。

  • MLOpsサービスが提供するツールチェーン

また、AIを活用した実ビジネスでは、その価値は主に予測精度に依存するが、この予測精度は情報や情勢の時間変化による影響を受ける。例えば、コロナ禍により一時期は小売りや飲食店の売上が予測値と比較し大幅に低下する事象が起きた一方で、その状態に予測モデルをチューニングしたとしても、緊急事態宣言の解除や世論の動向によって今後は予測値に対し急激に売上が増加するといった事象も起きている。

このように情勢の変化が激しい場合、上図のツールチェーンを活用してモデルを改善し適切な予測をさせることで、結果としてビジネスを改善させることが可能になるとのことだ。

同社は今後、同サービスをグループ各社へ展開を行い、3年間で案件への導入件数100件を目指す方針だ。