テレワークの普及が急速に進む昨今の新しい働き方に向け、カルビーは新シリーズ「otomo pack(オトモパック)」を展開する。包装方法やサイズ、容量などを仕事の合間の"ひとやすみ"に配慮したパッケージに最適化することで、その需要に応える。

  • カルビーの新シリーズ「otomo pack(オトモパック)」

テレワーク用のオトモパック

オトモパックの当初のラインナップは9商品。じゃがいもをそのままカットしたスティック形状のスナック菓子「Jagabee(じゃがビー)」が2商品(うすしお味/バターしょうゆ味)、蒸したじゃがいもの生地にフレーバーを練り込んで味付けをした「じゃがりこ」シリーズから9月に発売になった新ブランド「大人のじゃがりこ」が1商品(わさび醤油味)、「じゃがりこ」の製法でスイートコーンや枝豆で仕上げた「とうもりこ」「えだまりこ」(ブラックペッパー味)、ソラマメを素揚げして塩で味付けした「miino(ミーノ)」が3商品(そら豆しお味/そら豆大豆アーモンドしお味/えだ豆黒豆カシューナッツしお味)。

いずれも既に発売されている人気商品を食べやすいひと口サイズにし、開封後も袋を閉じることができるチャック付きで机の上にも置きやすいスタンドパック包装で提供する。

  • コンビニエンスストアを中心に、スーパーなどでも展開を広げていく

ひとやすみで生産性が高まる

週1回以上テレワークを実施している20~49歳の有職者女性600人を対象に、8月に行った同社の「女性のテレワークに関する実態調査」によると、55.2%の人が「テレワークでこれまでにない疲れやストレスを感じることがある」と回答。

その原因については「仕事とプライベートの境界線が曖昧」と答えた人が53.2%で最多を占め、次いで「家にこもりっぱなしであること」(39.6%)、「仕事をする環境が整っていない」(36.3%)、「ひとやすみがしづらい」と続く結果となった。

一方、オフィスワークよりも「テレワークのほうが生産性が高い働き方ができている」と回答したのは54.5%。中でも"ひとやすみ"の時間が取れている人ほどこの割合が高く、83.8%を占めた。

テレワーク中の"ひとやすみ"の方法では、「飲み物」(61.7%)、「間食を食べる」(52.5%)が続き、半数以上が"飲食"を行っている実態が明らかになった。仕事中の間食に求めることの最多は「一口で食べられる」(50.8%)。

以下、「手が汚れない」、「コンパクトサイズ」、「一度で食べきらなくてよいパッケージ」が4割を超える結果となり、新シリーズは"仕事の合間に休息を求める消費者の要望を意識して企画した商品"として販売していく。

新シリーズの展開に伴い、9月25日に開催された記者発表会で、同社執行役員・マーケティング本部長の松本知之氏は、otomo packを「令和版のきびだんこにしたい」と思いを語る。

  • otomo packを「令和版のきびだんこにしたい」と語った、カルビー 執行役 マーケティング本部長 松本知之氏

カルビーといえば、「ポテトチップス」や「かっぱえびせん」といった袋入りの家庭で食べることを想定したスナック菓子が多いが、近年は"ウチソト"とも呼ばれる、オフィスなど家以外の場所で食べる商品の訴求を強化していくことを課題として挙げている。

新シリーズのラインナップにも含まれている「じゃがりこ」もその1つ。オリジナルはカップに入った初のスナック菓子で、カバンに入れて持ち歩きやすいことも人気の理由で、ニューノーマルなライフスタイルに合わせて、いつでもどこでも好きなときにより食べやすい商品として新シリーズの一因として新装されたかたちだ。

カルビーと聞くと、ジャガイモのイメージが強いが、「"ポスト馬鈴薯"の自然素材を生かした商品開発にもいっそう力を注ぎたい」(松本氏)とし、新しい素材を生かした商品展開にも力を入れていく。

具体的には、豆を素材とした商品を特に強化していく意向で、「健康志向が高まる中、タンパク質を多く含む豆を使った商品を提案していきたい」と語る。

リフレッシュは幸せを構成する因子

記者発表会には、「幸福学」研究の第一人者として知られる、慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授 前野隆司氏がゲストとして出席。働く人の幸せと不幸せの各7因子を紹介し、「全部で14の因子のうち8つが人との関係性に由来している」と説明した。

  • 「はたらく人の幸せ」と「はたらく人の不幸せ」の7因子。"リフレッシュ"は幸せを構成する一因子であると説明する

「コロナ禍でコミュニケーションが粗になっていることを危惧している。雑談というのも幸せ因子の1つですが、リフレッシュ因子というのが重要。食べ物を食べながらケンカする人はいないと言われるように、otomo packは、リフレッシュ因子として役立つ可能性があります。人々を幸せにするスナックと太鼓判を押したい」と前野氏は言う。