ストレスは心身の不調と関係するため健康によくないものだと思われがちですが、実は一概にそうではなく、適度なストレスは私たちにとって必要なものです。

例えば、仕事でのプレッシャーはストレスにつながりますが、プレッシャー、あるいは緊張感がまったくない環境では気持ちが緩んできてしまいます。プレッシャーも適度なものであれば、仕事のモチベーションアップや張り合いにつながります。

そのため、「ストレスをなくそう」と考えるよりも、うまくつき合っていくほうがよいでしょう。本記事では、ストレスを適度に発散する方法を紹介します。

  • 趣味でストレスを発散! 効果的な方法は? 公認心理師に聞く

    趣味でストレスを発散! 効果的な方法は? 公認心理師に聞く

趣味を持ってストレスを発散しよう

ストレスとうまく付き合うには、食事や睡眠などの生活習慣を整えるとともに、休養(Rest)・リラックス(Relax)・レクリエーション(Recreation)の「3つのR」が重要だといわれています(※1)。適度な休養がとれたら、自分なりのリラックス方法やレクリエーションを楽しむことでストレスを発散しましょう。

ストレス発散には、自分に合った趣味の時間を過ごすのがおすすめです。趣味やストレス解消方法としては次のような種類があります(※2)。

休息型 : 休養をとったりリラックスしたりして心身の疲れを癒す方法
運動型 : ストレス反応によって過剰に分泌された交感神経系ホルモン(アドレナリン)を筋肉活動で消費する方法
親交型 : 親しい人とのコミュニケーションによってストレスを緩和する方法
娯楽型 : 快楽を追及することでストレスを解消する方法
創作型 : 何かを作り出す作業に集中する方法
転換型 : 不快な気分を転換する方法

【インドア派のあなたへ】家でできるストレス解消法

まずは、インドア派の人におすすめのストレス解消法を紹介します。どれも自宅や室内でできるので、思い立ったときに試してみてください。

休息型

・ゆっくりお風呂に入る(のぼせない程度に)
・好きな音楽を聴く
・眠る
・好きな香りを嗅ぐ

疲れを翌日に持ち越さないように、毎日適度に休息の時間を作るのがポイントです。

休息のときには、できるかぎり目や耳に刺激的なものは遠ざけましょう。スマホを遠ざけたり、スマホの通知を切ったり、部屋のライトの照度を落としたり、テレビを消したりボリュームを落としたりすることで、自然と落ち着ける環境を作ります。

また、アロマ(香り)を利用すると効果が得られやすくなります。好きなコーヒーやティーの香り、好きな花の香り、あるいはアロマディフューザーなどを活用するのもよいでしょう。

運動型

・ストレッチ
・ヨガ
・ラジオ体操

運動型のストレス解消法では、全身を動かせる運動がおすすめです。

運動には、ネガティブな感情を発散して落ち着かせ、心身をリラックスさせる作用があります。また、睡眠リズムも整えるといわれています。ただし、運動をするときには無理に頑張らずに「スッキリした! 」と思える程度にしておきましょう。一度にたくさんやるよりも、日々継続して行うことが重要です。

娯楽型

・適度にお酒を飲む
・適度にお菓子を食べる
・適度にテレビゲームをする
・適度に映画を観る

楽しいひと時はとても貴重です。ただし、「楽しい」が故に、そこには依存性や中毒性のようなものがあることは覚えておいてください。楽しむにしても、「適度」を心がけていきましょう。

ついつい過度になってしまいがちな場合には、大まかな目安で良いと思いますので、時間や量を区切る(制限する)のがよいでしょう。なお、もしそういった娯楽にのめりこみすぎてしまったら、専門のカウンセラーなどに相談してみてください。

親交型

・気のおけない家族とのだんらんの時間を過ごす
・気のおけない友人と食事やお茶をする

人には個性があり、個々人によって快適な時間の使い方があります。またそのときどきによって何を快適に感じるのかも変化します。

自分の心に正直になれるような相手や、一緒にいると心が安らいだり、楽しいと感じたりできるような相手と過ごす時間はあなたにとってかけがえのない癒しやリフレッシュの時間をもたらすことでしょう。

ただし、他人との付き合いが苦手な人がこの型を目指したり、ひとりで居たい時にまで無理をして親交をしたりするのは逆効果となりますのでご注意ください。

創作型

・絵を描く
・音楽を演奏する
・お菓子作りをする

何か没頭できるものが持てるのはとても幸せなことです。特に、身体を使って何かを創り出すような活動は精神に良い効果をもたらします。何かの作業に集中することは、瞑想やマインドフルネスと似たような状態をもたらすとも言われています。

転換型

・部屋の模様替えをする
・カラオケで歌う

身近な環境を変えることは気分を変えることにつながります。部屋の模様替えをしたり、ヘアースタイルを変えてみたり、洋服を変えたりすることも気分転換になります。また、積もり積もった感情を口に出したり、歌にしたりして外に出してしまうのも効果的です。