Smiling young African American woman using air conditioner, cooler system remote controller, switching, setting comfort temperature in living room, resting on cozy sofa at home, enjoy fresh air

「最新のエアコンは電気代が安いから買い換えたほうがいいよ」

このように言われたことはありませんか? そう言われてみると、「確かに技術は進化しているから」と納得してしまいがちです。

でも本当のところはどうなのでしょうか? 10年前のエアコンと最新エアコンを比較してその電気代の差を確認してみましょう。さらに、最新エアコンに搭載されたさまざまな機能も取り上げました。「そろそろエアコンを買い換えようかな」と検討している人は、ぜひ読み進めてください。

徹底比較! 10年前のエアコンと最新エアコンの電気代

資源エネルギー庁によると、エアコンは10年前と比較すると約5%の省エネになるとのこと。 この数字は、2007年と2017年の冷房能力2.8kWhクラスの代表機種を比較したものです。

データが少し古いので、最新のデータ&リビングに設置することが多いクラスで比べてみましょう。

実際のエアコンで消費電力を比較!

比べてみるのは、日立のハイスペックモデルSシリーズ、冷房4.0kWhクラスの、11畳から17畳用のタイプです。

期間消費電力で比較すると、2020年タイプのほうが、255kWhも消費電力が減少しています。期間消費電力とは、東京をモデルとして、1年間エアコンを利用した場合の想定消費電力です。以下の条件で試算されていますので、地域や住宅環境によって実際の数値は増減します。

・冷房時27度、暖房時20度設定
・5月23日から10月4日まで冷房
・11月8日から4月16日まで暖房
・1日18時間利用(午前6時から午前0時まで)
・平均的な南向き木造住宅

期間消費電力から計算される1年間の電気代を比較

次に、期間消費電力から、1年間のエアコンの電気代を計算してみましょう。期間消費電力に、1kWhあたりの電気単価をかけると1年間のエアコンの電気代が分かります。

10年前のエアコンと、最新エアコンの電気代を試算してみると、その差額は6,753円でした。最新エアコンのほうが電気代が安いからと、買い換えの決断をする金額ではないなと思った人も多いのではないでしょうか。

ただし、この金額は夏場の冷房、冬場の暖房ともにそれほど強く使っていない場合のもの。冷暖房の設定温度を低く(高く)すればするほど、差は大きくなっていきます。

さらに古いエアコンは経年劣化によって性能が低下していることが想定されますので、古いエアコンの消費電力は試算以上に大きくなると考えられます。ただそれを差し引いても、買い換えて数年でペイできるほどの価格差にはならないでしょう。

例えば、今回取り上げた日立のSシリーズ14畳用最新機種は最安値でも22万円前後と高額です。電気代が数千円安くなるからとすぐに買い換えられる人は少ないはず。

では、同じ14畳向け4.0kWクラスの、12万円から15万円前後で購入できる製品と比較してみましょう。

一般的なグレードの製品では、10年前と最新エアコンを比較しても、電気代に大きな差は出ませんでした。

ハイグレードのエアコンに買い換えると電気代が節約できる?

ここで注目したいのが、古い一般的な機種から、最新の上位機種に買い換えた場合の差額です。上記の製品で比較すると、10年前の一般的な機種から、最新機種のSシリーズに買い換えた場合の年間の電気代の差額は1万4,697円です。エアコン本体の差額が10万円程度と考えれば、買い換えて7年弱の電気代の差額でエアコン本体購入費用の差額をペイできる計算になります。

さらに、省エネ効果が高くできる上に、本体費用を安く抑えることができるのが、「1年前の最上位モデルの購入」です。

日立エアコンの中では、最もハイスペックで省エネ性能が高いXシリーズを購入すれば、年間電気代はさらに節約できます。Xシリーズの最新モデルを購入すると30万円前後してしまいますが、1年前の旧モデルは値段が落ちています 。

例えば最上位Xシリーズの14畳用の最新機種「RAS-X40K2S」はネット販売最安値でも25万円前後、家電量販店では30万円です 。

ところが、1年前の同等モデル「RAS-X40J2」であれば、最安値はインターネットでも12万5,000円前後です。一般的な機種の最新モデルよりも、1年前の最上位機種のほうがスペックは圧倒的に高くなっています。

2019年モデルのXシリーズ14畳用の期間消費電力は、「983kWh」。年間電気代は約2万6,029円です。Gシリーズの最新モデルの期間消費電力は1,544kWh、年間電気代は約4万885円ですので、その差は一目瞭然です。

エアコンが古くなったから性能が良く省エネ性能が高い機種に買い換えたいという人は、「1年前の最上級モデル」の購入を検討してみてはいかがでしょうか。ここでは、日立製品を例に挙げて解説をしましたが、どのメーカーでも同じ傾向ですので、カタログの「期間消費電力」を見ながら、「安くハイグレードなエアコンを購入できるお店」を探してみましょう。

電気代だけではなかった、最新機種の優秀機能

エアコンは、最新機種かつハイグレードのタイプを購入すれば、電気代を大幅に節約できることが分かりました。ところが、最新機種には省エネ性能以外にも、さまざまな魅力的な機能が備わっています。代表的なものがこちらです。

・フィルター自動お掃除機能
・快眠モード
・スマホアプリでエアコンを操作する機能
・空気清浄機能
・AIで温度を自動調節する機能
・加湿機能
・ファンロボ機能

特に注目したいのが、ファンロボ機能です。ハイグレード機種に搭載されており、内部を凍らせてから一気に溶かし、汚れをしっかり洗い流すことができます。

また、スマートフォンアプリで遠隔操作できる機能も便利です。帰宅のタイミングに合わせて外出先からエアコンをオンにしておいたり、リモコンが手元になくても操作できたりと、日常生活の中のちょっとしたストレスから解放されます。

「エアコンのリモコン、どこいった?」と探す必要がありません。

エアコンの買い換えなら、ハイグレード機種を狙おう

「10年前のエアコンは省エネ性能が低いから買い換えたほうがいい」というアドバイス、実際のところは、正しいとも正しくないとも言い切れません。

10年前のエアコンがハイグレードであっても、一般的なグレードであっても、現在の同等機種と比較すればカタログスペックは5%程度しか変わりません。

ただし、一般的なグレードからハイグレードのものに買い換えた場合は、大きな差が出ます。電気代にすると年間2万円ほどの差が出ることもめずらしくありません。

ですので、リビングなどの、使用頻度が高く利用面積が大きい部屋のエアコンは、本体価格のみならず、電気代や機能を重視して選ぶことをおすすめします。

また、最新エアコンのハイグレードモデルは、効率よく室内を暖めたり、冷やしたりする気流制御技術や、ピンポイントに人のいる場所だけを快適にする機能が搭載されています。これらの機能は、カタログの消費電力や年間電気代には反映されません。カタログの性能だけを見るとわずかの差でも、実際に使うと大きく変わることもあります。

とはいえ、ハイグレード機種は高額なので、最新モデルではなく1年前の旧モデルを中心に探してみましょう。買い換える際に注目するポイントは、「期間消費電力」です。

同じ広さ向けであれば、期間消費電力が低ければ低いほど、省エネ性能が高くなります。最後にエアコンを買い換える際の選ぶポイントをまとめておきますので、これから探すという人はぜひ参考にしてくださいね。

・期間消費電力が低いものを選ぶ

・部屋の広さに合っている機種 を選ぶ

・最新格安モデルより1年前のハイグレードモデルを選ぶ

・自動お掃除機能などの機能にも注目する

【監修者】コヤマタカヒロ
大学在学中に男性ファッション誌でライターデビュー。その後、PCやデジタルガジェット、白物家電を専門分野として執筆活動を展開。寄稿先は多岐にわたる。家電コミュニティ「家電総合研究所」を主宰。調理家電のテストと撮影のための空間「コヤマキッチン」を用意。米・食味鑑定士の資格を所有。執筆以外に企業のコンサルティングやアドバイザーなども務める。

執筆者:平林 亮子