パノラマパナマタウン 、盟友らを迎えて1カ月で作り上げた2曲

パノラマパナマタウンが、デモから曲を完成させる過程を公開する企画「PPT Online Studio」。2020年6月毎週火曜21時から、自身のYouTubeチャンネルにて生配信してきた。

パノラマパナマタウンは、福岡、広島、大阪、神戸と、それぞれ出身の異なる4人が、神戸大学の軽音楽部で集まり、結成された4ピースオルタナティヴロックバンド。2019年末、岩渕想太(Vo / Gt)が声帯ポリープを発症し、治療のためライブ活動を休止。その最中、田村夢希(Dr)が脱退を発表することに。岩渕の治療が終わり、3人の新体制で本格始動しようとした矢先、新型コロナウイルスの影響で4月5日に日比谷野外大音楽堂で開催予定だった自身のフェス「パナフェス2020 TOKYO」が中止になってしまう。

まさに、どん底ともいえる状況に陥っても彼らは歩みを止めることはなかった。デモから曲を完成させていく過程を公開する企画「PPT Online Studio」を開始し、有り余った音楽活動へのエネルギーを示すかのように、オンラインという形式も活かしながらファンとの交流を図り、時には意見を取り入れながら曲を作り上げている。そんな彼らの楽曲が完成するまでの様子を追っていく。第3回となる今回は「Together Song」、「Dogs」の完成までをレポートする。



岩渕想太(以下、岩渕):今回はパノラマパナマタウンのサポートドラムのオオミハヤト君を迎えております、PPT Online Studio #9。ギターボーカルの岩渕想太です。

浪越康平(以下、浪越):ギターの浪越です。

タノアキヒコ(以下、タノ):ベースのタノアキヒコです。

オオミハヤト(以下、オオミ):サポートドラムのオオミです。

岩渕:というわけで、オオミも含めてデモを聴いてもらおうということで、今回も4曲用意しました。この中から何をアレンジするのかというのを皆で決めていこうという企画になっています。今回も皆の投票を取りつつやろうか。1曲目は「SHOVEL CAR」から。乗りたいなショベルカーという曲ですね。

タノ:かっこいいな。

岩渕:ショベルカーに乗りたいという思いを込めて、結構捲し立てる系の曲ですね。続いて2曲目は「Dogs」。3曲目は「Sunset Tractor」。夕暮れのトラクターの曲ですね。メンバーも今初めて聴いたので、噛み締めています。視聴者から題名が一番好きってコメント来てる。

タノ:働く車シリーズって言われてる(笑)。

岩渕:じゃあラスト行きましょうか。「Borderline」。4曲聴いていただきましたが、皆さんのコメントはどうですかね? 「Dogs」だけちょっとコメント数の比率が少ないような感じがするんですが(笑)。「SHOVEL CAR」は結構色々コメント来てますね。どの曲がよかったか、ざっくり訊いてみましょうか。浪越はどう?

浪越:うーんとね、正直どれもいいと思う。強いていうなら1曲目の「SHOVEL CAR」はギター1本で弾くことを想定してるんじゃないかと思うんだけど。

岩渕:浪越単騎でギター弾いてもらって、コードだけ追っていれば後はアレンジ自由みたいな。

浪越:常に弾いてるっていうのがかっこいいみたいな感じになりそうだから、それが楽しそう。

岩渕:弾きまくるって感じやね。タノはどう?

タノ:好みはやっぱ「SHOVEL CAR」、「Sunset Tractor」かな。ベース的に楽しそうなのは「Dogs」、カッコよくなるのが見えとる。

岩渕:ベース入ったらだいぶ印象変わりそう。サポートドラマーのオオミくんに抱負みたいなものをお願いします(笑)。

オオミ:早くライブとかできるようになるといいんですけど、これからもいいドラムを叩けるように頑張ります。

岩渕:この4曲でどれが選ばれるのか? コメントもハッシュタグ「#PPTOS」で待ってます。パノラマパナマタウンでした。



岩渕:今回はスペシャルゲストが遊びに来てくれております。THIS IS JAPANからGt&Voの杉森ジャックさんです!

杉森ジャック(以下、杉森):THIS IS JAPANのGt&Voの杉森ジャックと申します、よろしくお願いします!

岩渕:ついに初ゲストですよ、ありがとうございます。THIS IS JAPANとパノラパナマタウンは付き合いが長いですよね。

杉森:そうだね、浅草で初めて一緒にライブしたんじゃないですか? あれから4,5年は経ってるね。

タノ:大学3年生くらいの頃かな。

岩渕:初めて一緒にライブした経緯を話すと、俺たちがすごくTHIS IS JAPAN好きで神戸にいる時から聴いていて。THIS IS JAPANの「TAXI DRIVER」のMVが公開された時に、「NIGHT ON THE PLANET」っていうイベントのブッキングをやっているニシジョウさんに、このバンドと一緒にやらせてくださいって伝えて。その念願が叶って5年くらい前に初対バンしたんですよね。

杉森:あざーす!

岩渕:サンシャイン池崎みたいになってる(笑)。パノパナの良いところも悪いところも知ってる杉森さんに、俺らの発展途上のデモを聴いてコメントしていただきます。今月のデモ候補で残ったのは、「SHOVEL CAR」と「Dogs」です。この経緯を話すと、「SHOVEL CAR」は投票1位だったからやろうって話になって、「Dogs」は俺がどうしてもやりたいから、押し切ってやろうってなった。これにベースとドラムが入ってどうなったかを聴いてもらいましょうか。まずは「SHOVEL CAR」。ベースが凄いうねっていましたね。

タノ:これは今日の昼くらいから入れた出来立てホヤホヤです。

杉森:いいじゃん! デモより全然良くなりましたね。偉そうなこと言ってるけど、めっちゃかっこいい。

タノ:嬉しいですね。この曲は暴れるベースにしようと思って。まずオオミが送ってきたドラムが結構フィルとかでも手数が多い感じだったから、それに俺も乗っかってキメキメでフィルのところ合わせて行こうと思って。サビのお尻のところはガチガチと合わせてます。Aメロとかはずっとノっていられるような感じ。自分の曲で言うと、「フカンショウ」とか作った時に近いかな。PPT Online Studioでやった中では一番動くベースで、初指弾き。今までの曲はピックが多かったんです。

杉森:あ、これ指なんだ。やっぱベースだね。ベースが変わったことで曲の表情がめちゃ変わったなって思ってて。サビ以外はずっと同じ進行がステイしていくわけじゃない。そこは聴いてて気持ち良くないと退屈しちゃう可能性があるなと思ってたんだけど、それを見事にベースが打開してるなっていうのが一つですね。ベースラインが歌えるようなラインだと、こういう曲ってずっと踊れちゃうから。踊りたくなりました。

岩渕:今、杉森さん呼んでよかったと思ってます(笑)。

杉森:よく洋楽っぽい、邦楽っぽいっていう話があると思うんだけど、その1番の違いはコード進行が変わるか変わらないかだと思っていて。洋楽って同じコード進行のまま、極端な場合サビまでいく事もあるけど、邦楽ってAメロBメロサビで全部コードが違うパターンが多いなと思ってるんだけど。俺はパノパナの洋楽っぽい曲がかっこいいと思ってたから。この曲はサビもドライというか、シンプルなコード進行でスパッと終わるじゃん。すごい久しぶりに洋楽的エッセンスのあるパノパナの曲を聴けて……ブチ上がってまーす!

一同:ありがとうございます!

岩渕:浪越はこの曲のギターのアレンジプランは何かある?

浪越:実はこの曲のギターを弾くために、ギターのピックアップを新しく交換しました。

一同:すげえ。

岩渕:「SHOVEL CAR」に賭けてるな。

杉森:「SHOVEL CAR」みたいな曲出てくる度に、ピックアップ交換しないといけないね(笑)。

岩渕:楽しみですね。では次の曲を聴いてみましょう、「Dogs」。これも16分の細かいハイハットも入って、かっこよくなったね。このベースはどんなアプローチで?

タノ:さっきと打って変わって、ギターとのユニゾンを弾くんですけど。これはわりと淡々と弾こうと思って、サビの開けるところでブーストするダイナミクス感を意識した。

岩渕:サビをリフでバーンと抜けてるね。

タノ:音も重くなりすぎないように歪みを強めにかけてます。ピック弾きです。

岩渕:杉森さんはどうでしょう?

杉森:確実に良くなってますね。8ビートだとのぺっとしちゃうんだけど、16ビートの部分がある事でパノラマパナマタウンのかっこいいところである自然と身体が踊れる部分が出てきてる。あと泥臭さが無くなって、UKロックっぽい響きになった感じがするね。

岩渕:2曲とも見えてきた感じするね。

杉森:正直言って、すごい良くて嬉しかった。俺のお気に入りのデモがカットされてるからシュンとしちゃったんだけど、残ってる2曲もいい感じでジャック大満足でーす(笑)。

岩渕:(笑) という事で、あっという間にお別れの時間なんですけども。楽しかったね。告知とかありますか?

杉森:ありまーす! THIS IS JAPANが7月29日にニューシングル『new world』をリリースします。これは今放映中のアニメ「ノー・ガンズ・ライフ」のエンディングテーマになっていて、配信も始まってます。皆さん是非チェックしてください。

岩渕:ありがとうございました! また、パノラマパナマタウンのオンラインライブ詳細決まりました。PPT Online Live「On the Road」、8月16日20時半オープン、21時開演。完全生配信ライブ。俺らの復帰ライブなので是非観てください。何度かリハも入ってるんですけど、かなりいい感じに仕上がってます。この企画で出来上がった新曲ももちろんやるし、新旧入り混じったセットリストになってます。お楽しみに!



岩渕:さて今週は#11。今週はギター界の回なんですけど、今週はもう1人ギター界の神を呼んでおります。

浪越:あの人は本当に上手いからなあ。

岩渕:それではお呼びしましょう、THIS IS JAPANのGt.小山さんです。

小山:こんばんは。

岩渕:小山さんと浪越はよく飲みに行ったりしてるんですよね?

小山:ちょいちょい行ってるよね。今のギターも一緒に買いに行ったし。

浪越:これピックアップ変えたんですよ。カスタムショップ製の19年のやつにしました。なかなかいいですよ。

小山:一緒に買いに行った時の浪越くん可愛かったんだよな。プライベートだと浪越くんあまり喋らないじゃん。買う時に悩んでて、「どうしましょう……。一回、ラーメン食べに行きますか」って言って(笑)。ラーメン食べに行って、「もう一回行きましょう」って言ってまた試奏して。

一同:(笑)

岩渕:そんな小山さんをお迎えしております。今回2曲のデモがあるんですけど、是非お聴きいただこうと思っております。先ずは「SHOVEL CAR」です。浪越が弾き倒してるな。

浪越:これはバイブスだけで弾いたって感じかな。そんだけやな。あとはベースとドラムがキメてくれてるところを、ギターでカカカっと合わせてるのが聴きどころですね。

岩渕:小山さんはいかがでしょう?

小山:めっちゃいいと思う、これ全編でワウ踏んでるよね?

浪越:いや、あれはファズなんですよ。サイドにちょっとコーラスかけたトラック入れてて。

小山:え! あれワウ踏んでないの? 揺れてる感じにも聴こえるけど。

浪越:真ん中のとこだけワウ踏んでるんですけど。

小山:めっちゃいいと思う。Ver.2聴いてる時に、俺だったらもっとサビでガツンといくんだろうなと思ってけど、浪越くんも行ってたから感覚同じだなって(笑)。結局、簡単な方がライブ中に楽しいじゃん。初期のTHIS IS JAPANも、曲がムズ過ぎてライブ楽しくなくて(笑)。最近は同じパターンも繰り返したりして、ライブ感も出しててやってる感じがいいと思ってて。

岩渕:確かに。簡単な曲の方がライブでバイブス出してますからね。

小山:しかも、簡単な曲って音に自信がないとできないんだよね。バンド始めたばかりの頃って、ここでこれやろうとか考えちゃうけど、音作りに自信つくと、これ何もしなくてもかっこいいんじゃない? って思ってシンプルになって組んだと思う。

浪越:めちゃくちゃ初期のバリバリ自信ある時か、ちゃんと音作れるようになってきた時のどちらかよな。

岩渕:なるほど。では次の曲も行きましょう、「Dogs」。浪越も楽しんで弾いてるんだろうなあって感じするな。

浪越:サビとか何も考えずに弾けるからな。「Dogs」は最初もっと野生っぽい犬にしようと思ったんだけど、鉄っぽい犬になったな。鋼鉄っぽいギター好きなんよ。「ロールプレイング」とかそういう感じの。

岩渕:インダストリアルな感じね。浪越の引き出しの一つにこのパターンあるよな。小山さんはどうですか?

小山:浪越君すげえなって思ったよ。さっきも言ったけど、ずっと同じリフで攻めるべきか、展開していくべきかっていうのはリードギタリストの悩みどころで。ずっと同じフレーズを弾いててもつまらないし、色々やり過ぎてもチャラい感じになっちゃうし。そのバランスをちゃんと見てるんだろうなっていう風に聴いてても思った。ベースとドラムはたぶんこのままで良いんだよね。それを飽きないようにするためにリードギターがいろいろやってくれてるから、ずっと楽しんで聴けるというか。

岩渕:小山さんだったら、どういうギターのアレンジ入れますか?

小山:俺(笑)? 長いなって思われながら同じフレーズ繰り返しちゃうかもしれないなあ。でもこれは良いバランスだと思った。

岩渕:コメントありがとうございました。本当に対バンやりましょうね。今回2曲とも完全に進化したんじゃないですかね。かなり色が明確になってきたんじゃないでしょうか。来週はボーカル入れver.完成編です。また来週お会いしましょう。



岩渕:今回は完成回です。1時間前に完成しました。浪越が今の今まで作業してたんですよね。

浪越:いやあ、ヒヤヒヤやったわ。

岩渕:もう無理かと思った(笑)。これ全部完成せんなと思ったけど、浪越が速攻でやってくれてなんとか出来上がりました。それでは今日のゲストを呼びましょう。PELICAN FANCLUBのVo.エンドウアンリ君です。

エンドウアンリ(以下、エンドウ):よろしくお願いします。楽しみにしてました。

岩渕:この番組を観ててくれたらしいね。

エンドウ:観てます。自分たちも楽曲制作とかしている中、友達がどんな楽曲制作をしているのかって非常に興味がある話なので。それを見れるっていうのは楽しみですよね。

岩渕:じゃあPPT Online Studioに言いたいことも溜まってる感じですか?

エンドウ:すごい溜まってますね(笑)。山ほどありますよ。

岩渕:ちなみに7月の最初にあげた4曲だったらどれが一番よかった?

エンドウ:「SHOVEL CAR」がダントツで良かった。自分は歌詞、言葉が入ってくるものを重視しているので、「SHOVEL CAR」はすごい自分の中にスッと入ってきた。

岩渕:では早速聴いてもらいましょうか。ちなみに「SHOVEL CAR」からタイトルが変わりまして、「Together Song」になりました。この曲なんですけど、本当に1時間前にできたんだよね。ここ2日間でいろいろな変更をして歌詞も書き直したりして、この放送の1時間前とかにギリギリ出来上がって浪越にミックスしてもらった。最初はタイトル「SHOVEL CAR」で歌詞を書いてたんだけど、言えることの範囲が狭くなっちゃって。「SHOVEL CAR」に真剣に向き合ったときに、俺は「SHOVEL CAR」と闘わないといけないんじゃないかなと思ったんだよね。「SHOVEL CAR」っていろいろな物を壊すものだし、多様性とか街のいろいろな物を守る側にいたいなと思って。それでタイトルを変えようと思った。「MOMO」とか「ガッフェ」みたいに思ってることをそのままポンと出した曲にしたいなと思った時に、自分に今言いたいことがあるとしたら、この世界の皆同じこと言い過ぎだなと思って。皆が本当に思ってるのかも分かんないし、皆同じことばかり言ってるってここ数カ月ずっと思ってた。何か一つのことがあれば、一つのことをずっと言ってるなって思っていたので、それを皮肉っぽく「Together Song」っていうタイトルにしました。

エンドウ:面白いですね。「Together Song」って歌う2回し目を「SHOVEL CAR」っていう歌詞にしても狂ってて面白いな、と思いました。でもこの曲は僕すごい好きで、何について言えばいいのか定まってないけど、一つ歌詞にフォーカスすると、歌っていることが単純で分かりやすかった。前回の「SHOVEL CAR」だと、人それぞれの捉え方の分岐があったんだよね。ただ、今回はまだ一回しか歌詞見れてないけど、ストレートすぎるとも僕は捉えました。少しふざけ要素とかサビで欲しいかな。歌詞の符割で、冒頭とAメロを16分で歌ってるあのテンポ感を、サビで16分にしても面白いかなって。今は白玉が目立ってるけど、16分にしたらフックになるかなって思いました。その緩急があったら、サビの歌い出しがグッとくるというか。あれを輝かせたらすごい良くなるんじゃないかと思いました。

岩渕:そうね。久しぶりにAメロBメロで語ってサビで抜ける曲をやったから、こういう曲って手癖でできるしオリジナルかなと思って。作ってみようとすると、案外作れないなっていう曲な気がする。

エンドウ:パノパナにとってはすごいオリジナリティのある方向性の楽曲だと思うのね。昔作ってた『SHINKAICHI』からの楽曲って、複雑さがすごいあったと思うんだよ。6月から上がってる楽曲って複雑さはないんだよね。楽曲の目的っていうのがちゃんと見えてる簡略化っていう意味でね。でも「Together Song」では、もっと複雑さを求めたいって客観的に思ったかな。

岩渕:何個ものジャンルが一緒になっていたっていうのが、昔の『SHINKAICHI』の頃にはあったかもな。

エンドウ:そう、そうだよね。それをすごい求めちゃうよね。

岩渕:賢くなっちゃったから、どのジャンルに寄せようっていうのができるようになったけど、逆に「Together Song」はいろいろなものが混ざってるのがいいっていうことなのかもなコードに対してあんなに語る曲とかあまりないし、サビのコーラスとかもジャンルレスな入れ方したから。

エンドウ:それはすごい伝わるかな。自分の中でも思い出話になるんだけど、パノパナとペリカンが出会って曲作りの話をした時に、「リバティーリバティー」を出したじゃない。その時に岩渕と話してて、めちゃくちゃハッとさせられたことがあって。「リバティーリバティー」って8小節ごとに曲の展開を変えてるって言ってたじゃん。それをテーマにしてるって言ってて、でもサビがすごいしっかりしてるから。どんなに展開があっても変わっても、すごいスカイツリーみたいにサビがとても目立ってんだよね。要素っていうものが重なって整ってる感じかな。8小節ごとに展開変えていくって、めちゃくちゃ複雑なことだと思うの。リフレインじゃない。それを整えるっていうのがパノパナの凶器で、整えたのが「フカンショウ」だと僕は思うのね。「フカンショウ」の中でレッチリっぽい展開があったりするし、後半は怒涛の展開。サビが来てBメロに戻る感じとか、捲し立てるものが「Together Song」にあったらキラーチューンの中のキラーチューン、アンセムになると思います。

岩渕:嬉しいな。でもそれって俺たちからしたらそんな難しく考えてなくて。スタジオやって面白い方向にどんどん変えていって展開つけてくみたいな。「フカンショウ」とか「リバティーリバティー」とかそうだったやん。あの感じって一番どこに転がるかわからんけど、一番直感に忠実というか。どうなるか分かんないけど、スタジオのまま行こうぜみたいな。それがエンドウくんが言ってくれたような事にもなるし、聴いてくれた人にも刺さるかなと思って。

エンドウ:今の時代、曲を作ろうと思えばパソコンで誰でも作れる時代じゃない。どこでもアップできてさ。その中でどれで個性出すかって言われたら、今日聴いた「Together Song」はそこが秀でてる部分、個性を出せるんだと思います。一曲だけでこんなに喋っちゃった。

岩渕:浪越はミックスどうだった?

浪越:岩渕から音声データ送られてきた時にさ、Aメロのラップというか早口みたいなやつが久しぶりに来てかっこいいなと思ったな。

エンドウ:かっこいいですよね。あまり言いたくないけどエモかったもん。

岩渕:続いて「Dogs」流しますね。「Dogs」は最初のデモから、サイケとかインダストリアルな感じが浪越のギターでどんどん増えていった感じだと思うんですけど。もともとあった気怠さが俺の思う「Dogs」感だったので、ボーカルはそこも意識したしそれが一番かっこいいと思って録ったんだけど。



エンドウ:歌詞がめちゃくちゃいいっすね。すごいまとまってるというか。

岩渕:歌詞は元々「俺はDog」以外書いてなかったんだけど、なかなか書けず今回はやばくて。色々なことがとっ散らかっちゃって、まとめにいった時に、すげえ犬みたい感じな自分を感じる時があって。じゃあなんで犬なんだろう? って掘り下げたら、賢いことから逃れられないこととか自分が「Dogs」って感じる瞬間がいっぱいあったんよ。詳しく話すと野暮やけど。それをまとめていこうと思って書いた詞ですね。

エンドウ:歌詞の表情が声色にすごい乗ってて、その上のギターもすごい良いですね。左で鳴ってるギターが岩渕ギター? これがめちゃくちゃかっこいい。それこそボーカルと同じ質感のギターサウンドっていう感じ。歌詞が分かるとこの曲はいいね。先週まで聴いてた時は、言いたいことのニュアンスだけ分かるって感じだった。ただ、せっかくここに来たので一言だけ言わせてもらうなら、この「Dogs」という楽曲もさっき言ったように優等生感が出てるなという感じ。なんでかと言うと、大枠としては気怠さというパッケージに収まってるんだよね。で、Bメロを「Together Song」みたいに16分の符割の捲し立てるように歌う感じだと、サビの「吠えろ」がすげえガン!と来るんじゃないかなと思った。そこで岩渕のボーカルの表現、アンニュイで気怠い感じで早口になったら、ボーカルの表現としてアイデンティティあるものになるんじゃないかなと。

岩渕:なるほど。

エンドウ:聴いててハッとさせられると思う。Bメロは何言ってるか分かんなくてもいいよ。言いたいことって俺はDogで吠えろでしょう? だったらBメロで遊んでいいんじゃないかな。ふざけた方がこの曲ってめちゃくちゃいいんじゃないかな。

岩渕:優等生っていうことで言うと、俺の中で捲し立てて歌う曲としっかり歌い上げる曲を分けてるところがあって。でもそうじゃなくて、もっと自由にBメロで捲し立ててみたりっていうのができたらいいかなって思った。

エンドウ:ギターももっと遊んでいいと思うんだよね。サビ終わりの音色が変わって半音ずつ下がるところ? あれはめちゃくちゃいい。後味すげえよかった。めちゃくちゃグッと来ましたよ。

浪越:あれは最後まで取っといた。

岩渕:いやあ、今日は話したね。

エンドウ:喋りすぎちゃってごめんね。これ10分程度にまとめるんでしょ? 思い出話だけにしといてよ(笑)。

岩渕:また今度ゆっくり飲みましょう。また対バンしたいよね。

エンドウ:そうだね。現状をステージ上からお互いに見せ合いたいなと思う。また対バンすることあると思うんで。

岩渕:ありがとうございました。

タノ:楽しかったな。

岩渕:楽しかった。なんかね、こんな曲作ろうって思ったしな。ライブで対バンした後の二次会でしんみり話すくらいの感じで話ができてよかったな。皆さんも長い間ありがとうございました。



ー今回のデモ4曲を用意するにあたって、その時影響を受けたり聴き込んでいた作品があれば教えてください。

岩渕:原点回帰というか、ゆらゆら帝国『3×3×3』NUMBER GIRL『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』などバンド始める前に聴いてたアルバムに影響を受けました。「Dogs」は「Sweet Jane」のルー・リードを意識して歌ってます。

ー今回は各回ともにゲストを招いてコメントをもらっていました。普段からもメンバー以外の人からの楽曲の制作やアレンジについてアドバイスをもらうことはありますか? あるとしたら、どういう人にどんなアドバイスを受けることが多いでしょうか?

岩渕:楽曲の制作や、作詞について相談することはあるけど、今回PPTOSに出演してもらった、エンンドウくんや、杉森さんなど、仲が良いバンドマンと話すことが多いです。PPTOSでやったような会話を居酒屋でやってたりするんで、今回の企画はちょっと気恥ずかしい部分もありました。

ー今回の2曲のミックスについて、特に意識されたり拘った部分、ポイントなどを教えてください。

浪越:いままでリリースしている曲は、いい意味で「聴きやすくてカッコいい」音像なのですが、このデモは「いなたさ」を一番意識しています。Dogsはボーカル含めザラッとした雰囲気で、Together Songは弾けて飛び出してしまいそうな音を目指しました。

ー音色について、エンドウさんは「Dogs」の左チャンネルの岩渕さんギターの音は岩渕さんの声質と同じ質感だと仰っていました。普段のレコーディングに当たっても、音作りについてはどういうアプローチで決められるのでしょうか?

浪越:楽器の、特にギターの音色は岩渕の声を活かせる質感にしたいと常に考えていますが、エンドウさんに声とギターの質感のことを言われてハッとしました。当然ですが、曲の良さが最もはえる質感を目指しています。

ーこれまで3ヶ月近くに渡り、楽曲制作の過程を見せながら合計6曲を仕上げてきました。PPT Online Studio以前の楽曲制作・アレンジのアプローチと比べて、変わってきた部分や気づいたことを教えてください。

岩渕:必ずしも音源化する訳じゃないけど、放送に向けてデモを持っていくというサイクルが毎月続いたので、いつもよりラフな曲作りができた気がします。なんの制約もないところで、音楽を作っていくのはとても刺激的で、バンド始めた頃のような興奮がありました。曲作りにおける悩みや、葛藤、後半はバンドマン同士の互いに思うことなど、普段は見せないような部分を曝け出してた分、曲のより深いところまで視聴者と共有できたように思います。曲でも歌詞でも、それが成り立つまでのストーリーを分かち合うことの必要性を感じました。




<リリース情報>



パノラマパナマタウン
ライブアルバム『Live at LIQUIDROOM 2020.1.19』

配信日:2020年6月17日(水)
各種主要配信サイトにて配信中
AppleMusic:https://music.apple.com/jp/album/id1516424627?app=music&ls=1
Spotify:http://open.spotify.com/album/5375Og8vno246TlDgZmyVB