「ル・マン24時間に挑むため必要なもの」第一には信頼できる車、第二には?

ポルシェの歴史に残るノルベルト・ジンガ―と現役のドライバー ティモ・デルンハントがル・マンでの記憶を語る。

ジンガー:「ル・マンとポルシェは常につながっています。ポルシェは1951年に初めてル・マンに参加しましたが、ポルシェの名が冠されてからまもないことです。フェルディト・ポルシェは、勝利したいと考えていてそれを実現しました」

ベルンハルト:「モータースポーツを始めたとき、ル・マンとポルシェの伝説はすでに生まれていました。あなたの世代はそれに大きく貢献しています。私にとって、ル・マンでポルシェを運転することは大きな目標のひとつでした。なぜなら、それはドライバーにとって最も難しいレースである24時間の勝負だからです。そして、公道のセクションはレーシングドライバーを本当の冒険に誘うのです」

ジンガー:「ル・マンは非常に長く、速い勝負なので、ポルシェの特徴にぴったりです。必要なものはさまざまです。まず、信頼できる車を用意する必要があります。これにより、24時間運転することができます。第二に、普通の速さで走ること。30位でいいというわけではないですが、14位で十分です。ル・マンでは、ポールポジションからスタートしてドライブし、勝つというグランプリの考えとは違います。一貫して安定した運転をし、ミスをしないようにする必要があります」

ベルンハルト:「はい、結局は走り切らなければ勝負は始まりません。ル・マンでポルシェを操り総合優勝するのが私の夢でした。そのため、2017年にスタートから3時間後に車がピットに戻ってしまったときはショックでした。しかし、56分後に再びレースを開始したとき、ブランドン・ハートレーが「車は大丈夫だ」といってラジオに耳を傾けていて、少し希望を持ちました。私たちはペースを上げていき、フィニッシュラインを越えたときは非常に感情的な瞬間でした。何も考えず、運転に集中し、とにかくそれだけに集中します。決して忘れない感情です」

ジンガー:「それは私たちエンジニアにとっても同じです。最高のレースは常に、問題なく走り、すべてが計画どおりに行われるものです。そして、それが長く続くほど、私はより緊張しました。何かトラブルが起きたらどうしようかと考えていました。2度勝つと、2倍嬉しいものですよね」

ベルンハルト:「もちろんです。ル・マンのドライバーとして、運転していないときでもレースに参加しています。つまり、実際に電源を切ったり、リラックスしたりする時間はありません。レースの後半では、ほとんど睡眠なしで何ができるか、よく分かりますよ。私にとってその場は驚きの連続でした」

ジンガー:「私たちはいつも午前6時に再び光が出てきたときを、魔女の時間と呼んでいました。その時間は最も集中力が低くなり、愚かな事故が発生したのです。ル・マンには、良い面も悪い面もあるのです。「さあ、この車で勝ちましょう」というだけでは、ル・マンに挑むことはできません。数え切れないほど、多くの事が関わっています。」

ベルンハルト:「ヴォルフガング・ポルシェ博士は、2014年、919の初登場について、"すべての準備は行いましたが、運が必要です!"といいました。2014年には、エンジン故障でリタイアとなってしまいました。私は常に、結果をすべて受け入れることを心がけています」