アフターコロナを意識した「戸建て」スタイル、住宅メーカーの新アイデアを紹介!

一戸建ては、マンションに比べてコロナ対策をとりやすいというメリットがあります。マンションと違って家族以外の人と接触する機会が少なく、住まいの中の風通しもよく、全般的に住宅面積も広いので、在宅勤務のためのワークスペースを確保しやすくなっています。そのため、一戸建てを希望する人が増えているともいわれ、そこに向けて新商品を投入する住宅メーカーが増えています。

仕切りのない大空間、アフターコロナのライフスタイルに対応

積水ハウスは、2020年8月から、「ファミリー スイート おうちプレミアム」を、沖縄県を除く全国で発売しています。コンセプトは、「アフターコロナのライフスタイルに対応した新コンセプトモデル」で、仕切りのない大空間を確保、イラストにあるように「在宅ワーク」「おうちでフィットネス」「うちdeバル」などを設けることが可能になっています。



たとえば、「おうちでフィットネス」は、アシックスと共同研究開発したシステムで、老若男女誰でも取り組みやすく、1日5分から始められ、限られたスペースでもOKです。外部のスポーツジムには出かけにくい時代ですが、この「おうちでフィットネス」なら、思い立ったときにいつでも、人目を気にせずにできるので、ウィズコロナだけではなく、ポストコロナにも続けられそうです。

また、「うちdeバル」は、つまみをつくったりして夫婦でお酒を一緒に楽しむための空間です。ホテルのバーのような落ち着いた空間にしたり、あるいは居酒屋のような馴染みやすい空間にするなど、自由に設計できます。

こうした住まいをつくるには、何度も出かけて長時間にわたる打ち合わせが必要ですが、積水ハウスでは「おうちで幸せプランニング」という、自宅で間取りをシミュレーションしながら,担当者に相談できるシステムを用意しているので、外出しにくいウィズコロナ時代の住まいづくりにマッチしそうです。

参考:積水ハウスニュースリリース

外出せず、家の中で何でもできる仕組みをつくり上げる

大和ハウス工業は、神奈川県藤沢市で開発中の住宅団地、「セキュレアシティ藤沢 翼の丘」内に、「コンセプトハウス」を設置して、ニューノーマル時代にふさわしい住まいづくりの実験を行っています。ここでの成果が、次の商品づくりに反映されることになるのでしょう。

このコンセプトハウスでは、簡単に外出できないコロナ禍の環境に対応して、家にいながらにして仕事、教育、買物、運動など様々なことをこなせるような仕組みづくりを行っています。

たとえば、コンセプトハウスの壁には、2台のプロジェクターを使用した大画面と、インターネットを通じて人と人がつながるIoT空間「アルファリウム」が設けられています。タテ200センチメートル、ヨコ250センチメートルの大画面で、シアター機能に通信機能が備えられ、その場にいるようなコミュニケーションが可能になります。在宅勤務のテレワークはもとより、インストラクターの指導を受けながらのフィットネスも可能で、将来的には遠隔医療なども実現できるのではないかとしています。家の中で様々なことが可能になり、外出することによる感染リスクを回避できます。

また、ダイニングに設置された「アルファボード」では、住居内のIoT機器や電力の使用状況を表示できます。カレンダーやホワイトボード機能も備えているため、家族間のコミュニケーションの活性化にもつながります。

参考:大和ハウス工業ニュースリリース

ウイルスを住まいの入口でシャットアウトする

大手だけではありません、中堅どころでも意欲的なところが多く、たとえばアキュラホームではウィズコロナ時代の「新生活様式」を盛り込んだモデルハウスを発表しています。最大の特徴は、玄関周りに様々な機能を盛り込んで、住まいの入口でウイルスをシャットアウトしようとする点にあります。


まず、玄関ドアは接触感染リスクを極力低減する仕様で、玄関土間に手洗い場を設けているので、帰宅時にはどこにも手を触れずに手洗い、うがいなどが可能になります。

バキュームシステムにより、衣服や鞄などについたPM2.5、花粉、粉塵などを吸い取って屋外に排出します。また、「オゾン発生器」を、わが国での住宅提案としては初めて設置しました。オゾンは奈良県立医科大学が発表した資料によると、オゾン除菌によって新型コロナウイルスを不活化できることを世界で初めて確認しているそうです。さらに、宅配ボックスも標準化することで、人と人との接触を低減します。

このように、玄関周りを除菌エリアとした上で、そこから洗面・脱衣所に向かうことができる動線になっているので、居室に入ることなく入浴したり、シャワーを浴びたりできます。
そのほか、可動間仕切り収納を動かすことで在宅勤務に必要なワークスペースを確保するなど、ウィズコロナ時代にふさわしい様々な工夫が行われています。

参考:アキュラホームニュースリリース

「カスタムメイドシステム」でコロナ対策を進める

野村不動産が東京都三鷹市で開発を進めている建売住宅の「プラウドシーズン三鷹エアステージ」。建売住宅ですが、プランの選択、外部・内装仕様のセレクト、カラーセレクトなど,一部オーダーメイドが可能な「カスタムメイドシステム」を採用しています。そのカスタムメイドのプランとして、コロナ禍への対応が進んでいるのが大きな特徴です。

コロナ禍で在宅勤務が増えてきたことにより、ワークスペースを確保したいという人が増えていますが、リビングに書斎コーナーを設けて、コンセントなどの移設・増設が可能です。2階などに、より仕事に集中するために独立したスペースを設けることもできます。仕事だけでなく、書斎、趣味の部屋など、汎用性の高い空間になります。

また、ウイルス対策としては、タッチレスのセンサー型の水栓を選択すれば、直接蛇口に触れることなく水を出したり止めたりできるようになりますし、玄関周りに手洗いスペースを設けることも可能。居室に入る前に手洗い、うがいができるので安心です。

さらに、ウイルス、PM2.5、花粉などに効果があるといわれるナノイー発生器を、寝室やクローゼットなどの天井に埋め込み型で設置できるプランなども用意しています。

建売住宅でも標準仕様で対策を進める物件が増えていますし、オプションやカスタムメイドでの対応など、コロナ対策が進化しています。

参考:野村不動産ニュースリリース

アフターコロナも見越した選択が大切になってくる

以上のように、コロナ対策が充実した住まいが増えていますが、今後、ワクチンや治療法が確立されて、アフターコロナになったとき、どこまでウイルスを気にした生活を続けなければならないのか、在宅ワークは継続されるのかなども見据えて選択することが大切になってきます。

たとえば、ワークスペースにしても、出社がふつうになったときには、書斎や趣味の部屋などに転用できるような、汎用性の高いプランがいいのかもしれません。勤務先の在宅勤務への姿勢なども考慮しながら、後悔のない選択ができるようにしていただきたいところです。

執筆者:山下 和之