どんなに我が子が可愛くとも、どうしてもたまる育児ストレス。みなさんはどう付き合っていますか?

本稿では、2児の母で現役の保育士でもある筆者が、保育士だからこそできている育児ストレス回避の方法とワーママとしての解消の方法を考えてみました。少しでもお役に立ちますように。

  • 育児ストレスは毎日解消! 保育士ワーママ、育児の工夫とストレス発散法

育児ストレスの原因は何?

「育児ストレス」と一言で表しますが、思い当たる原因はいくつかありますよね。筆者は保育士とワーママ両方の経験から、育児ストレスの原因は主に3つあると考えています。

1.予測不可能な子どもと接する中で起こるイライラ

部屋を片付けない、おしゃべりに夢中でご飯がなかなか進まない、お風呂上がりに服を着ずに走り回る……子どもの行動や発言は、大人からすると「えーー! 」と思うことの連続です。

その度に対応を求められ、一つひとつは些細なことのように見えるものの、少しずつ積み重なるとイライラが募ります。特にワンオペ育児だと共有する人がおらず、よりストレスの原因に。

2.子どもがいることで増え続けるタスクの管理と対処

保育園の連絡帳を記入して、翌日の準備をして、予防接種や検診をスケジューリングして、洗濯して……。ただでさえ時間のないワーママですが、子どもの成長や兄弟が増えるに合わせてどんどんタスクは増え続けます。

その増えたタスクをどう管理するか、今の生活の中のどこにフィットさせるか、家族でどう分担するかなどマルチタスクのスキルが問われます。

夫や周りとコミュニケーションを取りながら進めるべきなのはわかっていても、それ自体がストレスになったり、目の前のことにいっぱいいっぱいで時間がなく結局自分がすることになったりと、タスクが増えることを原因としたストレスは思った以上に多いです。

常日頃人の命を守り続けるプレッシャー

保育士と母が大きく違うのは、業務時間が区切られているかどうかです。保育士は仕事が終わったらプライベートの時間がありますが、母にはそんなものはありません。

仕事中でも保育園からの呼び出し電話がかかってくれば、一瞬で母の顔になりますから、どんなときも完全に「母」を離れることはできません。「子どものことはすべて親の責任」という世の中の風潮もあります。24時間365日、子どもを生き延びさせることへのプレッシャーを感じ続けていることは、育児ストレスの最たるものです。

ストレスを回避せよ! 保育士ならではの育児の工夫

母になってから「保育士でよかった! 」と思うことの一つが、「事前にストレスを回避するスキル」を少し多く持っていることです。特に、先述したストレス原因の1(予測不可能な子どもと接する中で起こるイライラ)、2(子どもがいることで増え続けるタスクの管理と対処)に関しては、ちょっとした育児の工夫で軽減することができています。その工夫をご紹介していきます。

工夫その1 : 子どもがぐずったら三歩離れて深呼吸

「保育士として子どもと接するとき」と「母として子どもと接するとき」だと、圧倒的に「母として接するとき」のほうが子どもにイライラする回数が多いです。これは多くの保育士母に共感してもらえるのではないかと思いますが、やはり自分の子どもとなると冷静さを欠いてしまいがちです。

だから「三歩離れて深呼吸」して、客観的に子どもを観察。ぐずる原因が見つかったり、優しく対応できたりするかもしれません。

工夫その2 : 子どもの発達のステージを理解する

「最近ずっと〇〇でイライラする! 」と思ったら、それは発達のステージかもしれません。保育士は子どもの成長発達の知識から「こだわる時期が始まったな」「そろそろ終わるかな」と目安を持って接しています。

一見謎に見える行動であっても、知識があれば冷静に対処できることも多いのです。1冊、成長発達に関する本を見つけて、気になったら照らし合わせるようにすると「今はこんな時期なんだな」と客観的に見ることができるので、おすすめです。

工夫その3 : なるべく誰かに一緒にいてもらう

保育士は、チームで子どもの良いところ困ったことを共有できることため、ストレス回避がしやすい、という点があります。保育士は保育中一人になることがまずありません。イライラのタネがあっても話すことで解消できます。

一方で、ママのワンオペだと大人と話すことがなくて、どうしてもイライラを溜め込んでしまいます。平日はパートナーがいないことが多いと思うのですが、ママ友や実家の親など、週に一回でもいいから誰かに一緒にいてもらうことがストレス回避につながります。

工夫その4 : 子どもが自分で出来るようにしてタスクを分散する

どんどん増えていくタスクを自分だけでカバーするのは至難の技。夫と分担するのはもちろん、子どもにタスクを分散していくことをおすすめします。

保育園のおしたく、洗濯物を出す、食事の下膳をお願いする……毎日必ずしもやってくれなくても、日々積み重ねて行くことで子どもたちの「当たり前」になっていきます。子どもの自立も促せて一石二鳥です。ポイントは、子どもが自分でできる環境づくり。手の届く棚を用意したり、簡単なものからお願いをしたり、少しずつタスクを分散していくことで、ストレスを回避しましょう。

――以上、工夫の方法についてまとめましたが、工夫を意識したって、忘れることもあれば、うまくいかないこともたくさんあります。筆者自身、1日に1回は息子たちとバトルしています。子育てストレス、手強いです。

育児ストレスは毎日解消! ストレス発散1週間スケジュール

いくら工夫したって回避できないストレスもたくさんあります。そうなったら、溜めないように解消するしかない! ということで、私自身はストレスを次の日に持ち込まないことを目標にしています。

ここでは、ワーママ的ストレス解消法を1週間のスケジュール形式でご紹介します。

月曜日 : 週の初め、朝一番はラジオ体操でスタート
朝のラジオ体操は体も心もすっきり、いい1週間のスタートを切れます。ラジオ体操などのリズム運動はストレスを解消に導くセロトニンの分泌を促します。子どもと一緒に朝から体を動かしてみては?

火曜日 : 昼休憩、おいしいランチを食べに行く
気分転換もかねて、子どもが一緒にいたら食べられないランチを食べに行きます。「ご褒美ランチ」でストレス解消! ちなみに、甘いものは血糖値の乱高下を招き、逆にストレスを助長すると言われているのでご注意を。

水曜日 : ママ友と一緒に夕飯! たくさん話して週後半へモチベーションアップ
ママ友と一緒に食事を取ることは、情緒的サポートになります。誰かと一緒にいることで、子どもばかりに目がいかずイライラしにくい環境を作ることができますよ!

木曜日 : 夕方帰ってから、大人をやめて外で遊ぶ!
「子どもに付き合っている」と思うと、家事が気になったりしてイライラしがちです。夕飯を作り置きしておいて、週に一回はとことん遊んでストレス発散! 子どもも母と遊べて大満足です。

金曜日 : フライデーナイト! 寝かしつけ後にリラックスタイム
好きなものを飲んだり食べたりしながら、好きな音楽をかけたり、好きな映画をみたり……。子どもに邪魔されずに自分が好きなことをする時間を持ってストレス解消しましょう。

土曜日 : 子どもは相方にお願い! 完全に子どもと離れた自由時間を持つ
24時間365日の子育てのプレッシャーから逃れるために「完全な自由時間」を意図的に確保することも大事です。友だちと出かけたり、一人でぼーっとカフェに行ったり。たった1時間であっても、日々のプレッシャーから解放されることの効果は大きいのです。

日曜日 : 自然に触れてリラックス
森林浴の効果はいろいろなところで指摘されています。自然の多い場所へ遊びに行くのは、子どもの自然体験としてもバッチリ。さらに、母はもちろん、子どもも夫も家族全員のストレス解消にもつながります。筆者は登山やキャンプに行きますが、近くの公園でもリラックス効果があると言われています。ぜひ試してみてください。

育児にストレスはつきもの。自分をご機嫌にして乗り切ろう

子育てをしていると、ストレスと無縁でいるのはどんなに工夫をしても難しいと思います。

子どもにとっては親が笑顔でいることが一番の情緒安定につながります。自分をご機嫌に保つことで、結果的に日々のイライラを減らしてくれるはず。毎日少しずつストレス解消をしながら、育児を楽しく乗り切りましょう!