前回の「五輪特需が蒸発しても大画面テレビが売れるワケ」に引き続き、エディオン モザイクモール港北店でデジタル一眼カメラの売れ筋を取材しました。

旅行や行楽、イベントなど屋外で使うことの多いデジタルカメラは、新型コロナウイルス感染症の影響で売れ行きを落としたジャンルのひとつと言われていますが、同店スタッフの金田裕之氏は「自宅や近所で家族やペットの様子を撮りたいということで、簡単かつ高性能なカメラを求める人が多い印象を受けます」といいます。外出自粛の傾向が続くなか、日常の楽しみを増やしたいというニーズが徐々に増しているのかもしれません。

  • エディオン モザイクモール港北店のデジタルカメラ売り場。前回に続き、金田裕之氏にナビゲートしてもらった

そうしたなか、現在の売れ筋のトレンドは二分しています。入門クラスを中心に、手軽さと高画質さを重視で一眼レフカメラを求める動きと、コンパクトさを重視してミラーレスを選ぶ動きです。次のトレンド3箇条を踏まえて、最近の売れ筋トップ5を見ていきましょう。

  • 液晶モニターのアングル変更など、撮影時や再生時の自由度の高い機種が人気
  • マスクを付けていても被写体にピントが合いやすい瞳AFや、室内でもきれいに撮れる高感度モデルが好調
  • 店頭では、タッチパネル操作のレスポンスや、編集機能の自由度の高さも確認したい

※本文と写真で掲載している価格は、2020年8月5日16:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:上級者も満足できる軽量ミラーレス「EOS M6 Mark II」

一番人気は、キヤノンのAPS-Cミラーレス「EOS M6 Mark II」でした。本体重量約408g(バッテリーとメモリカード含む、以下同)の軽量ボディとタッチ操作できるバリアングル液晶モニターを備え、最高約14コマ/秒の連写性能も使えます。税込み価格は、レンズ2本付きのダブルズームキットで152,500円でした。

「全体としては一眼レフよりもミラーレスのほうが売れていますが、そのなかでも簡単に操作できてコンパクトなEOS M6 Mark IIを選ぶ方が多いですね。連写性能が優れていてカスタム性も高いので、ご家族のなかでサッと使いたい方といろいろいじりたい方がいても、どちらも満足できると思います」

  • キヤノン「EOS M6 Mark II」

第2位:瞳AFの精度の高さが人気の「α6400」

続く2位には、ソニーのAPS-Cミラーレス「α6400」がランクインしています。被写体の瞳にピントを合わせる「瞳AF」機能が、旧型のα6300から向上。ボディの重量も約403gと軽く、ペットなどのよく動く被写体を撮りたい人から支持を集めているそうです。取材時の税込み価格は、レンズ2本付きのダブルズームレンズキットで130,000円となります。

「よく動く被写体はタッチフォーカスだと追いつかないので、高精度でオートフォーカスが効くことが好まれていますね。α6400はAF速度が0.02秒と世界最高をうたう速さなので、実力は折り紙付きです」

  • ソニー「α6400」

第3位:一眼レフ入門機の定番「EOS Kiss X10」

3位は、一眼レフ入門機として定評のあるシリーズの最新作「EOS Kiss X10」です。APS-Cサイズのセンサーを搭載し、最高約5コマ/秒の連写が可能。本体重量はホワイトモデルが約451gで、ブラックとシルバーは約449gとなります。取材時の税込み価格は、レンズ2本付きのダブルズームキットで105,000円でした。

「一眼レフ入門機の定番ですね。軽量コンパクトで、液晶モニターのナビゲート機能によって、動的に好みの撮影に導いてくれるので、使いこなしが楽にできます。撮影アングルの自由度が高いので、ローアングルでもしっかり撮影できますよ」

  • キヤノン「EOS Kiss X10」

第4位:軽量コンパクトを追求したミラーレス「EOS Kiss M」

4位は再びミラーレスで、キヤノンの「EOS Kiss M」が入りました。本体重量が約387gと軽く、最速約10コマ/秒の連写が可能です。センサーはAPS-Cサイズ。取材時の税込み価格は、レンズ2本付きのダブルズームキットが103,950円でした。

「ミラーレスのなかでも、小ささと軽さを追求する方に選ばれていますね。スナップショットを撮るのに向いていて、液晶モニターのアングルも自由度が高くて好評です」

  • キヤノン「EOS Kiss M」

第5位:小型でWi-Fiも使える一眼レフ「D5600」

一眼レフではEOS Kiss X10に続く人気のニコン「D5600」が総合第5位となりました。APS-Cサイズのセンサーを搭載し、本体重量は約465g。最速約5コマ/秒の連写が可能です。取材時の税込み価格は、レンズ2本付きのダブルズームキットで82,800円でした。

「ニコンはボディが大きめのモデルが多いのですが、D5600はかなりコンパクトですね。加えて、エントリークラスでもWi-Fiが使えるようになったということで、指名買いされる方が多くいらっしゃいます。最高ISO感度が25600と高く、室内や暗い場所での撮影に強いのも心強いですね」

  • ニコン「D5600」

はみ出し情報…2万~3万円のコンデジ需要も伸びている

デジタルカメラでちょっと気になるトレンドとして、「2万~3万円のコンパクトデジカメの問い合わせが伸びている」という動きがあるそうです。「長期的に見ると縮小傾向にあるカテゴリーですが、お手軽でコンパクトなカメラはコンスタントに売れていますね」とのこと。

25倍ズームレンズを搭載するキヤノンの2020万画素モデル「PowerShot SX620 HS」は、在庫処分特価で税込み24, 500円となっていました。

  • キヤノン「PowerShot SX620 HS」