市場調査会社である米IC Insightsは、集積回路売上高予測(年央版)を発表した、2020年のマイクロコントローラ(マイコン)市場は、前年比8%減の149億ドルにとどまるとの見通しを明らかにした。

マイコン市場は2018年に過去最高となる176億ドルを記録したが、2019年に同7%減、そして2020年も同8%減と2年連続のマイナス成長になりそうである。自動車、産業用および商用機器、家庭用電化製品など、さまざまな組込機器で幅広く使用されているが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を背景に、主要なIC製品カテゴリの中でもっとも低調な状況となっている。

2021年以降はプラス成長の見通し

IC Insightsの予測によれば、2021年のマイコン市場はこれまでのリバウンドで市場規模は同5%増の157億ドルへ、出荷数量も2018年の同9%増から2019年には同9%減へとマイナス成長に転じ、2020年も同8%減の約235億個へと減少した後、2021年は同6%増の約249億個へと再びプラスに転じ、2022年も同8%増、2023年も同10%増と成長が続くことが見込まれている。

新型コロナウイルスのパンデミックにより、消費者、学校、企業によるインターネット利用の増加からコンピュータ関連製品の需要は高まりを見せたが、これらのシステムは2020年のマイコン市場の4%を占めるに過ぎないと同社では予想している。2020年の主なマイコン市場は自動車向けが全体の40%(約60億ドル)、産業機器向けが同29%(約43億ドル)とみられており、これらの市場の不振からの脱却が今後のマイコン市場の成長の鍵を握ることになりそうである。

  • IC Insights

    マイコンの出荷額、出荷数、および平均販売価格の推移と今後の予測 (出所:IC Insights)