Webマーケティングにおいて欠かせない「Facebook広告」。Facebook広告はFacebookとInstagramへ広告を出稿できることに加え、静止画・動画での広告や、ECサービスに特化したフォーマットでの広告など、さまざまな種類の広告手法があり、ターゲットにリーチしやすいWebマーケティングツールです。

Facebook広告で効果を上げるためには、商材やターゲットなど目的に合った広告を出稿することが大切です。本稿では、Facebook広告を出稿する際に知っておきたい、Facebook広告の「種類」や「特徴」などについて、説明します。

Facebook広告をおさらい

  • スマートフォンのホーム画面

    そもそも「Facebook広告」って?

Facebookの特徴

Facebookは、世界で約26億人以上が利用する世界最大のユーザーを有するSNSです。国内ユーザーは約2,600万人で、主要4大SNSのなかでもユーザーの年齢層が比較的高めであることが特徴です。

【主要SNSの年齢別国内ユーザー数】

SNS名称 Facebook Instagram Twitter LINE
ユーザー数 2,600万人
(2019年12月)
3,300万人
(2019年12月)
4,500万人
(2017年以降発表なし)
8,300万人
(2019年12月)
年齢別利用率
(2018年時点)
10代 18.6% 30.7% 61.4% 79.3%
20代 54.8% 45.2% 59.9% 96.3%
30代 51.7% 30.3% 30.0% 90.3%
40代 34.5% 16.0% 20.8% 74.1%
50代 23.5% 12.3% 14.2% 53.8%
60代 10.6% 1.3% 4.6% 23.8%

(参照)

Facebookユーザーのボリュームゾーンは20代~40代で、ビジネスでの利用やつながりが多いことが特徴です。またFacebookはTwitterのように匿名性や文字数制限がなく、実名で写真や動画と合わせた自由な投稿が可能で、「ページインサイト」という解析ツールで投稿に対するユーザーの反応を確認することができます。そのためブランディングや商品PR、ユーザーとのコミュニケーションなど幅広いデジタルマーケティングに活用しやすいSNSと言えるでしょう。

そのほかTwitterやInstagram・LINEとは異なり、Facebookは「フォローしている友達の友達」の情報までタイムラインに流れてくるため、非常に拡散力が高い媒体だとも言えるでしょう。

Facebook広告のメリット

拡散性の高い世界最大のプラットフォームであり、ビジネスユーザーが多いFacebookはマーケティング的にも魅力的なSNSですが、それ以外にもFacebook広告を活用するメリットがあります。

Facebook広告の主なメリットをみていきましょう。

メリット1.実名制によるターゲティング精度の高さ

Facebook広告では、実名による性別・年代・地域、興味・関心など、細かい条件設定で精度の高いターゲティングが可能です。Facebookでは広告ターゲットを「オーディエンス」とよんでいます。

Facebookの設定可能なオーディエンス

コアオーディエンス 地域・年齢・性別・学歴・職歴・興味・関心など、個人の基本情報に基づくオーディエンス
カスタムオーディエンス 自社の顧客データ(メールアドレスや電話番号など)とFacebookのユーザーデータをマッチングさせたオーディエンス
類似オーディエンス カスタムオーディエンスや、Facebookページに「いいね!」しているユーザーなどの類似オーディエンス

広告出稿前に細かいターゲット設定ができるため、目的に合ったターゲットに広告を展開しやすいというメリットがあります。

メリット2.デバイスに左右されない「人ベース」のトラッキング

従来のWeb広告におけるユーザーの行動履歴はcookieによるトラッキングが主流でしたが、パソコンとスマホ・タブレットなど複数デバイスを前提とした場合、cookieではトラッキングすることができません。

ログイン状態前提で利用するFacebook広告は、「FacebookユーザーID」によりトラッキングされています。そのため複数デバイスをまたぐ場合でも、ユーザーIDをベースとした「人」ベースの計測が可能となり、ユーザーの行動をより正確にとらえられるというメリットがあります。

メリット3.目的に応じた複数の魅力的な広告フォーマット

画像・動画・スライドショーのほか、1つの広告で最大10件の画像や動画にそれぞれリンクを貼ることができるカルーセル、モバイル上でタップをするとフルスクリーン表示されるインスタントエクスペリエンスなど、さまざまなフォーマットや素材が用意されています。広告目的に合ったフォーマットで最適化して広告配信ができるメリットがあります。

メリット4.あらゆる目的のプロモーションに利用が可能

FacebookやInstagramなどのSNSは主に隙間時間に細切れに利用される傾向があり、1日複数回のユーザーアクセスが期待できるため、ユーザーに対しあらゆるタイミングで訴求できます。

そのため「ブランディング」「認知」「購買」といった、さまざまな目的のプロモーションに利用が可能というメリットがあります。

TLだけじゃない! Facebook広告の配信先

Facebook広告はFacebookのTL(タイムライン)以外にも表示させることができ、主に次の4つの掲載先に配置できます。

  • Facebook (フェイスブック)
  • Messenger (メッセンジャー)
  • Instagram (インスタグラム)
  • Audience Network (オーディエンスネットワーク)

このうち、特に勢いがあるInstagramは月間アクティブユーザー数が2019年12月時点で3,300万人になるなど、本家(Facebook)をしのぐ勢いでユーザー数が伸びております。これら(FacebookとInstagram)を横断して、広告を最適化できることがFacebook広告の魅力のひとつです。

またAudience Networkとは、Facebookの審査を通過したFacebookとは別のアプリやサイトで配信される広告です。広告配信先の例として、動画SNSのTikTok(ティックトック)やマッチングアプリのティンダー(Tinder)、ニュースアプリのGunosy や乗換案内のジョルダン、飲食店情報サイトの食べログなど多数の有力アプリ・サイトが挙げられます。

いくらから運用できる?

Facebook広告は100円から運用が可能で、基本的には下記の2つの課金方法があります。

【Facebook広告の課金方法】

インプレッション課金(CPM配信) クリックされなくても、広告が1,000回表示されるごとに課金
クリック課金(CPC配信) リスティング同様、クリックのたびに課金

なお、ターゲティングの精度が高いFacebook広告は、広告配信の目的達成のためキャンペーン作成時に選択した「広告の目的」に伴い、「広告配信への最適化」を設定することも可能です。

例えば、動画広告の場合には「動画の2秒以上の継続的な再生」や「いいね!」のリアクションを増やすための配信設定などもできます。

  • 「いいね」を押す男性

    「100円」という小さな値段でもスタートできることが特徴です

Facebook広告の種類

次は、Facebook広告の種類について説明します。

バナー(画像)広告

画像1枚とテキストがメインの一般的な広告です。ユーザーは文字より写真の方を先に見る傾向にあるため、画像を工夫する必要があります。広告用に高度な加工を行なってる画像はもちろん、それ以外の画像でも成果が出ているアカウントも多く、Facebook広告初心者でも作成しやすいフォーマットです。画像内のテキストの割合が20% 以上だと配信が出なくなる/出にくくなる、といったルールがあるため、注意しましょう。

【成功事例】DAZN

動画広告

画像の代わりに動画を使用した広告です。自動で動画が再生されるためユーザーの目に留まりやすく、画像よりもユーザーに伝えられる情報量が増えストーリーやメッセージ性が高まるというメリットがあります。

【成功事例】パナソニック

カルーセル広告

1つの広告に最大10件の画像や動画を掲載でき、それぞれの画像や動画から見出しを作成したり、リンクを貼ったりすることができます。複数の商材を一度に訴求する、複数の利用シーンなどを紹介したいときなどに活用できるほか、4コマ漫画のようにストーリー性を持たせることもできます。

【成功事例】GANMA!

スライドショー広告

3~10枚の画像をスライドショー形式で配信する広告です。動画に比べて容量が軽いため、読み込みスピードが速いというメリットがあります。また動画であれば自分で素材を用意することが難しい場合もありますが、複数の画像であれば自分で用意ができるので、動画広告よりも手軽に配信することができます。表示される画像の順番の入れ替えも簡単にできます。

【成功事例】キリンビバレッジ

キャンバス広告

Facebookアプリの中で広告をクリックすると画像や動画がフルスクリーンとなり、広告を1枚のランディングページのようにユーザーに見せることができる広告で、スマホ専用のフォーマットです。外部のランディングページやWebサイトへリンクさせるよりも読み込みスピードが速いため、ユーザーの離脱防止効果があります。既存のテンプレートから作成することも可能です。

【成功事例】ロレアルオーストラリア&ニュージーランド

ダイナミック広告

ユーザーの閲覧履歴に基づいて嗜好に沿った商品を表示させる広告で、見た目はカルーセル広告と似ています。ECサイトなどのリマーケティング機能のほか、サイトを未訪問のユーザーも、関連性の高いユーザーを判別しアプローチすることが可能です。製品カタログの作成が必要です。

【成功事例】Brava Fabrics

リード獲得広告

ユーザーのメールアドレスや電話番号など、リストを集めたい場合に活用する広告です。外部リンクさせずに集めたい情報を入力させます。Facebook上に登録されている情報であれば自動入力されるので、ユーザーの入力の手間を削減し、必要な情報を集めやすいというメリットがあります。セミナーの申し込みやメルマガの集客などにも有効です。

【成功事例】ユビレジ

クーポン広告

その名の通り、店舗への誘導を促進する目的でクーポンを配信する広告です。広告をクリックするとクーポンが発行され、実店舗への来店時に提示するクーポンや、ECサイトのオンラインクーポンとしても活用することができます。

【クーポン広告】

イベント広告

イベントを認知させたいときに使う広告で、事前に作成したイベントページを利用し、広告として配信します。ユーザーは「参加予定」「興味あり」のアクションを行うので、イベントに興味を持っているユーザーの人数や傾向のデータを収集することが可能です。

【成功事例】AdHoc Presents

目的に合った種類のFacebook広告で効果を上げよう!

  • Facebook広告を学ぶ男性

    Facebook広告を使いこなして、ビジネスをグロースさせましょう

Facebook広告は自分で予算を設定することができ、実名に基づく細かいターゲティングで効果的に広告配信が可能です。Facebook広告にはさまざまな種類があるため、ターゲットや目的、商材に合った広告を配信していきましょう。

またFacebook広告では、「Facebook広告ライブラリ」から、掲載中の広告を検索して見ることができるので、ぜひ参考にしてみてください。