中古車販売事業などを展開するIDOM(旧ガリバーインターナショナル)が「0円カーレント」というサービスを開始した。正確にいえば、同サービスは2020年3月にいったん始まっていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となっていたため、今回はサービスの再開である。3泊4日までであれば、ポルシェやBMWなどの高級車を含めクルマがタダで使える「0円カーレント」というサービスだが、なぜIDOMは同事業を始めることにしたのだろうか。

  • IDOMが東京・丸の内にオープンした期間限定店舗「マイカー・トライアル東京ストア」

    IDOMが東京・丸の内にオープンした期間限定店舗「マイカー・トライアル東京ストア」

マイカー体験を気軽に

IDOMは月額制でクルマを乗り換えられるサブスクリプションサービスを展開する「NOREL」を運営しているが、同サービスの敷居を下げるべく「マイカー・トライアル」という取り組みを始めた。NORELの契約が最短90日間からであるのに対し、最短30日間からクルマを使えるのがマイカー・トライアルの特徴だ。そこからさらにマイカー体験の敷居を下げたのが、今回の「0円カーレント」である。

今回の「0円カーレント」は、NORELが三菱地所と組んで始めた取り組みだ。トライアルを始めた理由は「都心で働くクルマ非所有ワーカーに、マイカーのある生活を体験してもらいたい」から。両社は東京・丸の内に期間限定店舗「マイカー・トライアル東京ストア」(2020年9月16日まで)をオープンし、そこを拠点にトライアルを実施する。

0円カーレントを利用する場合、まずはストアを訪れるか公式LINEを友達登録する。それから乗りたいクルマと利用日を決め、利用開始日にストアでクルマを借り出す。選べるクルマはいろいろだが、例えばBMW「320 i」やポルシェ「マカン」などの計50モデルから選べるという。0円というだけあって借りるのにお金はかからないが、クルマを受け取る際には保証金として3万円を預ける必要がある。利用期間中の駐車場代とガソリン代は利用者負担だ。

  • 0円カーレントのクルマ

    クルマはIDOMグループで所有しているものやディーラーから借りたものを使用。三菱地所と協業して遊休駐車場を活用することで、都心にクルマをプールしておくことが可能となった。車種はポルシェ「マカン」(写真は参考、「マカンS」というモデル)やBMW「320 i」といった高級車から、トヨタ自動車「ヴォクシー」やホンダ「N-BOX」などまで幅広い

IDOMとしては、気軽にマイカーのある暮らしを体験する機会を提供することで、NORELやマイカー・トライアルの利用者を増やしたいという狙いがあるようだ。0円カーレントでクルマのある生活の楽しみに気づいた人には、クルマのサブスクに移行してもらいたい。そんな考え方である。NORELでは月額2万9,800円からプランを用意している。0円カーレントでクルマが欲しくなった人には、購入の相談にも乗るという。