「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」のビジュアル(C)2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会

 「Love Letter」「リリイ・シュシュのすべて」などで知られる岩井俊二監督が手がけた名作ドラマをリメークした劇場版アニメ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」が、金曜ロードSHOW!(日本テレビ系)で8月7日午後9時に放送される。「モテキ」「バクマン。」などの大根仁さんが脚本、アニメ「<物語>シリーズ」「魔法少女まどか☆マギカ」などで知られる新房昭之さんが総監督を務め、シャフトが製作。原作ドラマは、真夏のとある一日で繰り広げられる青春ラブストーリーで、当時14歳の奥菜恵さんが演じた魅力的なヒロイン、美しい映像が話題となった。アニメでは、夏の青春をどのように表現したのか……。

 アニメは、とある海辺の町が舞台。主人公の中学生・典道は、クラスメートたちが花火大会を前に「打ち上げ花火は横から見たら丸いのか?」と盛り上がる中、思いを寄せるなずなに「かけおち」に誘われるが、その道中で時間が巻き戻る不思議な体験をする……というストーリー。俳優の菅田将暉さんが典道、女優の広瀬すずさんがなずなを演じ、宮野真守さん、花澤香菜さん、櫻井孝宏さん、梶裕貴さんら豪華声優が集結した。

 新房総監督にインタビューした際、同作で最も重要視したのは「ヒロイン・なずなの存在感」と話したことがあった。

 「原作の実写と同じで神秘的に見えたり、可愛く見えたりしなければいけない。なずなは、男性からするとちょっとよく分からないところがあるというか、近寄りがたい感じがありますよね。そういう魅力的なところが出せればいいのかなと思いました」

 アニメ版は、「<物語>シリーズ」などで知られる渡辺明夫さんがキャラクターデザインを担当。風にたなびくロングヘアが印象的で、クラスメートの典道より長身で大人びた魅力的なヒロインを描いた。シャフト作品ではよく見られるキャラクターの目のアップや独特の顔の傾け方といった演出もあり、「神秘的」と「可愛い」が同居するヒロインが描かれた。

 アニメならではのファンタジックな表現にも注目したい。原作ドラマは、作中に「もしもこうだったら……」という“if”の分岐点があり、そこから二つストーリーが展開する構成になっているが、アニメでは、典道が不思議な玉を投げることで時間が巻き戻るというSF的な要素が盛り込まれた。

 新房総監督は、不思議な玉が登場することで「ストーリーが分かりやすくなった。アイテムが出てきて投げたりするのがアニメらしい」と語っており、劇中では時間が巻き戻る度に、現実ではあり得ないような形の花火が描かれたりと、幻想的で美しいシーンが次々と登場する。

 青春時代のとある夏の一日をアニメならではの表現で描いた「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」。甘酸っぱい夏、ほろ苦い夏、今年こそ何か起こると思っていたけど何も起こらなかった夏……自分にとっての“あの夏”の気持ちを思い出せるかもしれない。