TrendForceは、3GPPが5Gリリース16(R16)のステージ3を7月に承認したことを受け、近年、シェアの増加が続くコネクテッドカーは今後、さらにその台数を伸ばし、2025年には約7400万台、新車の80%を占める規模に成長するとの調査結果を発表した。

TrendForceのアナリスト、Caroline Chen氏は、「現在、多くの国がV2X、コネクテッドカー、スマートビークルを重要な国家の開発優先事項として位置付けており、普及が急拡大している。また、自動車メーカー、通信事業者、サービスプロバイダーらも、V2Xで生み出される大量のデータや、関連する商用アプリケーションの潜在的な収益性に期待していることも普及の背景にある」とコネクテッドカーの普及拡大の背景を説明する。

5G V2Xが自動車の新たなトレンドに

5Gの登場により、V2Xはこれまでの運転支援やメディアエンターテイメント機能だけでなく、ドライバーの安全の提供といったものを提供することが可能となる。また、広範な通信網を活用することで、自動運転のトラックをはじめとする物流車両が、予想よりも早い商用実用化につながる可能性もでてくるという。

TrendForceでも、5Gは基地局などのインフラストラクチャ、コスト、車両などの実質的な問題はあるものの、自動車のソフトウェアおよびハードウェア開発をけん引する推進力として不可欠な要素とみている。

また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を背景に2020年の自動車販売数量は前年比20.6%減と大幅な減少が予測されていることもあり、市場回復の起爆剤として5G V2Xへの期待がますます高まる可能性が高まっていくものとTrendForceでは見ている。

  • TrendForce

    コネクティッドカーの販売台数と前年比増減率の推移と今後の予測 (出所:TrendForce、 2020年7月)