【ギフティ 太田睦社長に聞く】国内初の「寄付型eギフト」でコロナ支援を始めた理由 

ギフティは新型コロナウイルス禍において、デジタルギフトと寄付を融合したサービスの提供を行っている。2020年6月、法人ユーザー向けの「寄付型eギフト」を、6月22日には個人ユーザー向けの「プラス寄付ギフト」をそれぞれ開始した。eギフトと寄付を組み合わせて、コロナ禍にある医療従事者やボランティア、支援を必要とする子どもたちなどを応援してもらう狙いだ。この取り組みは全社横断で取り組んでいる、「COVID(コビット)-19寄付プロジェクト」の一環だ。サービス提供の思いや、ギフティがコロナ禍を踏まえてこれまで行ってきた取り組みについて、太田睦社長に聞いた。
福利厚生で「eギフト」導入が増加
ーー寄付ができるeギフトについて、サービス提供に至った背景や思いを教えてほしい。

「コロナウイルス禍で医療従事者などに何か協力したいが、なかなか一歩を踏み出せない」という人にとって、支援に踏み出すきっかけになってもらえたらいいなと思っている。これをきっかけに寄付にも興味を持ってもらえたら、という思いもある。

「寄付型eギフト」が生まれた背景の一つには、外出自粛の影響で社員がリモートワークを行う機会が増え、社員への福利厚生としてeギフトを贈る法人ユーザーが増えていることがある。

そこで当社では、現在の状況を踏まえて、「福利厚生のeギフトはうれしいけど、その気持ちを寄付にすることもできたらいいよね」というアイデアが生まれた。寄付をラインアップに加えつつ、福利厚生として受け取るeギフトを選べる形式にしたら面白いと。そこで、社員が会社から受け取った気持ち(=福利厚生)を、そのまま寄付できるという取り組みを始めた。第2弾として、個人向けeギフトサービスにも寄付ができるギフトを追加した形だ。

福利厚生として受けとったサービスを自分では使わず、寄付するというのは、米国ではよく見られる。米国では寄付文化が進んでいるからだ。そうした海外の取り組みも今回の企画のヒントになった。日本では初めての試みだと思う。


福利厚生の「寄付型eギフト」は高い満足度
ーー「寄付型eギフト」を含む福利厚生について、ギフティの社内でも実施した。手応えや、他の事業者が導入する際の、費用面でのハードルはどうか。

社員の満足度は高かった。企業側の出費としても、大きな額にはならないので、費用対効果はすごく高いと思う。社内で実施したときは、114人の社員(2020年5月当時)に、1人当たり1000円分のeギフトを贈った。「寄付型eギフト」を選択し、寄付することもできる形にしたところ、6割の社員が寄付することを選んだ。連続性のある福利厚生ではなく、ワンショットで実施できるので、気軽に導入していただきやすいと思う。

こうした(寄付を含む福利厚生の)取り組みに賛同いただけるEC事業者には、商品をeギフトとして登録して提供する、eギフト発行企業(CP)としての加入をお勧めしたい。寄付の用途でお使いいただけるほか、通常通り、法人向け・個人向けに商品を流通させる目的でも当社がお手伝いできる。自分自身、個人的にギフトを研究する社団法人に属している。社団法人での勉強会では、海外の寄付の事例が流れてくることもあり、キャッチアップするようにしている。

ーー寄付とギフトは似ている?

寄付とギフトは、近しいと思っている。誰かにモノを贈るという行為が似ている。物を贈るのも、寄付するのも、気持ち的には贈り手から受け取り手に気持ちを届けたいという思いが先立つ行為だと思う。「本当にその気持ちを届けたい」という思いが共通している。


法人向けと個人向けに「寄付型eギフト」を提供
ーー寄付できるeギフトサービスの内容や使い方は。

法人向けeギフトには6月12日から、eギフト受領後にユーザーが商品を選択できる「選べるギフト」の対象商品として、ラインアップに「寄付型eギフト」を追加した。「寄付型eギフト」は、200円・300円・500円・1000円・3000円の5種類。「選べるギフト」の商品は4点まで選択可能で、そのうち1〜3商品を「寄付型eギフト」として設定できる。


「選べるギフト」に「寄付型eギフト」を追加

個人ユーザー向けの「プラス寄付ギフト」は、6月15日から提供を開始した。商品代金に100円の寄付金を加算したeギフトだ。対象商品を購入すると、ギフティが発行手数料を一部負担するとともに購入代金の100円分を集計し、各団体を通じて医療従事者などに届ける。対象のeギフトは、店舗引き換え型3種類、配送型7種類をラインアップしている。購入したeギフトは家族や友人に贈れる他、自分でも利用できる。

自分で利用する場合は、デジタルのギフトカードに支援を必要とする方々へのメッセージを記入いただくこともできる。メッセージは、寄付金とともに寄付先の団体に届く仕組みだ。寄付の背景にある気持ちや思いを伝えることができる。

メッセージを通じて寄付先に気持ちを伝えられるということと、100円分の寄付だけでなく、対象商品のeギフトを贈ったり、自分で使える気軽さが、個人ユーザー向け「プラス寄付ギフト」の特徴だ。
 
法人向け・個人向けともに、寄付先の対象は、ピースウィンズ・ジャパン、日本赤十字社、日本財団の3団体。


4月からコロナ支援を開始
ーーこれまでにコロナ対策(支援)でギフティが取り組んできたことを教えてほしい。

2020年4月、店舗で商品やサービスの支払いに使えるチケットを先払いで購入してもらい、当該店舗を支援する仕組みの提供を始めた。緊急事態宣言の発令を受けて、営業を自粛している店舗を支援する目的からだ。チケットの有効期限は、購入から5カ月後の月末としている。店舗で商品やサービスの支払いに使えるチケットを先払いで購入する「店舗応援チケット」を、ギフティのECサイトと、EC機能を持つアプリ「giftee(ギフティ)」で販売している。

6月中旬に法人向け・個人向けの今回の取り組みを行ったほか、同24日には、インスタグラムとギフトカード機能を連携した。フェイスブックによるコロナ禍の緊急支援(コロナ流行に対応する研究者や非営利団体などの支援)に基づき、インスタグラムとの連携は、各社が乗り出した。当社も賛同した。

ギフティが運営するeギフトの販売サービス「giftee」に加盟している飲食ブランドや小売店のeギフトの購入が、インスタグラムのギフトカード機能を通じて可能となった。

インスタグラムのユーザーがブランドのアカウントや投稿を閲覧し、スタンプやアクションボタンをタップすると、「giftee」のeギフト販売ページやブランドのeギフト販売サイトが表示される。ユーザーは、任意のチケットを選択するとeギフトを購入できる。


「COVID(コビット)-19寄付プロジェクト」の一環として「寄付型eギフト」を提供

ーーコロナ禍の支援サービスや寄付について今後、取り組む予定や目標は。

「寄付型eギフト」など「COVID-19寄付プロジェクト」にひも付くサービスの法人による導入は、まず100社を目指す。寄付とギフトの組み合わせは新しい取り組みなので、中長期的な目線で普及していきたい。

寄付とギフトというのは、まだまだ探求しがいのあるテーマだと思う。社内だけでなく、アカデミックな方とも連携し、勉強会を行う予定だ。アウトプットができたら公にも発表していく。寄付も含めたコロナ支援の取り組みは、プロダクトとしていくつかローンチできた状況。これまでの取り組みを振り返り、見直す時間を作りたいと思っている。


ギフティのホームページはこちら▶▶https://giftee.co.jp/