Samsung Electronicsは8月5日、製品発表イベント「Galaxy UNPACKED 2020」を開催、折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold2」を発表した。本のように折りたためる初代モデルのデザインを継承しつつ、本体をスリムに、そして画面を大型化し、また初代の発売延期の原因になった耐久性も細部にわたって強化した。Galaxy Z Flipで導入したFlexモードも利用できる。スペックや価格など詳細は9月1日に公表する。

  • Galaxy Z Fold2

    ミスティックブロンズの「Galaxy Z Fold2」

Galaxy Foldは外画面(カバーディスプレイ)と内画面(メインディスプレイ)の2つのディスプレイを備える。Samsungによると、初代モデルのユーザーから改善が求められていたことの1つが、折りたたんだ状態の時に使用するカバーディスプレイだった。初代モデルは4.6インチと小さく、太い額縁に囲まれてミニディスプレイのようになっていた。Galaxy Z Fold2では、カバーディスプレイを6.2インチに大型化し、額縁は細く、折りたたんだ状態で携帯電話の使用感に近づいた。メインディスプレイも初代の7.3インチから7.6インチに大きくなり、ベゼルが細くなって、画面が全体に広がる。また、初代はメインディスプレイの右上に大きなノッチがあったが、Fold2はパンチホールのInfinity-O ディスプレイでインカメラを実装している。

  • カバーディスプレイの大きさを比較

    左は初代Galaxy Foldのカバーディスプレイ、右はGalaxy Z Fold2、閉じた状態がよりスマートフォンに近づいた

  • ミスティックブラックのGalaxy Z Fold2

    ミスティックブラックのGalaxy Z Fold2、額縁が細く全体に画面が広がる

耐久性については、樹脂製だったディスプレイカバーを超薄型のガラス素材(UTG:ultra-thin glass)に変更した。ヒンジの改良も進め、初代のヒンジよりもコンパクトで機能的に動作する。初代モデルではギャップから入りこむゴミがトラブルの原因になったが、Fold2はギャップが小さく、また柔軟なファイバー素材を用いたダスト除去を採用してゴミが入りこむのを防ぐ。ダスト除去は掃除機からアイディアを得たそうで、Samsungはその仕組みを「スイーパー」と呼んでいる。

完全に閉じた状態と完全オープンだけではなく、75度、90度、115度といった角度でも安定して使用できるようにヒンジのカムを改良した。折りたたみデバイスであるGalaxy Zシリーズを画面分割して使用するFlexモードと組み合わせることで、例えば115度の角度で開き、机の上にノートPCのように置いてディスプレイの下半分にはキーボードを表示して使用するといったことが、アプリの対応によって可能になる。

  • Flexモード

    机の上に置いて画像の編集、映画鑑賞など、Flexモードで使用シナリオがさらに拡大

これらのほか、UNPACKED 2020で明らかになった情報は、オープン時の最薄部が6ミリ(初代は6.9ミリ)、ディスプレイのリフレッシュレートが最大120Hz、バッテリーは4500mAh、カラーはミスティックブラックとミスティックブロンズ。米国のデザイナーThom Browneの限定エディションが用意される。