テイラー・スウィフト『フォークロア』効果で初期アルバムの人気が再燃

テイラー・スウィフトの最新アルバム『フォークロア』をきっかけに、音楽ストリーミング配信以前にリリースされた、カントリーミュージック時代の過去のアルバムを聴くリスナーが急増している。

テイラー・スウィフトが『フォークロア』という素晴らしいアルバムをリリースした一週間後、シンガーソングライターの初期のカタログ音源が音楽ストリーミングプラットフォームでとりわけ注目を集めた。『フィアレス』や『レッド』といったアルバムのストリーミングの再生回数が2桁の成長率を叩き出しているのだ。

音楽ストリーミングプラットフォームでとくに人気が爆発的にアップしたのが2008年リリースのアルバム『フィアレス』。前週と比較すると、7月24日〜30日の週にかけて45パーセント増加した。その次が2010年の『スピーク・ナウ』で、36パーセントの増加。『スピーク・ナウ』に次いで2012年の『レッド』(35%アップ)、2014年の『1989』(27%アップ)、2006年の『テイラー・スウィフト』(21%アップ)、2017年の『レピュテーション』(19%アップ)となっている。もっとも低かったのは2019年の『ラヴァー』だが、スウィフトが2年以内に必ずコンスタントに新作をリリースしてきたことを踏まえると、これは当然かもしれない。

ここで重要なのは、テイラー・スウィフトの楽曲は3年近くSpotifyで聴くことができなかったという点だ(1989〜2017年のリリースが対象)。音楽ストリーミングとともに成長したZ世代にとって『フォークロア』はスウィフトの初期の楽曲を聴くきっかけになっているのかもしれない。スウィフトの過去の名曲たちが注目されはじめているのだ。

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アルバムセールスだけを見る限り、もっとも成功したアルバムは『レッド』と『スピーク・ナウ』で、『レッド』は201パーセント、『スピーク・ナウ』は166パーセントと売り上げを伸ばした。さらに、デジタルおよびフィジカルアルバムの売り上げ、デジタル楽曲の売り上げ、音声ストリーミングを総括したローリングストーン誌のトップ200アルバム・チャートの101位に『レッド』が、154位に『フィアレス』が再浮上した。

それに対し、昨年『ラヴァー』がリリースされた際に今回のような過去のアルバムのストリーミングの増加は見られなかった。『フォークロア』と異なり、『ラヴァー』は先行シングルをはじめとする従来の方法でリリースされている。それでも、ニューシングル『ラヴァー』が解禁されたアルバムのリリースの一週間前も、『フォークロア』ほどの増加は見られなかった(当時の成長率は10〜18パーセントに留まった)。

本誌のトップ200アルバム・チャートで堂々1位を獲得し、『ラヴァー』以来初の大成功を収めた『フォークロア』とともにテイラー・スウィフトは新たな歴史をつくろうとしている。レースのワンピースをまとったスウィフトが次に何を仕掛けてくるかは、時が経てばわかるはずだ。