日本は“敗者復活”が許されない? 若新雄純が「自己破産」から社会のあり方を考える
市川美絵がパーソナリティをつとめるラジオ生放送番組「Seasoning~season your life with music~」。7月30日(木)の放送は、木曜レギュラーパートナーの若新雄純(慶應大学特任准教授などをつとめるプロデューサー)が登場。最近起きたニュースを独自の視点で解説する「若新雄純の『色メガネ』」のコーナーでは、「自己破産」について取り上げました。


木曜レギュラーパートナーの若新雄純(慶應大学特任准教授などをつとめるプロデューサー)



◆“失敗が許されない風潮”に苦言
政府の個人情報保護委員会は7月29日(水)、自己破産した個人の名前や住所をまとめた2つのWebサイトの運営者に対して停止命令を出しました。自己破産者の情報は「官報」に掲載されていますが、本人の同意がなく第三者へ情報提供することは個人情報保護法違反に当たるとしています。

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若新は自己破産について「すごく大事な制度だと思う。できれば、中学か高校で自己破産について学ぶべき」と言います。

続けて「今、ミスをするとネットでもすごく叩かれるけど、問題はその後。僕は、芸能人のスキャンダルなどでも、謝罪をしてきちんと反省したらまた出てきたらいいと思っているんです……」と近年の世の中の風潮に触れ、「日本の社会ってあまり失敗が許されないというか、敗者復活が許されない文化だなと最近感じています。人は過ちを犯すものだから、みんなが過ちを犯さない前提で世の中をつくるのではなくて、誰もが過ちを犯す可能性がある前提で、その後どうするのかをもっと考えたほうがいいと思う」と主張。

「当然、借金を気軽に踏み倒していいということではない」と前置きしたうえで、「何人かの友人が自己破産を経験しているが、実は法的にかなり個人をちゃんと守ってあげられる制度になっていて、びっくりした。事業に失敗するなどして大きな借金を背負ったとしても、(自己破産制度のような)社会的にやり直せる制度がちゃんとあるのは素晴らしいことだと思う。ただし、そのことがあまり知られていない。大人たちから、自己破産なんてとんでもないしか聞いてこなかった」と話します。

そんな若新の持論に、番組に寄せられたメッセージのなかには「(今の日本は)失敗や挫折した人に対して冷たいなと感じています。世の中が救いの手を差し伸べたり、世の人たちや企業が許したりするような世界になってほしい」「社会に出てから驚くことばかりなので、学校でもお金のことをもっと教えてほしいと思いました」といった共感の声が。若新は「自己破産はすべてを奪うものではなくて、もう1回復活できるように前向きにリセット・清算する制度。こうした制度があることはちゃんと知るべき」とあらためて強調します。

お金や制度のことなどを学ばずに社会に出る人が多いことについて、「みんな会社や世の中が決めたルールに従って、与えられた仕組みのなかで動いているので、そこまで大きなトラブルは起きずにすんでいる人が多い。でも、一歩踏み出して自分で何かを始めようとすると、挑戦と失敗のリアルについてまったく教わっていないので、与えられた仕組みの外に出た瞬間にグチャグチャになったり、失敗から抜け出せなくなってしまう人が多い」と指摘。それだけに「与えられた仕組みの外に出ても、お金のことや敗者復活のルールがわかるような人が増えるべきだと思うし、そのためにも学校でお金や契約のことなどについてもっと学べたほうがいい」と語りました。

<番組概要>
番組名:Seasoning~season your life with music~
放送日時:毎週月曜~木曜 13:30~15:55
放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国20局ネット
パーソナリティ:市川美絵、角田陽一郎(月曜)、乙武洋匡(火曜)、IVAN(水曜)、若新雄純(木曜)
番組Webサイト:https://park.gsj.mobi/program/show/38286