住民税をクレジットカードで支払うメリットと注意点とは?

 住民税は、給与所得者の方は6月から翌年5月までの毎月の給料から徴収されます(特別徴収)が、その他の方については、市区町村から送付される納税通知書で、年4回に分けて納めます(普通徴収)。この住民税、実はクレジットカードで支払うことでちょっとしたメリットを受けることができます。

どんな税金がクレジットカードで支払える?

税金のクレジットカード納付とは、文字通り、クレジットカード決済で納税する仕組みです。インターネット上でのクレジットカード支払の機能を利用して、指定納付受託者(トヨタファイナンス株式会社)へ、税金の納付の立替払いを委託することにより納付する方法です。

住民税を含む地方税は、一部の自治体では以前から地方税のクレジットカード決済が可能でしたが、平成29年1月より国税についてもクレジットカード納付が可能となり、多くの税金がクレジットカード決済できるようになりました。

なお、地方税については、未だ、クレジットカードの納税システムが整備されていない自治体や、納付に制限があるケースもあります。あらかじめ自分が住んでいる地域の税務署や、各市町村役場の税務課に確認しておくと良いですね。

では、どのような税金がクレジットカードで支払えるのでしょうか?

国税では、申告所得税および復興特別所得税、消費税および地方消費税、相続税、贈与税、法人税(連結納税を含む)、地方法人税(連結納税を含む)、印紙税などで、地方税では、住民税だけでなく、自動車税、固定資産税、個人事業税、都市計画税、償却資産税、不動産取得税など、ほとんどの税金についてクレジットカードで納付ができるようになっています。ただし、いくらでもクレジット決済できるわけではなく、納税額の上限は国税では1,000万円未満、かつ、クレジットカードの決済可能額以下(決済手数料含む)、地方税では各自治体によって取り扱いが異なり、例えば東京都では100万円未満です。

手元に資金がなくても、一旦、クレジットカードで税金が支払えるという点は便利ですね。なお、国税、地方税ではありませんが、国民健康保険料や国民年金保険料もクレジットカード納付ができるようになっています。

税金をクレジットカードで支払うとどんなメリットがある?

では、クレジットカードで支払うとどんなメリットがあるのでしょうか?

クレジットカードのポイントがつく

まとまった納税金額であればそれなりのポイントが付与されるのでお得といえるでしょう。ただし、別途手数料がかかるので要注意です。例えば、国税では、納付税額が最初の1万円までは76円(消費税別)、以後1万円を超えるごとに76円(消費税別)を加算した金額の手数料がかかります。

なぜ手数料がかかるのでしょうか? クレジットカード払いでは、国税庁長官から指定を受けた民間の納付受託者(トヨタファイナンス株式会社)が、一旦、税金を建て替え払いします。つまり、納付受託者が国へ納付した後、利用者から納税額が支払われるまでの間、納付受託者はリスクを負うわけです。このリスク補填の意味合い、といえるでしょう。ですので、決済手数料は、国の収入になるものではありません。

なお、決済手数料については、「国税クレジットカードお支払サイト」において、シミュレーション計算ができるので、参考にしてみてください。 

地方税では、各自治体によって指定代理納付者が異なるため、手数料も変わります。例えば都税では、税額1万円ごとに73円(消費税別)、あるいは横浜市では1~5,000円までは50円、5,001円~10,000円までは100円…というように段階制になっています。自分の住む自治体のHPでチェックしておきましょう。

このようにクレジットカードを活用することでポイントは付与されますが、手数料がかかるため、「手数料率<クレジットカードのポイント還元率」であることを確認しておくことが大切です。クレジットカード決済で還元されるポイント率はクレジットカード各社で異なります。

例えば国税の場合、消費税も考慮すると手数料が1万円あたり0.836%ですので、還元率がおよそ0.836%超であればクレジットカード決済で得ができる、と考えることができます。ただし、ショッピングでの還元率と納税での還元率が同じ場合に限る、という点にも注意が必要ですね。複数のクレジットカードを持っている場合には、還元率が一番高いカードを選択することをおすすめします。


キャッシュフローに少し余裕ができる

クレジットカードで決済した場合には、即時引き落としになるわけではなく、後日、口座振替されるので、実際の支払いまでには猶予期間が生じることになります。また、分割払いも可能です。もちろん振替日までには現金を用意しておく必要はありますが、キャッシュフローに少し余裕ができる、という点も魅力と言えます。もちろん延滞税もかかりませんので、手元に資金がない、といった場合でもとりあえずクレジットカード決済をしておけば、口座振替日までの資金猶予期間も確保できますね。

家計を一元管理できる

クレジットカード決済では、税金の種類と金額が、利用明細書に記載されます。公共料金や普段の買い物なども同じクレジットカードでまとめて支払っていれば、家計全体の支出が一目で分かるため、家計の一元管理ができますね。家計の見直しでは、使途不明金の退治が大きなポイントです。家計全体を把握することで家計の無駄を省くことにもつながるでしょう。
そのほか、24時間いつでも税金を納付できるという点もクレジットカード決済での魅力と言えます。

手数料がかかる以外にどんな点に注意する?

まず、領収証書が発行されません。領収証書が必要な場合には、最寄りの金融機関または所轄の税務署の窓口で納付する必要があります。
また、一度手続きが完了すると、取り消しができず、後日税金の還付を受けることになります。還付手続きには一定の時間がかかりますし、手数料は還付の対象にはならないので要注意ですね。

税金をクレジットカードで支払う手続きは?

コンビニや金融機関でクレジットカードを提示しても決済できない点には要注意。専用のWEBからアクセスをすることで決済します。

国税の場合、インターネットの利用が可能なパソコン、スマートフォンおよびタブレット端末から、納付受託者が運営する「国税クレジットカードお支払サイト」へアクセスします。国税庁のHPからアクセスする場合には、「国税クレジットカードお支払サイト」をクリック、確定申告等作成コーナーの場合には納税額のある申告書を作成した場合等に表示される納付方法の案内画面から、e-Taxでは、電子申告・徴収高計算書データの送信または納付情報登録依頼をした後に、メッセージボックスに格納される受信通知からアクセスすることができます。

住民税などの地方税の納付方法は、都道府県、市区町村によって利用できる決済サービスが異なるので注意が必要です。

例えば、東京都では、「都税クレジットカードお支払サイト(納付受託者トヨタファイナンス株式会社)」というサイトから100万円未満の税金をクレジットカードで納付することが可能です。また、大阪市では、大阪市税クレジットカード納付サイトから、スマートフォン・タブレット端末のカメラ機能を利用し、納付書に印刷されている「コンビニ収納用バーコード」を読み取ることで、あるいはApple Payに登録されているクレジットカードで決済することもできます。自治体によって取り扱い範囲や支払い可能金額も異なるので、詳細は各自治体のHP、および窓口へお問い合わせください。

また、地方税は、Yahoo!JAPANのウェブサイト「Yahoo!公金支払い」を活用してクレジットカード決済することも可能です。納付可能な税金は、住民税や自動車税、固定資産税、個人事業税、不動産取得税など多岐にわたりますので、チェックしてみてください。

 ポイントも付与されて、延滞税や支払い漏れを防ぐことも可能なクレジットカード決済、お住まいの自治体が対応していたら検討してみてはいかがでしょうか

執筆者:金子 千春