家計状況から、教育に関するお金をプロに診断してほしい! 今回は2人のお子さんを中学から私立に行かせたい主婦の方の相談。ファイナンシャル・プランナーの二宮清子さんが現実度をシミュレートします。

◆Q. 我が家で子ども2人を中学から私立に入れるのは無理?
家計状況から、教育に関するお金をプロに診断してほしい! 今回は2人のお子さんを中学から私立に行かせたい主婦の方の相談。ファイナンシャル・プランナーの二宮清子さんが現実度をシミュレートします。

◇相談内容
子ども2人を中学から大学まで私立に行かせたいと思っておりますが今の家計で実現可能でしょうか……。

主人と私の共働きで今は時短勤務中です。下の子がもう少し大きくなったら私もフルタイム勤務に戻る予定です(手取り月25万ほど)。また現在は賃貸ですがなるべく早い段階で3500万円ほどの戸建ての購入も考えております。

◇相談者
匿名希望さん(会社員・32歳・既婚)
家族構成/夫(会社員・35歳)、子ども2人(5歳・2歳)
住まい/宮城県・賃貸

◇現在の家計収支状況
<収入>
手取りの月収:53万円
夫:35万円
妻:18万円(時短)
年間賞与収入夫:80万円

<支出>
毎月の支出:38万円

内訳
住居費(家賃):7万5000円
車両費:1万円
食費(外食費・日用品込):7万円
電気・ガス・水道料金:2万5000円
通信費:3万円
趣味・教養・娯楽費(美容代込):4万円
教育費:4万円
家族のこづかい:4万円
雑費(医療費込):3万円
保険料:2万円

<貯蓄、その他>
毎月の貯蓄額:14万円
ボーナスの使い道:主に帰省代・家族旅行代で使用。年50万円ほど貯金できる

資産現預金:700万円

◆教育費1人1750万。5年後に妻がフルタイム勤務に戻る想定で診断します
下のお子さんが小学生になる5年後に、妻がフルタイム勤務される条件で、今後20年の家計をみてみます。

現在は世帯の手取り年収が716万円。妻がフルタイムになると手取りが年間84万円アップしますので、5年後から世帯の手取り年収が800万円になる計算です。

※収入と基本生活費は変わらないものとします。また物価上昇や運用利回りの変動率をゼロとしてます

◇子ども2人を私立中・高・大に通わせた時の家計推移
子ども2人を私立中・高・大に通わせた場合の家計推移は図のようになります。


◇中学受験をする際のお金のポイント
中学受験をする場合、小学4年生から塾に通わせるご家庭が多く、中学受験専門塾の場合、年間でかかる費用は、4年生で約50万円、5年生で約70万円、6年生で約110万円程度です。それ以外にもスポーツや音楽の習い事を併用するなら、その月謝も必要です。

また、私立の場合、学校によりますが、中学・高校では年間約100万円程度、大学では4年間で約1000万円(文系・自宅外)を想定しておく必要があります(今回は大学費用を1年目に400万円、2年目以降を年200万円で設定)。

お子様1人に対し中学・高校600万円+大学1000万円=1600万円なので2人で3200万円、これに塾代を足していくと3500万円になります。

◆収支状況が変わらないなら2人私立も可能ではあるが……
下のお子様が大学を卒業される20年間、毎年200万円ずつ貯められる家計であれば、4000万円貯蓄できる計算になり、3500万円の教育費を十分準備できるといえます。

匿名希望さんの家計は上と下のお子さんが大学に入学される14年目と17年目は年間の収支がだいぶマイナスになりますが、トータルの貯蓄額は2500万円以上残ってます。

ただし、今後お子様の成長に伴う支出増を考慮すると、世帯収入を増やすことはもちろん、支出を見直すことも。

生活費に関しては、毎月の支出が38万円なので、まずは夫の手取り月収35万円までスリム化を目指し、妻の収入を全て貯蓄に回し、ボーナスでその他のイベント費に備えるようにしましょう。

特に通信費は格安携帯に替える、料理の腕を上げ食費の節約を図るなど、フルタイム勤務になる前にしっかり見直し、家計を強くしておくことがポイントです。

◆教育か住宅か、お金の優先順位を夫婦で話し合いましょう
仮に3500万円の住宅を購入する場合、月に約11万6000円の返済と、固定資産税や火災・地震保険料、修繕費等を考慮し毎月2~3万円は別で貯蓄しておく必要があります。(頭金350万円、35年ローン、金利2%、ボーナス払いナシで試算)。

現在の家賃が月7万5000円ですから、年間80万円ほど住居費がアップします。単純計算で20年後の総貯蓄額は2854万円-1600万円=1254万円になるということです。

購入を検討されるのであれば、物件価格は3500万円以上にならないように予算をしっかり守り、可能であれば親からの援助があるといいですね。

また、大切にしたいのは教育なのか住宅なのか、または家族団らんの時間なのか。お金を使う優先順位をご夫婦で話し合うことをオススメします。

立派な家を構えたことで、希望する学校に進学させることができなくなる、また旅行など家族での楽しい時間を過ごす機会が減るようなことがあれば、とても辛いことです。

どのような人生を送りたいのかじっくり話し合うことで、メリハリのある悔いのないお金の使い方ができるようになっていくと思います。

解説:二宮 清子

家計管理や節約を軸に、生活に寄り添った提案を行うファイナンシャル・プランナー。赤字家計を脱出した自分の体験から、ユーザー目線でのアイデアを発信している。

文=All About 編集部