アケコンレビューシリーズも今回が最後。今回は、RazerのPanthera EVO、三和電子のmono、VictrixのPRO FSの3種類を紹介します。

  • RazerのPanthera EVO、三和電子のmono、VictrixのPRO FS

    RazerのPanthera EVO、三和電子のmono、VictrixのPRO FS

ハイエンドながら軽量小型なPanthera EVO

まずは、Razerの「Panthera EVO」から。前モデル「Panthera」はドライバーレスで天板の開け閉めができるだけでなく、ケーブルの脱着が可能と、カスタマイズ性の高さが売りでしたが、「Panthera EVO」最大の特徴は2.1kgという軽さ。前モデルが3.4kgだったので、半減にはいかないまでも、大幅な軽量化を実現しました。

  • Panthera EVO

    RazerのPanthera EVO

軽量化しているとはいえ、いわゆる小型モデルのようなサイズではありません。ちょっと小さめの通常のアケコンという印象です。性能面もしっかりしているので、軽量化したハイエンドモデルと言えるでしょう。

軽くて小さいので持ち運びやすさは抜群ですが、その分、膝置き時の安定性は損なわれます。慣れると気にならなくなる程度ですが、重くどっしりしたタイプのアケコンを使用したあとに同じ感覚で使ってみると、レバー操作で簡単に本体が持ち上がってしまいました。当然、本体を安定させないと、コマンド入力にミスが出るので、軽さを考慮した操作が必要でしょう。

底面に滑り止めが付いていますが、全面ではなく上下の2カ所のみ。多くのアケコンは左右についていおり、膝置き時に滑り止めが太ももとズレてしまうこともありましたが、横向きについていると、足と滑り止めがしっかり接触します。ただ、全面のものよりは効果が薄いので、滑り止めシートなどで補強するといいでしょう。

  • Panthera EVO

    背面にコードを収納するボックスがあります

  • Panthera EVO

    滑り止めは上と下のフチにあります

レバーは三和製なので、安心の操作性。適度な抵抗のあるレスポンスが、操作していることを感じさせてくれます。ボタンはRazerオリジナルのメカニカルスイッチ。Razerのゲーミングキーボードで採用されているメカニカルスイッチを採用しており、高いレスポンスを誇ります。

操作してみると、ちょっと重めの抵抗感があり、少し押し込むだけで反応してくれます。この重さと浅めの反応が絶妙。ゲーミングキーボードのキータッチの感覚でボタンを押せます。

  • Panthera EVO

    ボタンはRazerオリジナルのメカニカルスイッチ。押し心地は良好

  • Panthera EVO

    レバーは三和電子製。このアケコンは筆者個人所有品のため、レバーボールをミラーに変えていますが、製品購入時は黒のレバーボールが付いています

OPTIONボタンとSHAREボタンは右側サイドにあり、試合中に間違って押すことはないでしょう。心配な人のためにトーナメントモードも付いています。連射モードは搭載していないので、連射必須系のシューティングゲームのプレイを中心に考えている人は、ご注意ください。

  • Panthera EVO

    PSボタンやPS4タッチパッドは天面奥に配置しています。トーナメントモードはありますが、連射モードは付いていません

  • Panthera EVO

    OPTIONボタンとSHAREボタンは右側側面に配備。トーナメントモードにしておかなくても誤操作をすることはないでしょう

前モデルの「Panthera」ほどではありませんが、カスタマイズにも対応します。ドライバーで底面のネジを外す と天板のカバーが外れるので、そこからさらにネジを外して内部まで開きます。

天板カバーと本体の間には、天板デザインのシートが入っており、これを交換すれば、天板のイメージを変更可能。Panthera EVOのページにプリント用のテンプレートがあるので、これをダウンロードすれば、好きなデザインにカスタマイズできます。ただ、用紙がA3なので、A3印刷に対応した プリンターで印刷する必要があります。

  • Panthera EVO

    レバーの裏側にゴム製のフタがあるので、これを取ってから、マイナスドライバーでレバーボールを外します

  • Panthera EVO

    レバーボールを外したら、底面と天面のネジを外して天板を開けられます

配列:ビュウリックス
連射:なし
OPTIONボタン:側面
トーナメントモード:あり
PCインプット:Xinput
PS4タッチパッド:あり
カスタマイズ:可能
市場価格:税込27,800円前後

レバーやボタンを手がける三和電子のアケコン

三和電子 MoNoは、多くのメーカーのアケコンやゲームセンターの筐体のレバーやボタンを販売するパーツメーカーの三和電子が作成したアケコン。アークシステムワークと共同開発したGGXrd ArcadeStickを改修したモデルで、デバイスメーカーならではのシンプルさが魅力です。

レバーやボタンは当然、三和電子製。抵抗感、レスポンスはさすがとい ったところですね。

  • 三和電子 MoNo

    三和電子 MoNo

  • 三和電子 MoNo

    ボタンはもちろん三和電子製

  • 三和電子 MoNo

    レバーも三和電子製

レバーとボタンの配置は、一般的なアケコンと比べて手前側にあります。ほかのアケコンに慣れている人はちょっと戸惑うかもしれません。膝置きにしろ、テーブル置きにしろ、アケコンを体から 少し離して置くのがいいでしょう。

横幅が短めですが、本体サイズは見た目ほど小さくありません。重さは2.4kgと比較的軽量なので、持ち運びやすいモデルと言えます。

もちろん、持ち運びやすさと安定性はトレードオフになってしまうので、操作時の安定性は若干低め。ただし、背面の全面が滑り止めで覆われているので、テーブル置きでの使用は思ったよりも安定性がありました。

  • 三和電子 MoNo

    MoNoの底面。滑り止めが全面にあるので、滑り止め効果はかなり高めです

機能面では、トーナメントモードも連射モードもありません。PS4とPS3の切り替えスイッチがあり、両方に対応していますが、PS4用のタッチパッドは非搭載です。OPTIONボタンとSHAREボタンは天面に配置されていますが、レバーやボタンとは離れた位置にあり、四角形の深い押し込みが必要なボタンなので、試合中の誤操作はあまりなさそうです。PSボタンも離れた位置にあります。

  • 三和電子 MoNo

    天面にあるのは、PS3とPS4の切り替えスイッチ、OPTIONボタン、SHAREボタン、そしてPSボタンです。連射モードやトーナメントモード、L3やR3のボタンはありません

  • 三和電子 MoNo

    側面奥にケーブルの収納ボックスがあります。フタはありませんが、収納力はなかなかのもの

カスタマイズは推奨されています。天板は、専用の金属ピンをつかってプラスチック製のリベットを外す方式。簡単に外せるのですが、リベットや金属ピンが専用パーツなので、紛失したときに困りそうです。

天板カバーと天面シートを外すと、ネジ止めされた天板が出てくるので、ドライバーでネジを外し、天板を開け、レバーやボタンを交換します。また、天面シートを交換すれば、デザインのカスタマイズも可能です。

  • 三和電子 MoNo

    天板カバーを外すために必要な金属ピンとカバーを留めておくリベット

  • 三和電子 MoNo

    天板を開いたところ

天板カバーは厚めの樹脂のシートですが、そこまで剛性が高く ないので、使用しているとたわんでくることがあります。そのたわみからホコリやゴミなどが入ってしまいがちなので、定期的にメンテナンスが必要。また、手垢が付きやすい素材のため、少しプレイすると、汚れが目立ってしまうのも残念なところです。

機能を抑えたシンプルモデルで、価格もハイエンドアケコンと小型軽量モデルの間くらい。アケコンとしての性能は問題ないですが、プロダクトとしての完成度がちょっと低いのがマイナスポイントです。

配列:ビュウリックス
連射:なし
OPTIONボタン:天面
トーナメントモード:なし
PCインプット:Xinput
PS4タッチパッド:なし
カスタマイズ:可能
市場価格:税込19,800円前後

アルミボディのクールなデザインが魅力のハイエンド機

Victrixは、『ストリートファイターV』などで活躍するプロゲーマーももち選手のスポンサー。なので、Victrixのアケコン「Victrix PRO FS」は、ももち選手の愛用モデルでもあります。

今回はももち選手がオーナーを務めるプロゲーミングチーム「忍ism」にアケコンをお借りしました。そのため、忍ismのロゴマークがレーザー刻印されたモデルです。ちなみにこのレーザー刻印は、格闘ゲーム大会「EVO Japan」や東京ゲームショウなどでVictrixがブース出展しているときに「Victrix PRO FS」を購入すると、無料で好きなデザインを入れてもらえます。

  • Victrix PRO FS

    Victrix PRO FS

「Victrix PRO FS」は、数あるアケコンと比較しても高いカスタマイズ性を誇るハイエンドモデルです。特徴の1つは、フォルムとデザイン。樹脂製が多いアケコンにおいて、「Victrix PRO FS」のボディにはアルミニウムが使われています。

メタル素材ながら、本体を1枚の布で包んだような切れ目のないラウンドフォルムは、柔らかさと剛性を兼ね備えたよう。このあたりは、HORI ファイティングエッジ刃の持つソリッド感とは対局にある感じです。

サイズは大きめで特に幅があり、重さも3,175g となかなか。アルミニウムを使用しているからなのか、メタル素材を使っているわりに軽めですが、安定感は抜群です。

  • Victrix PRO FS

    ボディはアルミニウム素材を使用。高い剛性・耐久性が見た目からも伝わります

  • Victrix PRO FS

    奥と手前の側面はラウンドフォルム。奥側にはケーブル用のUSB Type-C の端子があります

  • Victrix PRO FS

    サイズと重さによる安定性に加え、底面全面に滑り止めを施しているので、一層安定性が強化されています

レバーとボタンはどちらも三和電子製で、慣れ親しんだ操作感です。レスポンスも良く、ボタンの反発具合もレバーの抵抗も重くもなく、軽くもなく、万人受けする設定でしょう。本体が安定することで操作性も向上するため、コマンドミスが少なくなったように感じました。

安定性と引き換えに、やはり持ち運びはネック。サイズが大きいので、リュックなどに入りにくく、肩掛けカバンだと3kgの重さが肩にのしかかります。

本体には持ち手が付いているので、試合会場内での持ち運びは便利そうです。ケーブルは着脱式になっていますが、装着したままでもケーブルに負荷がかからないように巻き取れるフックが付いています。このフックはショルダーストラップを装着できるタイプへの交換に対応していて、アケコンをそのままショルダーバッグのように持ち運べるようになります。

  • Victrix PRO FS

    底面には持ち手が付いていて運びやすい

  • Victrix PRO FS

    奥側面にフックを取り付けられるようになっており、写真のようにケーブルを巻き付けて運べます。フックの種類を変えるとショルダーストラップも付けられます

PRO FSは、カスタマイズ性の高さも魅力です。その1つが、着脱式のレバーがデフォルトで採用されていること。着脱式レバーは、持ち運ぶときにアケコンの天面をフラットにできるので、カバンに収容しやすくなります。天板の裏に収納があるので、外したレバーをしまえば、取り外したあとの紛失を防げるでしょう。天板を開くとボタンやレバーの裏側を見ることができるので、こちらのカスタマイズも簡単です。

  • Victrix PRO FS

    レバー軸を持って引き抜くと簡単に脱着できます。天面がフラットになると、カバンなどに入れやすくなります

  • Victrix PRO FS

    天板は簡単に開きます

  • Victrix PRO FS

    天板を開いた裏側にはレバー収納場所を完備。外したあとに収納しておけば、紛失のリスクを減らせます

PSボタンやOPTIONボタン、PS4用タッチパッドなどはすべて天面に配置。トーナメントモードも搭載します。また、本体の左右にはLEDを搭載しており、使用中に光らせることもできます。LEDの光の変更は、天面のボタンから操作します。

  • Victrix PRO FS
  • Victrix PRO FS
  • PSボタンやタッチパッド、OPTIONボタンやSHAREボタンは天面奥に配置。「PRO」ボタンの左にある「×」を押すと、OPTIONボタンなどがロックされるトーナメントモードに変わります

配列:ビュウリックス
連射:なし
OPTIONボタン:天面
トーナメントモード:あり
PCインプット:Xinput/DirectInput
PS4タッチパッド:あり
カスタマイズ:可能
市場価格:税込40,000円前後