【第2話ネタバレあり】『デカダンス』衝撃的世界観の秘密を立川譲監督が語る!

今夏スタートしたオリジナルアニメ『デカダンス』。
その第2話で、衝撃の世界観が明らかになった。

遙かな未来、人類が未知の生命体〈ガドル〉によって滅亡の危機に陥ってから長い年月が過ぎ、わずかに生き残った人々は移動要塞〈デカダンス〉の中で、ガドルの脅威と戦いながら生きていた。
そんなハードな世界で、ガドルと戦う戦士になることを願うも叶わず、デカダンスの装甲修理人として働くことになった少女・ナツメの奮闘。そして、かつては凄腕の戦士だった装甲修理人の上司・カブラギと、ナツメが繰り広げるドラマ。
第1話はそんな物語としてスタートした。
活き活きとしたナツメの姿や、スピード感溢れる戦闘描写などが早くも注目の的となったが……その奥にはさらなる秘密が隠されていたのだ。


▲ナツメ(左)とカブラギ(右)の出会いから物語はスタートした


▲空間を立体的に動きまくる、スピーディーな戦闘アクション

▲巨大な移動要塞・デカダンスが ”拳” に変型し、異形の怪物・ガドルに一撃!

▲第1話エンディングに映し出された世界観の異なる風景、その意味が第2話で明らかに

第2話で描かれた事実。
それは、上記のようなナツメたちが生きる世界は、実はすべてゲームフィールドの中での出来事だということ。そして、そのゲームをプレイしているのは、現在の世界の”真の主人公”であるサイボーグたちだということ。ナツメが目にしているカブラギは、サイボーグである彼がログインしている〈素体〉の姿だったのだ。だがナツメをはじめとした人間たちは、そんな真実を知らぬままに生きている……。

▲ポップなデザインのサイボーグたち。彼らこそが実はこの世界の ”主役” ?


▲左がカブラギ。こちらが本来の姿で、人間体はゲーム内でログインしている〈素体〉

はたしてこの世界観は、どのような意図で作り上げられたのか?
立川譲監督のインタビューをお届けしよう。

(C)DECA-DENCE PROJECT



そこはゲームフィールドだった

ーー第2話で明らかになった『デカダンス』の本当の世界観は驚きです。滅亡の危機に瀕した人類が荒野で繰り広げる人間ドラマ……と思っていたら、じつはその世界はサイボーグたちがプレイするゲームでした。

立川 ナツメたちが生きている世界は、サイボーグたちが運営している「デカダンス」という名の娯楽施設内です。ちょっと誤解されやすいかもと思うのですが、あのフィールドはインターネット上などの仮想世界ではなく、実在する場所(ユーラシア大陸)なんです。人間たちも全員、生身で実在していて、あのフィールドで「真実」を知らずに暮らしています。舞台は遠い未来。人類はサイボーグたちの娯楽施設である「デカダンス」のフィールド内にしか存在しておらず、その外は完全にサイボーグの世界です。なぜ、そうした世界になってしまったのかも、この先のストーリーで語られます。

ーーつまり、第1話のラストシーン〜第2話の冒頭から登場したサイボーグたちが、あの時代の世界の主役。そして、絶滅寸前の人類を使って娯楽を楽しんでいるわけですね。その「逆転構造」は衝撃的ですね。

立川 サイボーグたちのデザインがコミカルなので、より衝撃は大きいかもしれないですね。人間の世界とサイボーグの世界の両方を交互に描く際にガラッと雰囲気を変えたくて、サイボーグたちはカートゥーン的な方向のデザインで描くことにしました。

ーープレイヤーとしてゲームに参加しているサイボーグは、「デカダンス」のフィールド内では人間の姿をしています。

立川 サイボーグたちは人間に近い姿形の〈素体〉にログインし、〈ギア〉と呼ばれる戦士となります。フィールド内では特殊な戦闘民族的な、別種族のような存在で、人間とは肌の色が違ったりもしています。〈ガドル〉と呼ばれる怪物たちも、すべて娯楽施設の設備としてサイボーグたちが作ったものなので、生々しい怪物ではなく結構かわいい方向性のデザインなんです。巨大要塞のデカダンスが変型して巨大な拳になって、大型のガドルをパンチで倒すとか、結構無茶のある設定だと思うんですが(笑)、それも含めてすべて娯楽施設として設計されたもの。そして人間だけが実物で、そんな世界の仕組みを知らずに生きている。事実を知ってしまうと「処分」されてしまいます。

▲リアルに描写される「デカダンス」の世界

▲カートゥーン的な雰囲気で描かれるサイボーグの世界

(C)DECA-DENCE PROJECT



世界構造が生むドラマ

——どんな発想から、この作品の世界観は生まれたのでしょうか?

立川 カブラギとナツメという二人の主人公がお互いに影響を受けながら進んでいくストーリーを描く上で、(それぞれの)ベースとなる立ち位置を大きく変えたかったんです。同じ人間ではなく違う生き物というくらい、バックグラウンドがまったく違う者同士の関係のドラマにしたかった。たとえば、デカダンスで暮らしている人間は、現在の今のわれわれと同じような感覚で生を過ごしています。でも、カブラギたちサイボーグには100年くらい「寿命」があります。それくらい背景が違う二人が影響し合う。特に、サイボーグのカブラギが人間であるナツメの生に影響を受けていく、という物語にしたいと思いました。カブラギが所属している会社「ソリッドクエイク社」がこの娯楽施設を運営しています。その立場からすると、人間もまた娯楽施設の一部であり、いわば会社の「商品」として扱われている存在。本来ならカブラギは「自社の商品」に影響を受けることはないはずですが、ナツメが「特殊な存在」ゆえに影響を受けるということになります。

——第2話でカブラギは、ナツメが「デカダンス」のシステムに存在を認識されていないことを知り、心を動かされていましたね。

立川 「デカダンス」のシステムにとっては、ナツメは存在しないはずの「バグ」です。そしてシステムは、バグを消去しようとします。カブラギはそういうシステムの意図の下に動いている。そのために、ナツメと交流することで自分の立ち位置が揺らいだりすることもあるわけです。

ーー単なる男と少女の関係ではなく、商品を管理する側とそうとは知らずに管理される側。もう一段、複雑な関係にあるわけですね。

立川 たとえば、ナツメはガドルがいなくなることを望み、そのために戦おうとするけれど、ゲームのシステム上、ガドルがいなくなることは絶対にない。でもカブラギはナツメに「ここは娯楽施設だから無駄な努力だ」とは言えないですし、他にも伝えられない事実がたくさんあるから、彼女を止めようと思っても止められない。その結果、ナツメが命の危険にさらされたら助けに行かなきゃいけない……とか。この先、そんな風に世界観や設定とストーリーが絡み合いつつ、カブラギとナツメのドラマが展開していきます。




放送前に公開されていた第1弾キービジュアルと、第2話放送とともに公開された第2弾キービジュアルを2枚並べた時に感じる驚き、違和感、ギャップ。実はそこにこそ、多層構造的にくみ上げられた本作のテーマが隠されている。


デカダンス
毎週水曜日深夜25時05分よりTOKYO MXにて放送中
ほかAT-X、テレビ愛知、KBS京都、サンテレビ、BS11でも放送中

(C)DECA-DENCE PROJECT