CASE時代に対応する充電アナライザ2シリーズを投入

キーサイト・テクノロジーは7月15日、電気自動車(EV)やEV充電機器(EVSE)向けの充電インタフェースを試験および検証する「Scienlab充電アナライザー(Charging Discovery System:CDS)」に新たに、高出力・超急速充電シリーズならびにEMC対応シリーズの2つのソリューションを追加したことを発表した。

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    中央と右が今回新たに追加された「Scienlab CDS ハイパワーシリーズ」と「Scienlab CDS EMCシリーズ」。左は従来からある「Scienlab CDSポータブルシリーズ」 (資料提供:キーサイト)

EVやプラグインハイブリッド(PHV)の充電は家庭用電源やEVステーションなどから行われることなどもあり、近年は自動車EMC基準と一般EMC基準の両方を満たす必要が出てきた。Scienlab CDS EMCシリーズはそうしたEMCニーズの変化に対応するために開発されたもので、電波暗室内で伝導または放射イミュニティおよびエミッション試験などに用いられ、EV/PHVへの充電の最中のEMC評価において、どのような状態のときにどのようなノイズが生じるのか、といった測定に利用することが可能だという。

一方のScienlab CDS ハイパワーシリーズは、CHAdeMO3.0やChaoJiといった高出力充電に必要となる液冷ケーブルにも対応する充電アナライザで、世界中の主要な充電規格(日本のCHAdeMO、欧米のCCS、中国のGB/T)に基づき、相互接続性に必要なテストを実行できるため、製品の市場投入までの時間を短縮することができるとしている。

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    Scienlab CDS ハイパワーシリーズの概要 (資料提供:キーサイト)

「Keysight World 2020 東京」をオンラインで開催

また、同社は2つのScienlab CDSシリーズの発表に併せ、2020年7月16日~17日にかけてオンライン開催する「Keysight World 2020 東京」の概要も明らかにした。

Keysight Worldは日本発のプライベートカンファレンスで、現在は全世界10か国以上で開催されるグローバルイベントへと昇格されており、Keysight TechnologiesのChairman, President and Chief Executive Officer(CEO)であるRon Nersesian氏も、「Keysight World 東京はKeysightそのもの」と評し、会社としての期待も高いイベントであるとしており、ここでKetsightという企業が進めている最新テクノロジーへの理解、グローバルの動向、そうした動きに対応できるテストソリューションへの理解を、米国と並び最先端技術の研究開発で世界をリードする日本という地域の顧客にしてもらうことで、顧客が自社の成功につなげていく一助にしてもらえれば、としている。

Keysight World 2020のテーマは「Innovate Next」で、Keysight Technologiesバイスプレジデント兼アジアパシフィック統括本部長で、キーサイト・テクノロジーの代表取締役社長 兼 電子計測本部長であるチエ ジュン氏は、「Ketsightはマーケットシェアの拡大に集中するのではなく、どこが最先端技術を必要とする市場で、そこで必要とされる技術はどういったもので、どうやってそれをサポートすれば、市場が立ち上がるのかを考えて取り組んできた」とし、日本においては、「6G」「量子コンピュータ」「CASE」の3つが注目すべき次世代技術のトレンドとなっているとし、そうした最先端の技術に関する情報をさまざまな角度から提供していくとする。

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    日本にとっての次世代技術トレンドの例として示された「6G」「量子コンピュータ」「CASE」 (資料提供:キーサイト)

また、同氏は「単に最先端の技術の紹介だけでなく、日々、開発の現場で行われている計測作業の中にも先端の計測ソリューションが含まれている。今回はそうしたデジタルトランスフォーメーション(DX)を活かした情報も盛り込んでおり、そうしたノウハウをキーサイトというレンズを通して多くの人に経験してもらえれば」ともしており、キーサイトによる技術の説明だけではなく、そうした計測技術を使う側からの実際の話を通じて、自分たちの現場での計測に活かしていってもらいたいともしていた。