アナログ半導体大手のAnalog Devices(ADI)は7月13日(米国時間)、同じくアナログ半導体を手掛けるMaxim Integratedを買収することを発表した。ADIは2017年に、ハイエンドアナログ半導体を手掛けていたLinear Technologyを約148億ドルで買収したが、今回の買収額はそれを上回るものとなる。

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    ADIの主な買収の歴史

Maximの普通株式1株当たり、ADIの普通株式0.630株を割り当てる株式交換方式で行われ、手続き完了後、ADIの現株主は統合後の会社の約69%、Maximの現株主は約31%を保有することになるという。この買収にかかる費用は約209億ドル(約2兆2000億円。1ドル107円換算)になるという。

今回の買収により、単純にADIとMaximの売上高を合算すると約82億ドル(ADI:60億ドル、Maxim:22億ドル)となるとADIでは説明しており、アナログ半導体トップのTIとの差は、買収前のほぼダブルスコアの状況からかなり縮まることとなる。

また、ADIでは、自動車やデータセンター市場におけるMaximの強みと、産業、通信、デジタルヘルスケアの幅広い市場におけるADIの強みは相補的であり、主要な長期的成長のトレンドに乗ることが可能となると今回の買収についての意義を説明しているほか、パワー・マネージメントにおいてはMaximのアプリケーションフォーカスの製品により、ADIの広範な市場向けの製品が補完されることになるともしている。

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  • Maximの買収によって補完されるポートフォリオと市場のイメージ

さらに、両社を併せるとエンジニアの数は1万人以上となり、年間の研究開発投資額も約15億ドルとなり、さまざまな領域のトップクラスのエンジニアにとって魅力的な企業となるという。

なお、今回の買収は、米国その他の規制当局の承認取得や、両社の株主の同意を含め、その他通例の取引完了条件に基づき、2021年夏に完了する予定だとしている。