女性の性犯罪者が未成年男子をレイプするのは「禁断の恋」なのか?

教師時代に当時13歳だった教え子の少年と性的関係を持ち、第2級児童強姦罪などで刑務所に7年間服役し、出所後に同じ相手と結婚したメアリー・ケイ・ルトーノーさんが6日に亡くなった。享年58歳。死因はがんだった。

元教え子の名前はヴィリ・フアラアウさん。彼と関係を持った当時、ルトーノーさんは34歳。1990年代末、タブロイド紙をにぎわせた2人だ(ピープル誌の表紙を飾ったこともある)。当時のメディアはルトーノーさんを性犯罪者ではなく、社会からは決して理解されない悲恋の渦中に置かれたヒロインとして報じた。

【画像】1998年、教え子との間に生まれた第一子を抱えてタブロイド誌の表紙を飾った故ルトーノーさん(写真3点)

おそらく、近年話題になったどの有名人よりも、メアリー・ケイ・ルトーノー事件の報道は、児童レイプと関連した性のダブルスタンダードを定着させる原因となった。つまり、男性教師と未成年女子生徒とのセックスは非難されてしかるべきである一方、女性教師と未成年男子生徒とのセックスは容認されるどころか、称賛に値するという考えだ。

ルトーノーさんとフアラアウさんがタブロイド紙の常連となった90年代以降、女性の性犯罪者の報道が罪の大きさを軽視し、「魅力的な大人の女性たちが少年に性的関心を抱く理由」にばかり注目する例が後を絶たない(こうした関心の対象となった少年たちは「幸運」だとみなされた)。

13歳の少年と十数回にわたって性行為とオーラルセックスを重ね、その後起訴された27歳の体育教師パメラ・ロジャース・ターナーを、ニューヨーク・ポスト紙は「はっとするような」「ブロンドのセクシーダイナマイト」と表現し、ご丁寧にビキニ姿でハーレー・ダビッドソンの広告モデルをしていた過去も紹介した(彼女は4件の性的暴行で不抗争の答弁を行ったが、暴行被害者の少年に猥褻なメールを送ったとして再逮捕され、懲役7年の刑となった)。

フロリダ州タンパの教師で、バックストリート・ボーイズのメンバーの元恋人デブラ・ラフェイヴは、14歳の生徒とオーラルセックスをしたとして猥褻淫行暴行罪で起訴された。メディアではプラチナブロンドの美女としてさんざん持ち上げられ、彼女の弁護士もこれを口実にして懲役刑を免れようとしたほどだ。「魅力的な若い女性をあのようなごみ溜めに放り込むことは、ライオンの群れの中に生肉を投げ入れるようなものです」と、彼は2004年に述べた(どういうわけかこの主張が功を奏し、ラフェイヴは3年間の自宅軟禁と7年間の保護観察処分で済んだ)。


教師・生徒間の性犯罪で女性が加害者の場合、男性が加害者の場合よりも刑がはるかに軽い

女性教師と未成年の男子生徒の性犯罪を扱う報道では、こうした図式があまりにも当たり前になっていたため、作家・アリッサ・ナッティングはこれを題材に風刺小説『Tampa』を書いた。ソシオパスの中学教師が少年たちを次々餌食にしていく、という話だ。作者のナッティング氏はガーディアン紙のインタビューで、ラフェイヴ事件がきっかけで女性の性犯罪者の見方を改めるようになったと語った。「多くの人が、疑問の余地なく思い込んでいます。『男のほうが望んだんだから、犯罪とはいえないだろう?』。私はそれは間違った解釈だと思います」。あえて歯に衣着せぬあからさまな表現を使うことで、彼女は性的虐待を細部まで再現し、読者に罪の重さを突きつけた。

とはいえ、性的図式が逆だった場合と比べると、この手の暴行はいくぶん軽く、被害者への傷も少ないという暗黙の考えはいまだ残っている。2013年の調査によると、教師・生徒間の性犯罪で女性が加害者の場合、男性が加害者の場合よりも刑がはるかに軽い。判事もあれこれこじつけて、減刑を正当化し続けている。ベビーシッターが11歳の少年を性的に暴行したイギリスの事件では、判事は加害者にこう言った。「明らかに彼は成熟な11歳で、あなたは未熟な20歳でした。数字で見るよりも、2人の年の差は小さいのです」。性的暴行の複雑な図式を理解するにはまだまだ道のりは遠い。

この点に関しては、おそらくルトーノーさんの物語の悲しい結末がいい教訓になるだろう。晩年の彼女は法律事務所の秘書として働きながら、時折インタビューに応じたり、地元のバーで「イケてる先生大集合」と題したイベントの司会を務めたりするなど、過去の知名度で小銭を稼いでいた。フアラアウさんとは2019年に別居した。どうやらルトーノーは最期まで自分の物語を、90年代のタブロイド紙と同じようにとらえていたようだ。「状況は2人にとって極めて不利でしたが、それでもなんとか結婚生活を長続きさせていました」。2人が別居した後、親しい情報筋はピープル誌にこう語った。「彼女のほうは今でも、自分たちの関係をめくるめくラブストーリーとして見ています」

【画像】極悪非道なレイプ犯に「将来の可能性」はあるのか? 判事の裁定めぐる不条理