日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立GLS)は、東京大学高齢社会総合研究機構(以下、東大IOG)と共同で、日立GLSの冷蔵庫や電子レンジといったコネクテッド家電から収集した高齢者の行動情報をもとに、要介護にいたる手前の状態(これをフレイルと呼ぶ)の予兆を検知する技術開発に着手する。

  • コネクテッド家電を活用するプロジェクト

以前から日立GLSは、インターネットやスマートフォンと連携する家電製品「コネクテッド家電」を手がけてきた。冷蔵庫、電子レンジ、洗濯乾燥機など、コネクテッド家電のラインナップは広がっている。冷蔵庫の場合、ドアの閉め忘れをスマホに通知したり、冷蔵庫に保存した食材の管理をスマホで簡単に行えたりと、日常的な家事のサポートに役立つ。

今回のプロジェクトは、このコネクテッド家電を応用。おもに家庭内の高齢者に関して、フレイルの予兆を検知する。超高齢化社会に関して幅広い知見を持つ東大IOGと、日立製作所研究開発グループのAI技術を連携したプロジェクトだ。

  • 日立GLSは多数のコネクテッド家電をラインナップ。写真は冷蔵庫「KX」シリーズ。写真左の「R-KX57K」が、Wi-Fiを搭載したコネクテッド家電

例えば、冷蔵庫の開閉などで分かる生活行動情報に加え、プライバシーに配慮した人感センサーや高性能センサーを用いて、人間の日常生活を妨げず継続的に行動を認識。時系列データによって高齢者の宅内行動における変化を把握し、日常生活の活発さを表す「生活の活き(せいかつのいき)」として可視化。フレイルの予兆を見極める。

  • 行動分析と数値化によって、フレイルの予兆を検出

フレイルは、健康と要介護の中間段階を指す。フレイルの予兆を見極めて予防することは、より早期の介護予防につながると期待できる。日立GLSは本プロジェクトの技術を活用し、高齢者の食生活・身体活動を豊かにするサービスや家族による生活見守りサービスなど、パートナー企業とのタイアップによるトータルソリューションの開発・提供を目指す。