教会のパーティに出席しコロナ感染で死亡した17歳女性、母親が見せた気になる行動

米フロリダ州のコロナ対策が混沌を極めている中、同州フォートマイヤーズに住むカースン・デイヴィスさんが先日亡くなった。

17歳だったデイヴィスさんは小児がんと自己免疫障害を克服し、特殊学級やスペシャルオリンピックで定期的にボランティアとして働いていた。教会のユースグループの活動にも積極的に参加し、高校ではボーリングリーグで活躍していた。

検視報告書によると、頭痛、鼻炎、軽度の咳といった症状がデイヴィスさんに現れ始めたのは6月13日。医療助手と看護師だった両親は、彼女が副鼻腔感染症にかかったのだろうと考えた。だが6日後、寝ているときのデイヴィスさんの顔が灰色がかっていることに気付いた。肺の酸素量を検査したところ、危険なほど低いことが分かった。そこで両親はトランプ大統領が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の奇跡の治療薬と謳う抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」を娘に投与した(食品医薬品局は先月、COVID-19の治療薬としてヒドロキシクロロキンを支持する見解を撤回。治療に効果が見られない一方で「深刻な副作用」を伴うと述べた)。その後2人は娘をガルフコースト・メディカル・センターへ連れて行き、デイヴィスさんはすぐに小児集中治療室に収容された。

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最初に症状があらわれてから6日後の6月19日、デイヴィスさんは検査でCOVID-19陽性と判定された。6月22日に挿管されたが、翌日に死亡が宣告された。

彼女の死後、データサイエンティストのレベッカ・ジョーンズ氏はフロリダ州のCOVID-19被害者特設サイトに検視報告書と短い死亡記事を掲載した。以来、デイヴィスさんはパンデミックに対する州の誤った対応と(2020年7月7日現在、フロリダ州での感染者数は21万4000人、死者は3000人以上)ウイルスに関する誤情報の危険を象徴する存在となった。

今回の事件が有名になった背景には、当初デイヴィスさんが地元教会で行われていた「COVIDパーティ」でウイルスに感染したという誤った報道も一因のひとつだ。COVIDパーティの噂はここ数カ月間、アラバマ州やルイジアナ州などでまことしやかにささやかれていたが、5月にローリングストーン誌が報じたように、ほとんどが作り話だ。

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パーティの後、両親がCOVID-19の治療に効果があるとみられるアジスロマイシンをデイヴィスさんに投与していたことが検視報告書に書かれていたことから、当初地元メディアは彼女が感染目的でパーティに参加していたと結論づけた。デイヴィスさんが通っていたファースト・アッセンブリー・オブ・ゴッド教会フォートマイヤーズ支部は、この報道を「でたらめで中傷的」とし、「こうした主張は完全に誤りであり、無責任な憶測と誤情報に基づくものです」と述べた。その後教会のFacebookページはプライベートグループに設定された(ローリングストーン誌のコメント取材依頼に対し、教会からは返答が得られなかった)。


デイヴィスさんの母親は教会のイベントに娘を連れて行った

しかしジョーンズ氏のブログに掲載された検視報告書によると、たしかに6月10日、デイヴィスさんの母親は100人の若者が集まる教会のイベントに娘を連れて行った。ただし、マスクは着用していなかった。

Facebookには、検疫終了記念パーティと題して、イベント広告が掲載されていた。「礼拝が以前よりもグレードアップして再開します! 今夜6時45分、ジムにて規制解除パーティを行います。ゲームあり、素敵なお土産あり、無料の食事とDJの音楽つき。さっそく礼拝第1弾も行います。さらにそのあとは、カラオケとバスケでサマーナイト[原文ママ]が開幕!  皆さんのご参加をお待ちしています!」 。教会の広報担当者はデイヴィスさんがイベントに参加していたことを認めた。デヴィッド・トーマス牧師はTV局NBC2とのインタビューで、教会はイベントを監視することはせず、ソーシャルディスタンスをするかどうかは参加者の自己責任だったと述べた。

デイヴィスさんの母親、キャロル・ブラントン・デイヴィス氏のFacebookページはすでに削除されているが、Twitterに投稿された彼女のアカウントのスクリーンショットによると、母親はマスク反対を訴えるWEBサイト「Dont Mask Our Kids(子供にマスクをさせるな)」のリンクを貼っていたようだ。

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ローリングストーン誌が薬局チェーンCVSのFacebookページから入手した2016年の投稿履歴によると、ブラントン・デイヴィス氏は同薬局をボイコットすると宣言していた。2016年、CVSの親会社のTargetがトランスジェンダーの顧客および従業員のトイレ使用に関し、男女好きな方のトイレを使ってよいとする方針を打ち出したためだ。「会社側の政治的公正のために、自分の家族(若い娘)が危険にさらされることは絶対に認めません」と、投稿には書かれていた。