日本IBMとソーシャルビジネス・ネットワーク(SBN)は7月7日、IBMが提唱している社会貢献プログラム「SkillsBuild(スキルズビルド)」を、SBNと連携している社会的企業であるソーシャルビジネス事業者、NPO、自治体など複数の運営パートナーが紹介する人材向けに提供を開始すると発表した。

当初は、スキルアップやキャリアアップに意欲のある女性や就職氷河期世代などを対象とし、プログラムの参加者はSBNや運営パートナーによるサポートを受けながら、IBMが提供するオンライン学習プラットフォームで、企業の社員ボランティアなどによる学習相談コーチングを利用し、ビジネスに必要なスキル、IT基礎知識、IT専門知識の習得を目指す。

また、プログラムの参加者はプロジェクト演習およびインターンシップによる体験学習や就職準備相談コーチングを利用して就労準備に取り組む。

  • 「SkillsBuild」の全体像

    「SkillsBuild」の全体像

SkillsBuildは、これまでの経歴、教育や人生経験にかかわらずプログラムの参加者がビジネスに必要なスキルやIT基礎知識、IT専門知識など社会で需要の高いスキルを習得し、就労への道を拓くことを支援するIBM発の社会貢献プログラム。

各国のNPOや行政などのパートナーとともに、厳しい雇用環境や社会的な課題に直面している方の学習就労支援として、2019年にフランスIBMでスタートし、現在ではイギリス、トルコ、インドなど、10カ国以上で提供され、移民、難民、退役軍人、若者など7000人超が学んでいるという。

プログラムの参加者は、無料でアクセスできる6000を超える学習コンテンツから、職種や技術分野、運営パートナーによる推奨など特定のテーマに沿って選別された学習コースにアクセスでき、学習コースには学習修了後にデジタル・バッジを獲得できるものも含まれている。さらに、企業や運営パートナーが提供するプロジェクト演習およびインターンシップによる体験学習によって、実践スキルを習得するほか、企業の社員ボランティアなどによるコーチング・サポートを受け、学びを促進するとしている。

  • 「SkillsBuild」の学習コンテンツ

    「SkillsBuild」の学習コンテンツ

日本IBMは、SkillsBuildを日本の社会課題やニーズの解決を目指して推進。日本での提供開始に向けて、IBMの技術や社員のスキルを活用し、プログラムの最適化を図っており、オンライン学習コンテンツの開発と選定として日本の労働市場において需要の高いIT関連の職業と、それに応じたスキルを調査・分析し、データをもとに学習コンテンツを開発し、日本独自の学習コースを選定。今後も社会の需要に応じ、随時追加を予定している。

また、オンライン・コーチングによるスキル習得支援として社員がボランティア・コーチとしてプログラムの参加者の質問に回答するなどの支援を行い、プロジェクト演習やインターンシップによる体験学習の提供についてはプログラムの参加者がオンライン学習で学んだ内容を応用して経験を積む機会を提供。

一方、SBNでは連携している社会的企業であるソーシャルビジネス事業者、NPO、自治体などの運営パートナーとの連携のもと、多くの人にSkillsBuildを学習し、活用してもらうように呼びかけ、SkillsBuildを受講することで困難な状況に置かれている人や就労を希望する人にスキル向上の機会を提供することで、社会的課題解決に寄与していくという。

ソーシャルインパクトの創出として運営パートナーとの連携のもと、就労が困難な状況に置かれているプログラムの参加者に対して、必要な伴走支援やメンタルケアなどの丁寧なサポートを施すことにより、プログラムの参加者や関係者から評価されるソーシャルインパクトを生み出す。

加えて、社会性の評価と事業への反映として、変化を続ける社会環境の中でさまざまな就労困難な状況をつくっているソーシャルニーズを分析し、その対象となる社会課題や解決状況に応じ、対象層に対する効果的かつ組織的なアウトリーチを図るとともに、成果の社会性評価を事業に反映させる。

加えて、SkillsBuild委員会を設け、ソーシャルビジネスの3つの視点(社会性、事業性、革新性)に配慮することで円滑な事業推進を図り、委員会に所属する運営パートナーごとに推薦コースなどを設定し、各運営パートナーが紹介する人材に対しプログラムへの参加を呼びかけるという。

  • 「SkillsBuild」の日本における運用体制

    「SkillsBuild」の日本における運用体制