デル テクノロジーズの日本における事業を展開する2社であるデルとEMCジャパンは7月6日、統合型リスク管理製品の最新版である「RSA Archer Suite 6.8」(RSA Archer) を販売開始した。価格は、ユーザー数、提供形態(オンプレミス版、SaaS版)、ユースケースの数により異なる。なお新製品は、RSA及びRSAのビジネスパートナーから提供する。

主な新機能としては、必要なデータをリアルタイムで参照できるデータゲートウェイ機能、財務コンプライアンスの順守を可視化する「財務統制監視」ユースケース、承認プロセスを短時間化するフロー用モバイルアプリの3点がある。

データゲートウェイ機能は、外部システムで管理しているデータをWebインターフェース経由でリアルタイムかつ透過的に参照できるという機能。開発は不要で、ユーザー自身がRSA Archerユーザー インターフェースで接続先を構成できるという。

資産台帳や会計データ、リスクデータ、アセスメントの結果などは、各々のシステムで管理していることもあり、利用には外部データをコピーしてRSA Archerに取り込む手法がこれまで一般的だったとのこと。

新機能により、これらの外部データをリアルタイムに参照してRSA Archerデータの精度と鮮度を上げることが可能になるという。その結果、RSA Archerのダッシュボード上でリスクの状況をリアルタイムでより正確に把握できるようになるとしている。

財務統制監視ユースケースは、財務管理の評価や報告、コンプライアンスや財務規制に関わるプロジェクトを一元的に管理する機能であり、主要な財務フローとプロセスの文書化、変更の管理を行うという。

組織では、コントロール台帳、コントロールテストの結果、その結果から生じた課題を分散的に管理している場合があり、これらのデータを集めて突合する場合は手作業になりがちだが、新ユースケースの利用により、財務コンプライアンスに関連する情報を一元的に管理可能になるとのこと。

また、コンプライアンスプロジェクトが数十、数百などの大きな数になると、変更管理や課題のトラッキングが困難になりがちだが、同ユースケースがあれば、ダッシュボードでプロジェクトの進行状況やリスクの所在を可視化可能になるとしている。

フロー用モバイルアプリとして、ワークフローの承認者向けモバイルアプリである「RSA Archer Mobile App」を提供開始した。

新アプリは、承認者に割り当てた承認タスクを期日別に一覧表示する。承認者は、承認や却下、差し戻しといった回答をモバイルデバイスから承認申請を完了できるとのこと。モバイルアプリがあれば社内または出張中に関わらず、いつでも承認プロセスを行うことができ、承認プロセスのスピードアップに貢献するとしている。