【コロナで顕在化した在庫問題!売上を増やし在庫を減らす新手法とは?】第2回「手元にある在庫の有効活用を考えよう」

「今ある在庫」で効果的に売上を増やす
前回からの続きで、在庫問題を根本から解決する在庫実行管理(IEM = Inventory Execution Management)について詳しく解説します。

IEMとは、ひと言でいえば「今ある在庫」を使って売上を増やし、その結果として在庫が減っていく新しい手法です。

在庫実行管理(IEM)は、欠品やヒット商品に関する”思い込み”にとらわれることなく、売上増加を実現するアプローチです。

従来のアプローチでは、欠品を避けるため、そしてヒット商品を多くつくるために在庫を多く積む必要がありました。さらには需要予測が当たらないことも加わり、結果的に売れ残り在庫が増えていたのです。

これに対しIEMでは、次のように考えます。
「今ある在庫」を使って売上を増やす。だから在庫が減る。

具体的なポイントは大きく分けて3つです。

①「今ある在庫」の中から、隠れた人気商品を見つける
②「今ある在庫」の中から、客単価向上に貢献する商品を見つける
③発注業務の負荷を下げることで発注頻度を高め、1回の発注量を低減する

まず①から見ていきましょう。在庫には「よく売れていて、売り切れそうな商品」と「全然売れておらず、売り切れなさそうな商品」の両極だけでなく「普通に売れているが、売り切れなさそうな商品」の3種類があります。

大半の企業は、よく売れていて売り切れそうな商品だけで売上を立てています。ところが、普通に売れているが売り切れなさそうな商品は、可視化できていないことが原因で販促が手薄になっているだけで、まだまだ売れる商品力を持っています。

これらの販促を強化することで、「今ある在庫」で売上が増え、在庫が減っていきます。

客単価はロジカルに向上できる
次に②です。売上は客単価 × 注文数(販売数)に分解できます。販売数を現状から増やすことは非常にコストがかかって難しいのに対し、客単価はほぼコストをかけることなくロジカルに向上可能なのです。

そのためにはまず、客単価帯の分布を示す棒グラフから平均客単価の向上に貢献する客単価帯を見つけます(下図)。そして、その客単価帯の注文に貢献している主力商品の販促を実行します。すると「今ある在庫」で売上が増え、在庫が減るのです。



そして③です。重要なのは、抜群な精度の需要予測はほぼ不可能だということです。なので、予測にリソースは割かずに発注業務の負荷を下げ、発注頻度を上げることで対応します。

発注数を自動計算することで発注業務の負荷を下げれば、発注頻度を上げることができます。すると、1回あたりの発注量を減らすことができるので、在庫リスクが低減されます。

このため余計な在庫を増やすことなく、売上を増やすことが可能になります。

手持ち在庫のポテンシャル活用を
社会は目下、「アフターコロナ」「ウィズコロナ」へシフトしている最中です。国内市場だけでいえば、10年後には人口の3分の1が高齢者になって内需を生み出す生産年齢人口が激減するうえ、九州の人口と同じくらいの人口が減っていきます。在庫過多を前提にしたビジネスモデルは、個人消費のパイ縮小によって崩壊が必至です。

2030年に向けてどう取り組むかということが、コロナ危機によってすぐ目の前の課題になったといえるでしょう。

「今ある在庫」は決して売れ残った”お荷物”ではなく、むしろ”宝の山”です。新商品・ヒット商品の在庫をやみくもに増やさなくても、在庫実行管理(IEM)に依拠した手法なら手持ちの在庫から売上は増やせるのです。

フルカイテン株式会社はIEMを実行するツールとしてFULL KAITENを開発し提供しています。FULL KAITENは、①消化率向上②単価(客単価)向上③回転率向上――の3機能を実装。大手アパレルやメーカー、楽天ショップオブザイヤー受賞店舗などにIEM実践をお手伝いしています。

次回からは、在庫実行管理(IEM)に沿って売上を増やす具体的な販促手法について解説していきます。お楽しみに。



【著者プロフィール】

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フルカイテン株式会社 
代表取締役 瀬川直寛(セガワ・ナオヒロ)

売上増加と在庫削減の両立を実現するシステム「FULL KAITEN」を開発し、クラウドサービスとして大手小売企業や楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤー受賞店舗などに提供。 EC経営者として倒産危機を3度乗り越えた経験を踏まえた理論・考え方は、多くの企業から高く評価されており、「FULL KAITEN」にも多くの問い合わせが寄せられている。