「素材の味=おいしい」は“概念”…!? チームラボ・猪子寿之×予防医学研究者・石川善樹「人は概念を通じて世界を見ている」
禁酒法の時代に、こっそり営業していたBAR「SPEAKEASY」。2020年の東京の街にも、そんなひそかなBARがありました。月曜から木曜の深夜1時にオープンする“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。各界の大物ゲストが訪れ、ここでしか話せないトークを展開するとか、しないとか……。

TOKYO FMの番組「TOKYO SPEAKEASY」6月24日(水)のお客様は、アートコレクティブ・チームラボ代表の猪子寿之(いのこ・としゆき)さん、予防医学研究者・石川善樹(いしかわ・よしき)さん。ここでは、2人が考える“概念の世界”について語りました。

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(左から)猪子寿之さん、石川善樹さん


◆「“概念を作っている人”の勝ち」(石川)
石川:“世界”を知覚するときに、一番重要なキーワードが“概念”なんです。人は概念を通して世界を知覚しています。

例えば、今までは僕たちは“男性”“女性”という、“性別という概念”で物事を見ていました。でも、“ジェンダー”という概念ができた瞬間、“男性”“女性”という境界が解けたんですよね。

猪子:なるほど。

石川:ほかの例えで言うと、昔は、中年男性ばかりの会議室を見ても何とも思わなかったのが、“ダイバーシティ(多様性)”という概念ができたおかげで、違和感を持つようになった。だから、概念を通して世界を見ているということは、つまり“概念を作っている人の勝ち”なんですよ。

猪子:おもしろい。話がちょっと下世話になるんだけど、「(ソースや醤油ではなく)塩をつけて食べたほうがうまい」って言う人いるじゃない? 「素材の味がわかるから」とか言って。化学的にも、“素材の味がわかる=おいしい”というわけではないのに。だって、素材は素材であって、おいしいというのは“旨味”だからね。

石川:調理をしたほうが(旨味が)引き出されますからね。

猪子:そうそう。だから、たぶんそれも“素材=おいしい”という“概念”。

石川:その人はきっと、“素材がおいしいという概念”を食べているんですよ。

あと、ワインとかもそうですよね。例えば、「ボジョレーヌーボーです」とか言われると、「あぁ、ボジョレーヌーボーか」みたいになるじゃないですか?

猪子:うん。おいしくないね。

石川:でもそれを、「ボジョレーヌーボーです」と言うことで“概念”を作ることができる。そうやって、世界のワインの楽しみ方を増やしているんですかね?

猪子:おそらく、言語化されることによって、“言語的な呼び出し”がしやすくなるんだと思う。

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来週の「TOKYO SPEAKEASY」のお客様は……

7月6日(月)三吉彩花さん(女優)&松岡広大さん(俳優)
7月7日(火)澤和樹さん(東京藝術大学・学長) &隈研吾さん(建築家)
7月8日(水)春風亭小朝さん(落語家)&篠原菊紀さん(脳科学者)
7月9日(木)峯岸みなみさん(アイドル・AKB48)&シソンヌ・じろうさん(お笑い芸人)

がご来店。一体どんな話が飛び出すのか……!? お楽しみに!

<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00~26:00
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/speakeasy/