「私たちが震えた 少女ホラー漫画」の帯付き表紙。

1970年代から2000年代までの女性向けホラーマンガをテーマにした単行本「私たちが震えた 少女ホラー漫画」が、本日7月3日に辰巳出版から発売。イラスト、コラム、インタビューを通じて、当時の名作を紹介している。

同書には犬木加奈子「三途の川」、葉月シモン「一枚の絵」、石上愛実「シャボン玉幸子さん」の3作品を作者自身のメッセージ付きで再録。3作品はホラーマンガ愛好家・緑の五寸釘氏が セレクトした。またきたがわ翔による「『これは怖い…』少女ホラー漫画」と題した寄稿も登場。自分の肉体が異性の性欲の対象となってしまう恐怖について述べ、作品例として高階良子「はるかなるレムリアより」などを取り上げた。さらに91歳の現役マンガ家、わたなべまさこが描く怪奇の世界を70年代の作品とともに紹介。「聖ロザリンド」「白いカメレオン」「這ってくる髪」「ガラスの城」がピックアップされ、悪魔の子供を描いたマンガ「黒天使シンセラ」も収録された。

インタビューでは少女向けホラーマンガ雑誌として発行されていた・ハロウィン(朝日ソノラマ)の創刊メンバー・まつざきあけみが同雑誌が創刊された当時を振り返る。また年に1回発行している同人誌「ホラーグルメ」に参加する有田景、きもとのりこ、白井幸子による座談会も掲載。ホラー愛たっぷりに1990年代のホラーマンガブーム、それぞれのトラウママンガなどについてトークが展開された。

そのほか篠原千絵「海の闇、月の影」、あしべゆうほ「悪魔の花嫁」、ささやななえ「たたらの辻に…」、今市子「百鬼夜行抄」、吉川うたた「すっくと狐」、イケスミチエコ「黒髪狩り」、曽祢まさこ「悪魔の十三夜」や関よしみ「魔少女転生」なども紹介されている。