何台憶えていましたか? 「GT」の名を冠した初期の国産車たち|ジャパニーズGTカーの誇り Vol.2

ダイハツも主力ファミリーカーのコンパーノに「GT」を設定している。これはフルオープンのコンパーノ・スパイダーと同じツインキャブ仕様の1L直列4気筒エンジンを積んだスポーティーグレードだ。当時としては画期的な機械式の燃料噴射装置を装着したコンパーノGTも売られている。

 トヨタスポーツ800を送り出したトヨタも、67年に積極的に「GT」を投入した。トヨタはグレード名ではなく車種そのものだ。しかもストレートに「トヨタ○○GT」と呼んでいる。5月に鮮烈なデビューを飾ったのがトヨタ2000GTだ。クルマの性格やデザインを見ていくと、「グラン・ツーリスモ」の表現のほうが似合う。

 それまでの「GT」は、ある車種の1バリエーションだった。が、トヨタ2000GTはボディからシャシー、エンジンに至るまで専用設計で、乗車定員も2名だけと割り切っている。直列6気筒DOHCエンジンを積んだ日本初の「GT」で、2Lモデルとしては世界トップレベルの性能を誇った。

 夏にはコロナハードトップのボディを用いたトヨタ1600GTを仲間に加えている。これ以降、トヨタはDOHCエンジン搭載車だけに「GT」の名称を与え、高性能を誇示した。

 GTのネーミングを許されたのは、そのメーカーを代表する高性能モデルだけだ。だが、この手のクルマが増えてくると、その上を行くネーミングを考えて使うようになる。代表車は69年2月に登場し、今も多くのファンに愛されているスカイライン2000GT-Rだ。その半年ほど後、ベレットにも1600GTRが加わった。最初に「GT」バッジを付けた両車が、レーシング直系のGTを同時期に送り出したのはおもしろいし、興味深い。

 70年代になると「GT」を名乗るスポーティーカーが一気に増え、ボディタイプも2ドアクーペやハードトップが主流となる。70年代のGTの代表車がトヨタのセリカと三菱のギャランGTOだ。ともに「スペシャリティーカー」という新しいジャンルを確立した記念すべき作品で、セリカはフラッグシップに1600GTのバッジを与えた。専用の美しいクーペボディを身にまとったギャランGTOは、公認を取った本物のGTの意味だ。

 どちらも1.6LのDOHCエンジンを積み、トランスミッションは5速MTを採用する。この2車は後に排気量を2Lに拡大したモデルを投入した。トヨタはセリカの兄弟車、カリーナにも1600GTと2000GTを設定し、ファン層を広げている。

 マツダも72年秋に「GT」戦線に名乗りをあげた。最初の作品はサバンナGTだ。ロータリーエンジン専用モデルとして登場し、輸出仕様車だったマツダRX-3を国内向けにアレンジし、サバンナGTを名乗らせた。後継モデルのRX‐7でも「GT」は欠かせない存在となっている。

 日産は大ヒットしたスカイラインの二匹目のドジョウを狙い、ブルーバードUにロングノーズ版を設定した。ホイールベースを150mm延ばし、2分割のバーチカルマスクを採用したブルーバードU2000GTである。

 また、軽自動車にもGTを名乗るクルマが出現した。ホンダZやミニカ・スキッパーには「GT」が用意されている。カローラとスプリンターのスポーツモデルとして誕生したレビンとトレノも、2代目になると性格分けがなされ、同時に「GT」も登場した。ライバルのセレステにも1600GTと2000GTが誕生する。


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