キヤノンIT ソリューションズ(キヤノンITS)は6月26日、遠隔地の作業現場の映像を見ながら、作業の確認や指示が行える遠隔業務支援サービス「VisualBrain(ビジュアルブレイン)」を 7月1日より提供すると発表した。

「VisualBrain」は、現場作業員のiPhoneから送られた映像と音声を、PC上のブラウザでリアルタイムに受けとり、PC側からもリアルタイムに音声を iPhone に送れる双方向のコミュニケーションを可能にするクラウドサービス。NTT コミュニケーションズのWebRTC プラットフォーム「SkyWay」を活用したサービスとなっている。

  • 「VisualBrain」概要

このようなサービスは、すでにいくつかリリースされているが、同社では低帯域での映像品質にこだわったという。

滑らかな映像配信が特長の「ビデオモード」のほかに、低帯域でも画質の劣化を抑止する「イメージモード」という通信モードを搭載。キヤノンITS独自の画像転送処理を搭載し、滑らかさよりも品質を重視する。これにより、帯域負荷を軽減した円滑なコミュニケーションを可能にするとしている。さらに、コミュニケーション中に回線が途切れても、 iOSデバイス側で撮影継続する機能を備えている(オフラインモード) 。

  • 管理者側画面(左)と現場側のiPhoneの画面(右)

現場側で利用できるのは、iPhoneとキヤノン製モバイルカメラ「MM100-WS」(Androidは今後対応)。遠隔監督者・現場監督者はPC利用を基本にする。PC1台を1ルームとし、同時接続できる端末(監督者PCを除く)の数は1ルームあたり最大4。

  • 40(幅)×21.6(奥行き)×40(高さ)mmと、小型なモジュールカメラ「MM100-WS」

撮影した動画や画像はクラウド上に最大30日間保存され、1ルームあたり最大80時間分の動画を保存できる。保存した画像や動画を二次活用するためのAPIも提供する。

価格(税別)は、初期導入費が10万円~、月額利用料は、イメージモード、ビデオモードそれぞれ8万円、2台目以降のiPhone接続料(同時接続)が1台あたりイメージモードで1万円、ビデオモードで5万円、動画を録画する場合は、モードごとに10万円となっている。年間利用料は96万円~となる(イメージモード、ビデオモードかのいずれかを選択し、接続する端末1台、録画なしの場合)。

同社では利用用途として、生損保会社の遠隔地からの査定業務、高所等、危険個所における作業指示・監督、遠隔地からの作業指示・監督、機器故障対応、建設現場での進捗確認、リアルタイム遠隔指導、薬剤師かかりつけ説明の支援などを想定している。