「i-PX7300RX」

NECは6月25日、メインフレームACOS-2「i-PX7300GX」の後継機種である「i-PX7300RX」、およびACOS-2のハードウェア・ソフトウェアのリソース相当をクラウドサービスとして提供する「ACOS-2 プラットフォームサービス」を発表した。

「i-PX7300RX」は、インテル Xeonプロセッサーを搭載し、前機種「i-PX7300GX」と比べてCPU性能を最大10%高めたほか、SSDを採用することで、ディスクI/O性能を前機種比約2倍に、ユーザディスクの搭載可能数を前機種比約3倍の20台に向上した。

搭載される新OS「ACOS-2/MP R12.1」では、システム終了と連動し静止点を確保したバックアップ運用機能や、紙帳票の電子化を実現する機能を新たにサポートしている。

バックアップ機能強化では、自動電源切断のACOS-2終了と連動する形でバックアップ業務を自動化しているほか、システム資産とユーザ資産を静止点を確保した状態でバックアップする。また、バックアップデータ転送において、FTP転送に加え共有フォルダへも直接転送可能にしている。

紙帳票の電子化を実現する機能では、 帳票イメージを電子帳票として保管することも可能にしている。また、プリント機能では、ACOSセンタプリンタに出力していた基幹業務帳票をオープン系のプリンタへ印刷出力可能にしている。

「i-PX7300RX」の価格(税別)は1,308万円~で、提供開始は9月末の予定。

「ACOS-2 プラットフォームサービス」は、オンプレミスのACOS-2相当を、NECのデータセンターを利用した月額利用モデルとしてサービス提供(PaaS)するもの。クラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」と連携し、バックアップ環境や運用監視サービスなども利用できるという。

「ACOS-2 プラットフォームサービス」の利用価格(税別)は50万円~(月額、別途、NEC データセンターまでの回線費用、初期構築費用が必要)で、提供開始は9月末の予定。

ACOS-4でRESTful APIで連携する2製品

ACOS-2の上位シリーズであるACOS-4では、ACOS-4上の業務アプリケーションや業務データと、オンプレミスのオープン環境やクラウド上のアプリケーションを、RESTful APIで連携する2製品の提供も発表した。

「WebOTX OLF/TP Connect for Container」は、コンテナ実行環境からACOS-4上のアプリケーションを容易に呼び出すことを可能にし、既存資産の定義情報を基に、クラウドネイティブ環境から呼び出し可能なAPIを自動生成して、短期間で連携用コンテナを作成する。

「ACOS Access Toolkit REST Web Services Option」は、ACOS-4 上のデータにダイレクトにアクセスする機能を提供する。SaaS等のクラウドAPから、ACOS-4資産をHTTPでアクセスできる。

「WebOTX OLF/TP Connect for Container」の価格(税別)は100万円~で、提供開始は7月3日の予定。「ACOS Access Toolkit REST Web Services Option」の価格(税別)は40万円で、提供開始は12月中旬の予定。

  • RESTful APIで連携する2製品

これらの製品を活用することで、機密性の高い基幹業務データをACOS-4上に保持しつつ、オープン環境のユーザーアプリケーションやクラウドサービスと組み合わせて活用しやすくなるという。

なお、同社は今後もメインフレームを提供し続けるとしている。